【万端】と【万全】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「万端」(読み方:ばんたん)と「万全」(読み方:ばんぜん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「万端」と「万全」という言葉は、どちらも「すべてが整っていること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




万端と万全の違い

万端と万全の意味の違い

万端と万全の違いを分かりやすく言うと、万端とはすべての事柄にわたって整っているさま、万全とは完璧で手抜かりがないさまという違いです。

万端と万全の使い方の違い

一つ目の万端を使った分かりやすい例としては、「みなさん、試験の準備は万端ですか」「今週中に万端にしておいてください」「優しい娘が万端の世話をしてくれています」「以後、万事万端よろしくお願いいたします」などがあります。

二つ目の万全を使った分かりやすい例としては、「明日の試合は万全の体調で臨みます」「事故のないよう万全を期す」「失敗は許されないので万全の策を講じることにした」「山火事の鎮火に万全を尽くすよう指示しました」などがあります。

万端と万全の使い分け方

万端と万全という言葉は、どちらもあらゆる事が整っていることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

万端とは、本来は「万端の世話」「万事万端」のような使い方で、特定の事についてのあらゆる事柄や手段を意味する言葉です。この意味から「準備は万端整えてある」のように使われ、現在では「すべてが整っていること」の意味で使用されることが多くなりました。

万全とは、きわめて完全なこと、少しも手抜かりがないことを意味します。さまざまな事態に備えて十分に整っているさまを表し、「準備は万全」とは準備において何の不備もなく完璧に整っているさまを表現します。

つまり、万端とはあらゆる事柄にわたって整っている状態を表現する時に用いられ、万全とは完璧で少しの手落ちもない状態を表す時に用いられる言葉です。二つの言葉は似ていますが、ニュアンスは異なるので区別して使うようにしましょう。

万端と万全の英語表記の違い

万端を英語にすると「all」「everything」となり、例えば上記の「準備は万端です」を英語にすると「everything is ready」となります。

一方、万全を英語にすると「perfect」「complete」「flawlessness」となり、例えば上記の「万全の体調」を英語にすると「perfect physical condition」となります。

万端の意味

万端とは

万端とは、ある事についてのあらゆる事柄や方法を意味しています。

その他にも、「俗に、すべてが整っていること、万全」の意味も持っています。

万端の読み方

万端の読み方は「ばんたん」です。誤って「まんたん」「ばんは」などと読まないようにしましょう。

万端の使い方

「社会に万端の責任を転嫁してはいけません」「巷で話題の万端珊瑚事件簿について調べています」「万端を含む四字熟語をいくつ言えますか」などの文中で使われている万端は、「ある事についてのあらゆる事柄や方法」の意味で使われています。

一方、「英語のリスニングテストの準備は万端です」「お客様をお迎えする準備は万端ですか」「準備が万端になりましたら教えてください」などの文中で使われている万端は、「俗に、すべてが整っていること」の意味で使われています。

万端とは、もともと「ある事についてのあらゆる事柄や方法」のみを意味しました。その意味で使用されていた「万端整えてある」の誤解から、俗に、すべてが整っていることの意味で使用されることが多くなった言葉です。

表現方法は「準備万端」

万端を用いた四字熟語には「準備万端」(読み方:じゅんびばんたん)があります。準備万端とは、あらゆる準備や準備の全てを意味し、一般的には、準備万端整っているさま、万全の用意ができている状態などの意味で用いられています。

万端の対義語

万端の対義語・反対語としては、注意が行き届かないための失策や手落ちを意味する「手抜かり」などがあります。

万端の類語

万端の類語・類義語としては、ある物事のすべてや全体を意味する「全部」、ある事柄の全体を意味する「全般」、すべてのことやあらゆることを意味する「万事」、多くのものや様々なものを意味する「もろもろ」、手落ちがなく行き届いていることを意味する「周到」などがあります。

万全の意味

万全とは

万全とは、少しも手落ちのないこと、極めて完全なことを意味しています。

万全の読み方

万全の読み方は「ばんぜん」です。誤って「まんぜん」「ばんせん」などと読まないようにしましょう。

万全の使い方

万全を使った分かりやすい例としては、「大事な試合に万全の状態で臨む」「体調が万全ではないのでお休みします」「感染拡大防止に向け万全を期すべきです」「非常時にも対応できるよう万全の体制を整備する」などがあります。

その他にも、「万全の体調で受験に挑みたい」「セキュリティは万全とは言えない」「現地の状況を把握しながら万全の態勢で臨む」「商品の品質には万全を期しております」「ご安心いただけるよう安全に万全を期す所存です」などがあります。

万全の「万」は訓読みで「すべて」と読み数が非常に多いことを表し、「全」は訓読みで「まったく」「すべて」と読み、欠けるところがなく備わっていることを表す漢字です。万全とは、完全で少しも手落ちがないことを意味します。

表現方法は「万全を期す」

上記例文にある「万全を期す」とは、抜かりなどが無いようにすることを意味し、少しの不備もないように十分に注意するさまを表します。「期す」は前もって定めること、心に誓うことを意味します。

万全の対義語

万全の対義語・反対語としては、欠けたり十分でないところがあることを意味する「不完全」、などがあります。

万全の類語

万全の類語・類義語としては、欠けたところや足りないところが全くないことを意味する「完全」、完全無欠で優れているさまを意味する「完璧」、少しも欠けたところがないことを意味する「十全」などがあります。

万端の例文

1.自分の生き方について最終的な決定権を持ち、万端の責任を負うのは自分自身なのです。
2.明日の英語のテストは準備万端で臨みたかったのに、英単語さえも覚えきれていません。
3.準備万端ではありませんでしたが、四字熟語の小テストはいつもより出来たと思います。
4.プロジェクターの使い方もマスターしたし、午後のプレゼンは準備万端です。
5.最後にガソリンを満タンにしたら、ドライブの準備は万端です。

この言葉がよく使われる場面としては、すべての事柄、あらゆる手段、すべてが整っていることを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある万端は、すべての事柄の意味で用いられています。例文2から例文5の万端は、すべてが整っていることの意味で使われています。

万全の例文

1.絶対に負けられない最後の試合なので、万全の状態で臨むつもりです。
2.なんとなく体調が万全ではないため、今夜は消化の良い食事を取って早めに休もうと思います。
3.体調万全とは言えないまでも少しは回復したので、久しぶりにSNSに投稿しました。
4.巨大地震が発生する可能性が高いので、大規模災害等への対処に万全を期す必要があります。
5.時間の使い方を工夫すると、テレワークでも万全のパフォーマンスを発揮することができます。

この言葉がよく使われる場面としては、完全で少しの手落ちもないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、万全という言葉は、日常会話からビジネスシーンまで幅広い場面で使用されています。

万端と万全という言葉は、どちらも「あらゆる事が整っていること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、細かい点まで整っていることを表現したい時は「万端」を、完全で手落ちがないことを表現したい時は「万全」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター