似た意味を持つ「伴侶」(読み方:はんりょ)と「配偶者」(読み方:はいぐうしゃ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「伴侶」と「配偶者」という言葉は、どちらも結婚相手やパートナーを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
伴侶と配偶者の違い
伴侶と配偶者の意味の違い
伴侶と配偶者の違いを分かりやすく言うと、伴侶とは婚関係の有無に関わらず使用できる、配偶者とは婚姻関係がある場合にのみ使用できるという違いです。
伴侶と配偶者の使い方の違い
一つ目の伴侶を使った分かりやすい例としては、「生涯の伴侶を見つけて幸せな人生を送りたい」「息子はよき伴侶に恵まれました」「人生の伴侶として共に生きてほしい」「新しい伴侶を得て再出発する」などがあります。
二つ目の配偶者を使った分かりやすい例としては、「配偶者のいない人を羨ましく思う」「子の配偶者は法定相続人になりますか」「配偶者が扶養から外れる条件を満たしている」「配偶者の呼び方は千差万別です」などがあります。
伴侶と配偶者の使い分け方
伴侶と配偶者という言葉は、どちらも共に行動するパートナーや結婚相手を表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
伴侶とは、共に連れ立って行く者を意味し、おもに結婚相手を指すことが多い言葉です。長い人生を共に歩む結婚相手やパートナーのことを、「生涯の伴侶」「人生の伴侶」などと表現します。また、共に行動する仲間や友人についても「伴侶」という言葉を使うことができます。
配偶者とは、結婚相手を意味し、夫婦の一方からみた他方を指す言葉です。簡単に言えば、夫からみて妻を、妻からみて夫を、それぞれ配偶者といいます。配偶者は法律上の婚姻関係により生じる地位であり、婚姻関係にないカップルは「内縁の夫」「内縁の妻」となります。
つまり、伴侶と配偶者の違いは婚姻関係の有無にあります。婚姻関係に関わらず使用できるのが「伴侶」、婚姻関係にある場合にのみ使用できるのが「配偶者」と覚えておきましょう。
伴侶と配偶者の英語表記の違い
伴侶を英語にすると「companion」となり、例えば上記の「生涯の伴侶」を英語にすると「a companion for life」となります。
一方、配偶者を英語にすると「spouse」「partner」「better half」となり、例えば上記の「配偶者のいない人」を英語にすると「a person without a spouse」となります。
伴侶の意味
伴侶とは
伴侶とは、一緒に連れ立って行く者、つれ、仲間、配偶者を意味しています。
伴侶の読み方
伴侶の読み方は「はんりょ」です。誤って「はんろ」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「人生の伴侶」「伴侶を得る」「伴侶を見つける」
「人生の伴侶」「伴侶を得る」「伴侶を見つける」などが、伴侶を使った一般的な言い回しです。
伴侶の使い方
伴侶を使った分かりやすい例としては、「私の伴侶は外国人ですが英語が話せません」「不実な男を伴侶にしたくない」「伴侶動物が広く社会に受け入れられている」「伴侶犬と幸せな生活を送る」などがあります。
その他にも、「妻はパーフェクトな伴侶です」「人生の伴侶に向いている女性の特徴を教えましょう」「伴侶との別れを乗り越える」「なぜ犬や猫は伴侶動物となりえたのか」「素晴らしい伴侶を得る」などがあります。
伴侶とは、行動や考えをともにする人を意味し、同伴者や仲間を指します。特に、配偶者を指す言葉でもあり、かつて男性優位の時代には夫に従う妻を「伴侶」と言いましたが、男女平等の現代社会では夫と妻どちらについても用いられています。
伴侶の語源
伴侶の語源は、その言葉の成り立ちにあります。伴侶の「伴」は、訓読みで「ともなう」と読み、一緒に行動する人や友を意味します。「侶」は一緒に連れ立つ仲間を表す漢字です。この二つの漢字を結び付けて「伴侶」という言葉ができました。
「伴侶動物」の意味
伴侶を用いた日本語には「伴侶動物」があります。伴侶動物とは、「コンパニオンアニマル」ともいい、人間と密接な関係を持ち、生活する上での伴侶的存在である動物という意味で使われる表現です。
伴侶の対義語
伴侶の対義語・反対語としては、もとの妻や離別した妻を意味する「先妻」、もとの夫や前夫を意味する「先夫」などがあります。
伴侶の類語
伴侶の類語・類義語としては、一緒に仕事などをする相手やパートナーを意味する「相棒」、一緒に物事をする人を意味する「相方」、同伴する人や連れを意味する「同伴者」などがあります。
配偶者の意味
配偶者とは
配偶者とは、夫婦の一方からみた他方を意味しています。
表現方法は「配偶者の有無」「配偶者を扶養する」「配偶者を扶養に入れる」
「配偶者の有無」「配偶者を扶養する」「配偶者を扶養に入れる」などが、配偶者を使った一般的な言い回しです。
配偶者の使い方
配偶者を使った分かりやすい例としては、「面接で配偶者の有無を聞かれました」「世帯主は私ではなく配偶者です」「事実婚なら配偶者とは言わないだろう」「配偶者や恋人からの暴力が増えています」「配偶者居住権を放棄する」などがあります。
その他にも、「年収がいくらまでなら配偶者控除を受けられますか」「配偶者特別控除を受けるための条件を確認する」「配偶者控除等申告書の書き方を教えてください」「配偶者控除の額はいくらですか」などがあります。
配偶者とは、結婚相手のことであり、夫から見れば妻、妻から見れば夫を指します。配偶者は、婚姻届を出した婚姻によって生じる地位であり、法律上は親族となりますが、親等はありません。婚姻届が出されていない内縁関係にある場合は、法律的に「配偶者」と呼べません。
「配偶者控除」「配偶者特別控除」の意味
配偶者を用いた日本語には「配偶者控除」「配偶者特別控除」があります。配偶者控除および配偶者特別控除とは、収入が一定額以下の配偶者がいる場合に、扶養する側の所得税が減額される制度のことです。
配偶者の対義語
配偶者の対義語・反対語としては、前の夫を意味する「前夫」、死別や離別した妻を意味する「前妻」などがあります。
配偶者の類語
配偶者の類語・類義語としては、行動を共にする人や配偶者を意味する「連れ合い」、配偶者またはそのような関係の相手を意味する「パートナー」、よき配偶者を意味する「ベターハーフ」などがあります。
伴侶の例文
この言葉がよく使われる場面としては、行動や考えをともにする人、仲間、つれ、配偶者を表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「人生の伴侶」とは、人生を共に生きるパートナーのことであり、長い一生の苦楽を分かち合う最高の連れ合いといったニュアンスで使用されています。
配偶者の例文
この言葉がよく使われる場面としては、夫からみた妻、妻からみた夫を表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「配偶者の扶養義務」とは、民法に定められた「配偶者を扶養し、協力して生活する義務」のことです。生活保持義務と言われるものであり、配偶者は自分と同じ生活水準で生活するべきとされています。
伴侶と配偶者という言葉は、どちらも「結婚相手、パートナー」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、婚姻関係を問わずパートナーを表現したい時は「伴侶」を、婚姻関係にあるパートナーを表現したい時は「配偶者」を使うようにしましょう。