【交換】と【譲渡】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「交換」(読み方:こうかん)と「譲渡」(読み方:じょうと)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「交換」と「譲渡」という言葉は、どちらも「自分のものを他人に与えること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




交換と譲渡の違い

交換と譲渡の違いを分かりやすく言うと、交換とは何かを与えて別の何かを受け取る行為、譲渡とは何かを与えるだけの行為という違いです。

一つ目の交換を使った分かりやすい例としては、「フィルターは定期的に交換してください」「Xでグッズを交換する」「業務用エアコンの交換費用は修繕費になりますか」「交換登記の登録免許税はどれぐらいかかりますか」などがあります。

二つ目の譲渡を使った分かりやすい例としては、「この債権には譲渡禁止の特約が付いています」「譲渡証明書の書き方を教えてもらいました」「チケットの有償譲渡は禁止されています」「毎週日曜日に保護猫の譲渡会を開催しています」になどがあります。

交換と譲渡という言葉は、どちらも自分の所有するものを他人に与えることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

交換とは、取り替えることや入れ替えることを意味します。特に、互いに引き替えに相手方のものを得ることを表す言葉です。X(旧Twitter)の取引行為であるグッズ交換とは、自分の持っているグッズを相手に送り、相手が持っているグッズを送ってもらうことです。

譲渡とは、自分の所有する財産や物などを他人に与えることを意味し、有償や無償を問わずに使用できる言葉です。X(旧Twitter)における譲渡とは、グッズに値段を付けて譲る行為であり、買い取りたい相手にグッズを送り、相手からはお金を支払ってもらうことになります。

つまり、交換とは自分のものを与えて別のものを受け取る双方向の行為であり、譲渡とは自分のものを他人に与える一方向の行為です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

交換を英語にすると「exchange」「switching」「interchange」となり、例えば上記の「定期的に交換する」を英語にすると「exchange on a regular basis」となります。

一方、譲渡を英語にすると「transfer」「conveyance」「assignment」となり、例えば上記の「譲渡禁止」を英語にすると「prohibition of transfer」となります。

交換の意味

交換とは、取りかえること、互いにやり取りすることを意味しています。

その他にも、「電話の交換手、または交換台のこと」「民法上、当事者が互いに金銭以外の財産権を移転することを約する契約」の意味で用いられています。

「大学の交換留学生に英語を教えてもらっています」「小学生の頃に友達と交換日記をしていました」「ダイソーで交換ノートを買いました」「雪が降る前にタイヤ交換を行う」などの文中で使われている交換は、「取りかえること、互いにやり取りすること」の意味で使われています。

一方、「夜間の交換は二交替制でした」の文中で使われている交換は「電話の交換手または交換台」の意味で、「共有物分割による交換登記を行う」の文中で使われている交換は「民法で、互いに金銭以外の財産権を移転する契約」の意味で使われています。

交換とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、一般的には「取りかえること、互いにやり取りすること」の意味で用いられている言葉です。交換の「交」は二つ以上のものが入れ替わること、「換」は互いに取りかわすことを表す漢字です。

交換を用いた日本語には「交換日記」があります。交換日記とは、複数人で1冊の日記帳を共有し、日々の出来事や伝言などを代わる代わる書くものです。「交換ノート」は、主に質問と答えを交換していく形式が主流になっており、日記の形式をとる「交換日記」と区別されています。

交換の対義語・反対語としては、保ち続けることや持ち続けることを意味する「保持」、金品を人に贈ることを意味する「贈与」などがあります。

交換の類語・類義語としては、互いに取りかえることを意味する「互換」、他のものと替えることを意味する「取り換え」、 今まで中にあったものを出して他のものを入れることを意味する「入れ替え」、交換することや交替することを意味する「チェンジ」などがあります。

譲渡の意味

譲渡とは、権利・財産、法律上の地位などを、他人に譲り渡すことを意味しています。

譲渡を使った分かりやすい例としては、「英語塾の事業譲渡を検討しています」「譲渡所得の税率は物件によって異なります」「贈与も売却も譲渡の一種である」「株の譲渡所得に税金はかかりますか」などがあります。

その他にも、「譲渡所得税の計算方法を調べる」「譲渡所得の内訳書を作成する」「債権譲渡担保とは担保の形式の一つです」「譲渡証明書の委任状をダウンロードする」「保護している犬の譲渡を行っています」などがあります。

譲渡の読み方は「じょうと」です。ただし、法律用語の「譲渡人」は「じょうとにん」ではなく「ゆずりわたしにん」と読まれることが多くなっています。

譲渡の「譲」は訓読みで「ゆずる」と読み、自分の物や権利などを他人に与えることを表す漢字です。こちらの手から相手の手へ移すことを表す「渡」と結びつき、譲渡とは、有償や無償を問わず、財産や権利などを他人に移すことを意味します。

譲渡を用いた日本語には「譲渡所得」があります。譲渡所得とは、所得税法上の所得の種類の一つであり、株式や土地などの資産の譲渡による所得を意味します。例えば、土地や建物を売った時の所得は、他の所得と分ける分離課税方式によって税額を計算します。

譲渡の対義語・反対語としては、他人から譲られて自分のものとすることを意味する「譲り受ける」などがあります。

譲渡の類語・類義語としては、財産や権利などを対価なしで他人に与えることを意味する「譲与」、一部分を分けて譲ることを意味する「分譲」、権利や権限などを他の人または機関に譲って任せることを意味する「委譲」などがあります。

交換の例文

1.列車の交換と乗務員の交替を同時に行う駅は、鉄道ファンのメッカとなっています。
2.ポイントの交換グッズに欲しいものがなかったので放っておいたら、有効期限が切れてしまいました。
3.ポイント交換サイトは、バラバラに溜まったポイントをまとめることができるので助かります。
4.本校では、週に一度ペアになって英語で意見を交換する時間を設けいています。
5.クリスマス会のプレゼント交換でもらったものは、残念なことに漢字の練習帳でした。

この言葉がよく使われる場面としては、物と物などを取り換えることを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある交換と交替の違いは、交換は主に物体に使用される言葉である一方、交替は人に使用することが多い点にあります。

譲渡の例文

1.贈与や譲渡によって取得した不動産を売却する際は、課税される税金に気を付けてください。
2.不動産を譲渡するために支払った費用は、譲渡費用として経費にすることができます。
3.ライバル会社から持ちかけられた事業譲渡とは何なのか、法律事務所に尋ねることにしました。
4.英語の先生は、先週末に保護犬のオンライン譲渡会に参加したそうです。
5.譲渡する保護猫は無償ですが、里親は医療費や諸経費などのお金を支払わなければなりません。

この言葉がよく使われる場面としては、財産や権利などを譲り渡すことを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある譲渡と売却の違いは、譲渡は有償や無償に関わらず他人に渡すことを言いますが、売却は有償で他人に渡すことのみを表す点にあります。

交換と譲渡という言葉は、どちらも「自分の所有するものを他人に与えること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、何かを与えて別の何かを受け取ることをを表現したい時は「交換」を、何かを与えることを表現したい時は「譲渡」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター