似た意味を持つ「親愛なる」(読み方:しんあいなる)と「敬愛なる」(読み方:けいあいなる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「親愛なる」と「敬愛なる」という言葉は、どちらも相手への敬意や愛情を示すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「親愛なる」と「敬愛なる」の違い
「親愛なる」と「敬愛なる」の意味の違い
「親愛なる」と「敬愛なる」の違いを分かりやすく言うと、「親愛なる」は親しみを感じている人に使う、「敬愛なる」は尊敬している人に使うという違いです。
「親愛なる」と「敬愛なる」の使い方の違い
一つ目の「親愛なる」を使った分かりやすい例としては、「親愛なる顧客の皆様へ新サービスの提供をお伝えいたします」「親愛なる両親に近況を知らせる」「親愛なる子供たちにプレゼントを贈りました」などがあります。
二つ目の「敬愛なる」を使った分かりやすい例としては、「敬愛なる大谷様にお伝えしたいことがございます」「敬愛なる上司に感謝の言葉を送ります」「敬愛なる先生に退任の花束を贈りました」などがあります。
「親愛なる」と「敬愛なる」の使い分け方
「親愛なる」と「敬愛なる」はどちらも相手への敬意や愛情を示すことを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「親愛なる」の「親愛」は親しみと愛情を持っていることを意味しているので、両親や友人などの比較的近い立場の人に対して使う言葉になります。
一方、「敬愛なる」の「敬愛」は尊敬し親しみの心を持つことを意味しているので、先輩や上司などの尊敬している目上の人に対して使う言葉というのが違いです。
「親愛なる」と「敬愛なる」の英語表記の違い
「親愛なる」も「敬愛なる」も直訳した英語表現はありませんが、近い表現として「Dear」があります。
「親愛なる」の意味
「親愛なる」とは
「親愛なる」とは、相手への敬意や愛情を示すことを意味しています。
表現方法は「親愛なる友へ」「親愛なる母へ」「親愛なる父へ」
「親愛なる友へ」「親愛なる母へ」「親愛なる父へ」などが、「親愛なる」を使った一般的な言い回しになります。
「親愛なる」の使い方
「親愛なる」を使った分かりやすい例としては、「親愛なる友人に来月の予定を聞きました」「親愛なる皆様へ新規プロジェクトのご案内となります」「親愛なる母へプレゼントを贈ることにしました」「親愛なるあなたへこの手紙を送ります」などがあります。
「親愛なる」は人に親しみと愛情を持っていることを意味する「親愛」に、尊敬の意を意味する「なる」が合わさり、相手への敬意や愛情を示すことの意味で使われている言葉です。
「親愛なる」は「親愛なる○○へ」の形で、手紙の冒頭で使用するのが一般的になっています。○○への中には、両親や友人などの、親しみと愛情を持っている人を使うのが一般的です。
「親愛なる」の注意点
「親愛なる」を使う上で注意しなければならないのは、手紙やメールなどの文章で使うのが一般的な言葉という点になります。
よくアニメや映画などで「親愛なる友よ元気だったか」というセリフがありますが、あれは演出上の表現であり、現実世界においては使われていないと覚えておきましょう。
「親愛なる」の類語
「親愛なる」の類語・類義語としては、かけがえのないものとしてそれを心から大切にすることを意味する「愛する」、大事にしてかわいがりたくなることを意味する「愛おしい」などがあります。
「敬愛なる」の意味
「敬愛なる」とは
「敬愛なる」とは、相手への敬意や愛情を示すことを意味しています。
表現方法は「敬愛なる先輩」「敬愛なる先生」「敬愛なる師匠」
「敬愛なる先輩」「敬愛なる先生」「敬愛なる師匠」などが、「敬愛なる」を使った一般的な言い回しになります。
「敬愛なる」の使い方
「敬愛なる」を使った分かりやすい例としては、「敬愛なる遠藤様にお伝えしたいことがございます」「敬愛なる師匠の誕生日を盛大に祝いました」「敬愛なる音楽家にこの曲を送りたいと思います」「敬愛なる恩師から手紙が届きました」などがあります。
「敬愛なる」は尊敬し親しみの心を持つことを意味する「敬愛」に、尊敬の意を意味する「なる」が合わさり、相手への敬意や愛情を示すことの意味で使われている言葉です。
「敬愛なる」は誤用という説
「敬愛なる」は「敬愛なる〇〇」という言い回しで様々な場面で使用されている言葉ですが、誤用ではないかという説があります。
なぜなら、「敬愛」は尊敬し親しみの心を持つことを意味する名詞なので、基本的に活用することはできません。もし、「敬愛なる」としてしまうと、形容動詞「敬愛なり」の連体形とする必要があるのですが、「敬愛なり」という形容動詞は存在していないので誤用という説です。
以上が「敬愛なる」という表現が誤用という理由になります。ただし、人によって解釈が異なっているので、誤用とは一概に言い切ることができないと覚えておきましょう。
「敬愛なる」の注意点
「敬愛なる」を使う上で注意しなければならないのは、手紙やメールなどで書き言葉として使うのが一般的という点です、そのため、会話や口頭などの話し言葉としてはほとんど使われていない表現になります。
「敬愛なる」の類語
「敬愛なる」の類語・類義語としては、 その人の人格をとうといものと認めて敬うことを意味する「尊敬する」があります。
「親愛なる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手への敬意や愛情を示すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「親愛なる」はプラスのイメージで使う言葉です。
「敬愛なる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手への敬意や愛情を示すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「敬愛なる」はプラスのイメージで使う言葉です。
「親愛なる」と「敬愛なる」はどちらも相手への敬意や愛情を示すことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、親しみを感じている人に使うのが「親愛なる」、尊敬している人に使うのが「敬愛なる」と覚えておきましょう。