【寛大】と【寛容】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「寛大」(読み方:かんだい)と「寛容」(読み方:かんよう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「寛大」と「寛容」という言葉は、むやみに他を責めないことを意味するという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




寛大と寛容の違い

寛大と寛容の意味の違い

寛大と寛容の違いを分かりやすく言うと、寛大は心の広い様子を表し、寛容は他の失敗などを許す様子を表すという違いです。

寛大と寛容の使い方の違い

一つ目の寛大を使った分かりやすい例としては、「寛大な措置に感謝せざるを得ない」「寛大な態度を示すことで良い印象を与える」「寛大すぎることも欠点となりうる」などがあります。

二つ目の寛容を使った分かりやすい例としては、「酒を飲めない人にも寛容な居酒屋だった」「寛容さを失っては対話をするのに不都合である」「寛容さがあればお互いを大切にしあうことができる」などがあります。

寛大は心の広い様子を表すことに、寛容は他の失敗などを許す様子を表すことにそれぞれ重きがおかれます。

寛大と寛容の語源の違い

寛大と寛容に共通する「寛」は気持ちにゆとりがあるという意味を持ちます。そしてこの二つの言葉は、他を怒ったり責めたりしないほど心が広い様子という意味を持ちます。

寛大という言葉は心が広いことを意味する文字と大きいことを意味する文字が組み合わせられ、寛容という言葉は聞き入れる、許すことを意味する文字が組み合わせられています。

そのため、「寛大な処置」「寛容の精神」という使い方はそれぞれできますが、寛大と寛容を入れ替えて「寛容な処置」「寛大の精神」のように使うことはできません。

寛大と寛容の英語表記の違い

寛大も寛容も英語にすると「tolerant」「lenient」となり、例えば上記の「寛大な措置」を英語にすると「tolerant measures」となります。

寛大の意味

寛大とは

寛大とは、度量が大きく思いやりがあり、むやみに人を責めない様子を意味しています。

表現方法は「寛大な心」「寛大な人」「寛大になる」

「寛大な心」「寛大な人」「寛大になる」などが、寛大を使った一般的な表現方法です。

寛大の使い方

寛大を使った分かりやすい例としては、「寛大である前に公正であれ」「彼の寛大さは周囲に好かれている理由である」「その店は子どもにも寛大である」「寛大な心を持ち他人の非も受け止めたい」などがあります。

「寛大である前に公正であれ」の意味

上記の「寛大である前に公正であれ」は、やりたいことをやる前にまずするべきことをしなければならないという意味のことわざです。

他にも寛大を使った言葉として、「寛大化傾向」や「寛大効果」などがあります。

「寛大化傾向」の意味

前者の「寛大化傾向」とは、評価する側が評価される側より能力的に劣っていると感じる、もしくは評価される側によく思われたいという気持ちから、全般的な評価結果を高めにしてしまう心理的傾向のことです。

反対に、評価する側が評価される側よりも優れていると感じ、自分を基準として評価をすることで評価結果が低めにしてしまう心理的傾向は「厳格化傾向」と言います。

「寛大効果」の意味

後者の「寛大効果」とは、他者の望ましい側面は強調されて望ましくない側面は無視される傾向にあることを意味します。

例えば、恋人に暴力を振るわれるも普段は優しいからと良い点を過大評価し、暴力を振るわれたという悪い点は控えめに評価されるため別れられない、というようなドメスティック・バイオレンスに寛大効果が表れます。

寛大の類語

寛大の類語・類義語としては、罰を軽減することを意味する「容赦」、性質と心が小さくないことを意味する「鷹揚」(読み方:おうよう)、人の願望に屈してしまう傾向を意味する「免罪符」などがあります。

寛大の大の字を使った別の言葉としては、広く大きい様子を意味する「広大」、偉大な徳や金持ちを意味する「大徳」(読み方:だいとく)、実際以上におおげさに言ったり考えたりする様子を意味する「誇大」などがあります。

寛容の意味

寛容とは

寛容とは、心が広く人の言動を受け入れ、他の罪や欠点などを責めない様子を意味しています。

表現方法は「寛容になる」「寛容の精神」「寛容であれ」

「寛容になる」「寛容の精神」「寛容であれ」などが、寛容を使った一般的な表現方法です。

寛容の使い方

寛容を使った分かりやすい例としては、「この国は宗教に寛容な者が多い」「子どもとふれあう際には寛容さも必要である」「多少の問題は寛容してくれるだろう」「外国人にも寛容で優しい社会の在り方を考える」などがあります。

「寛容のパラドックス」の意味

寛容を使った言葉として「寛容のパラドックス」という考え方が存在します。もし、社会が無制限に寛容であるのなら、それは最終的に不寛容な人々によって壊されるというカール・ポパーによる逆説的な考えです。

例えば、言論の自由は認められていますが、過激な考えを持つ人たちに対しても寛容であろうとすると、気が付けば過激派が寛容な人々を排他する可能性があるため、どこかで必ず不寛容である必要があります。これが「寛容のパラドックス」です。

寛容の類語

寛容の類語・類義語としては、気前よく行うことを意味する「寡欲」(読み方:かよく)、選択と行動の自由を許す気質を意味する「雅量」(読み方:がりょう)、他の人の意見などに対する敬意を示す様子を意味する「大様」(読み方:おおよう)などがあります。

寛容の容の字を使った別の言葉としては、顔立ちや体つきを意味する「容姿」、認め許すことを意味する「容認」、ゆったりと落ち着いている様子を意味する「従容」(読み方:しょうよう)などがあります。

寛大の例文

1.寛大なご配慮を賜り感謝いたしております。
2.相手の立場や考えを寛大な心で受け止めることで、コミュニケーションを円滑に進めていくことができるだろう。
3.その犬は寛大なことに、小さな少女にどこを触られても怒ることはしなかった。
4.この本屋では、他の本屋やコンビニでは禁止されている立ち読みを規制せず、気に入ったら買うことが出来る寛大な書店だ。
5.子どもを育てるときは、厳しさだけでなく寛大さも必要である。
6.機密事項が入ったPCを紛失した女子社員に減給1ヶ月のみという寛大な処分が下された。
7.このたびはこちらの不手際にもかかわらず寛大なご対応を賜り感謝申し上げます。
8.寛大な考え方を持っている人は、新しいアイデアや文化をすんなりと受け入れることができる。
9.社長が予算オーバーに対し寛大な措置を取ってくれたため、我々は新商品の開発に成功することができた。
10.私は部下に甘く、つい寛大化傾向に走りがちであるので、注意したいところだ。

この言葉がよく使われる場面としては、度量の大きさや思いやりがある様子を意味する時などが挙げられます。

例文1の「寛大なご配慮」という使い方は相手がこちらの都合の良いように対応してくれたことへの感謝だけではなく、ビジネス間のやり取りでは謝罪として使われることも多いです。

寛容の例文

1.その国は言語、宗教、国籍などは問わずに移民を認める寛容さがある。
2.両親は食事のマナーにはある程度寛容であったが、箸の使い方だけは正されていた。
3.相手を許す寛容性の欠如によって、さまざまな事件や問題に発展している。
4.他人に寛容でない人は、自分に対しても寛容ではないことが多いと言われている。
5.世界中で差別というものはいつの時代も付きまとっていたが、不寛容なのは今も変わらない。
6.今の日本社会はピリピリしていて、ちょっとした事で直ぐに争いが起こる不寛容な社会だ。
7.社会が寛容であることは大事であるが、不寛容にも寛容でいるべきなのかは、様々な議論があるだろう。
8.彼のように一人ひとりの価値観を尊重することができる人は、とても寛容な人だと言える。
9.公園の子供たちの声がうるさいと苦情を入れる事自体、寛容な大人がいなくなったことを示すことなのだ。
10.児童を国際交流の場に参加させることで、寛容な心を持つことができ、自分自身を成長させることができるはずだ。

この言葉がよく使われる場面としては、他の欠点などを厳しく責めない様子を意味する時などが挙げられます。

例文5の「不寛容」とは心が狭く、人の言動を受け入れないことを意味する言葉で、寛容の対義語である「狭量」と同じ意味を表します。

寛大と寛容どちらを使うか迷った場合は、懐の大きい様子を表すことに重点を置く場合には「寛大」を、他を許すことを表すことに重点を置く場合は「寛容」を使うと覚えておけば間違いありません。

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