【本宅】と【自宅】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「本宅」(読み方:ほんたく)と「自宅」(読み方:じたく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「本宅」と「自宅」という言葉は、どちらも「自分の家」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




本宅と自宅の違い

本宅と自宅の意味の違い

本宅と自宅の違いを分かりやすく言うと、本宅とは所有している家が複数ある場合に使う言葉、自宅とは単純に自分の家を表現する場合に使う言葉という違いです。

本宅と自宅の使い方の違い

一つ目の本宅を使った分かりやすい例としては、「週明けに別宅から本宅へ戻ります」「本宅の徒歩圏内にセカンドハウスを持っています」「今住んでいる都内の家は別宅で、本宅は名古屋にあります」などがあります。

二つ目の自宅を使った分かりやすい例としては、「今日は自宅で仕事をしています」「母は自宅で英語を教えています」「自宅までのルートを探索する」「自宅待機を命じられています」「自宅でできるバイトを紹介してもらいました」などがあります。

本宅と自宅の使い分け方

本宅と自宅という言葉は、どちらも日常的に自分が住んでいる家を意味しますが、意味や使い方には違いがあります。

本宅とは、別宅や妾宅などに対して、ふだん住んでいる自分の家を意味します。所有している家が複数あるケースで使用される言葉であり、そのなかでも家庭生活の中心になっている家を指します。本宅という表現は、別宅と区別するために用いられる傾向があります。

自宅とは、自分の家を意味します。自分が住んでいる家を表現する一般的な言葉であり、所有している家が複数あるのか否かに関係なく使用できます。「自宅待機」とは、何らかの理由で自宅にいなければならないことです。

つまり、本宅とは別宅に対する自分の家を意味し、所有している家が複数ある場合に使用できる言葉です。自宅とは、単純に自分が住んでいる家を意味し、様々なケースで使用できます。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

本宅と自宅の英語表記の違い

本宅を英語にすると「one’s principal residence」「main home」となり、例えば上記の「本宅へ戻る」を英語にすると「go back to one’s main home」となります。

一方、自宅を英語にすると「one ́s home」「one ́s house」となり、例えば上記の「自宅で」を英語にすると「at home」となります。

本宅の意味

本宅とは

本宅とは、別宅などに対して、日常住んでいる自分の家を意味しています。

本宅の読み方

本宅の読み方は「ほんたく」です。誤って「もとたく」などと読まないようにしましょう。

本宅の使い方

本宅を使った分かりやすい例としては、「本宅と別宅を往復する日々です」「本宅の母屋をフルリノベーションしました」「本家の本宅は丘の上にあります」「本宅から車で一時間ほどの場所に別宅があります」などがあります。

その他にも、「本宅と離れの外壁を塗り替えました」「本宅の敷地内に新宅があります」「ミステリー作家の本宅で密室殺人が起きた」「鎌倉時代の安堵には所領安堵と本宅安堵がありました」などがあります。

本宅の「本」は中心となる部分を表し、「宅」は住まいや屋敷を表す漢字です。本宅とは、自分の家を意味しますが、別邸などに対して常に住んでいる家を指していう言葉です。所有する家が複数あるケースで使用され、家が一軒しかない場合に使うことはありません。

本宅の対義語

本宅を用いた日本語には「本宅安堵」があります。本宅安堵とは、中世の武家において、本宅の領有権をそのまま幕府や守護が認めたことを意味します。鎌倉時代、平氏追討に従う武士を御家人に対して本宅安堵が多く行われました。

本宅の対義語

本宅の対義語・反対語としては、ふだん住んでいる家とは別に構えてある家や別邸を意味する「別宅」などがあります。

本宅の類語

本宅の類語・類義語としては、別宅や妾宅などに対して日常的に住んでいる自分の家を意味する「本邸」、私的な生活のための個人の邸宅を意味する「私邸」、住んでいる家や住まいを意味する「居宅」などがあります。

自宅の意味

自宅とは、自分の生活の本拠となっている家、自分の家を意味しています。

自宅とは

自宅を使った分かりやすい例としては、「外出先から自宅に帰るルートを調べる」「修理後はご自宅までお届けします」「自宅で子供向けの宝探しゲームを作る」「自宅にプールがあります」「自宅でできる副業を始めました」「内職のセットが自宅に届くバイトに応募しました」などがあります。

その他にも、「自宅療養中は外出しないでください」「認知長で自宅へ帰ることもままならない」「現在地から自宅までのナビゲーションを行います」「自宅で水出しアイスコーヒーを淹れる」「子育て中なので自宅でできる仕事を探しています」などがあります。

自宅とは、自分の生活の本拠となっている家のことであり、自分の家を意味します。自分の家を表す言葉には「私邸」や「拙宅」などいくつかありますが、「自宅」は最も一般的な言い方になります。

表現方法は「自宅療養」

自宅を用いた日本語には「自宅療養」があります。自宅療養とは、病気や怪我の治療や養生などを、入院せずに自宅で行うことを意味します。また、入院していた患者が症状が安定して病院から出て、自宅でゆっくり静養することも「自宅療養」と言うことがあります。

本宅の対義語

自宅の対義語・反対語としては、相手または第三者の家を敬っていう語を意味する「御宅」などがあります。

本宅の類語

自宅の類語・類義語としては、個人が所有する家や自宅を意味する「私宅」、自分の家をへりくだっていう語を意味する「拙宅」、そまつな家や自分の家をへりくだっていう語を意味する「弊宅」、人の寝る場所や自分の家を意味する「ねぐら」などがあります。

本宅の例文

1.二拠点生活を行うと本宅と別宅のどちらかが無人の状態になるので、防犯対策はしっかりしています。
2.本宅に親戚が泊まりに来るというので、布団を二組レンタルしました。
3.週末に本宅で英語翻訳の仕事をしている時は、主人が子どもを連れて別荘に行ってくれます。
4.父方の本家は本宅を建て直しているので、別宅に移り住んでいます。
5.本宅の離れに息子夫婦が住むことになり、不要品を断捨離しています。

この言葉がよく使われる場面としては、別宅に対して家主の本拠となる邸宅を表現したい時などが挙げられます。

例文4にある本宅と本家の違いは、本宅は自分の家という主に建物を指すことに対し、本家は親族の中心となる家という人を指すことにあります。

自宅の例文

1.自分のスキルを活かして自宅で英語教室を開きたいのですが、家族に反対されています。
2.オンライン内見なら、自宅にいながら次に住む家探しが気軽にできます。
3.持ち家ではなく賃貸のアパートに住んでいたら、自宅とは言えないのでしょうか。
4.旅行の帰り道に、カーナビで高速道路を使わないで自宅まで帰るルートを設定しました。
5.引っ越しが完了したので、グーグルマップの自宅登録を変更しました。

この言葉がよく使われる場面としては、自分の家、わが家、うちを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある自宅と家の違いは、自宅は自分が住んでいる家のみを表しますが、家は自分が住んでいない場合にも使用できることにあります。

本宅と自宅という言葉は、どちらも「自分の家」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、別宅に対する自分の家を表現したい時は「本宅」を、単純に自分の家を表現したい時は「自宅」を使うようにしましょう。

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