【下馬評】と【前評判】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「下馬評」(読み方:げばひょう)と「前評判」(読み方:まえひょうばん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「下馬評」と「前評判」という言葉は、どちらも評価を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




下馬評と前評判の違い

下馬評と前評判の意味の違い

下馬評と前評判の違いを分かりやすく言うと、下馬評よりも前評判の方が信頼度が高いという違いです。

下馬評と前評判の使い方の違い

一つ目の下馬評を使った分かりやすい例としては、「下馬評を覆して試合に勝利した」「下馬評が低いと試合に気合が入る」「下馬評では彼が総裁に選ばれるだろう」「彼は下馬評通りの活躍をしました」などがあります。

二つ目の前評判を使った分かりやすい例としては、「前評判は高いが活躍できない社員も多い」「前評判を覆す成績を残した」「新作ゲームの前評判は非常に悪いです」「今年の駅伝大会は前評判通りの混戦です」などがあります。

下馬評と前評判は非常に似た意味を持つ言葉です。下馬評と前評判の違いを言うならば、下馬評は興味本位でする噂話という意味を持っているため、マイナスなイメージになりやすいということです。

また、新作の映画、小説、ゲームなどの創作物に対して、前評判という言葉はよく使うのですが、下馬評という言葉はあまり使わないのも違いになります。

下馬評と前評判の英語表記の違い

下馬評を英語にすると「rumor」となり、例えば上記の「下馬評では彼が総裁に選ばれるだろう」を英語にすると「There are rumors that he will be elected president」になります。

前評判を英語にすると「advance reviews」などがあり、例えば上記の「新作ゲームの前評判は非常に悪いです」を英語にすると「The advance reviews of the new game are very bad」となります。

下馬評の意味

下馬評とは

下馬評とは、第三者が興味本位にする噂や批評のことを意味しています。

表現方法は「下馬評を覆す」「下馬評が低い」「下馬評通り」

「下馬評を覆す」「下馬評が低い」「下馬評通り」「下馬評に上がる」などが、下馬評を使った一般的な表現方法です。

下馬評の使い方

下馬評を使った分かりやすい例としては、「下馬評を覆して当選しました」「応援しているチームの監督は下馬評が低い時の方が采配が面白い」「彼はとても下馬評が高い選手です」「下馬評を覆して無名のチームが決勝へと駒を進めた」などがあります。

その他にも、「前年度王者が下馬評通りの快進撃を続けている」「予選で下馬評の高いチームが姿を消した」「都知事選挙で下馬評通りの人物が当選しました」「彼は下馬評を覆して勝利することができるのか」などがあります。

下馬評の由来

下馬評の由来は、下馬先で主人の帰りを待つ間、お供の者たちが色々な噂話したことから来ています。昔は、社寺や城の門前には下馬先という場所があり、貴人もそこで馬を降りなければなりませんでした。今で言う駐車場や駐輪場みたいなものです。

お供達はその下馬先で主人の帰りを待ちながら、主人にや大名について語り合っていたと言われています。そのことから、当事者ではない第三者が、勝手にあれこれと立てる評判を下馬評というようになりました。

下馬評が使われる場面

下馬評は自分とは直接関係ない事柄について噂や批評をする時に使います。そのため、選挙やスポーツの勝敗を予想する時によく使われるのを目にするはずです。

また、下馬評はマイナスなイメージが強いですが、プラスのイメージで使うこともできます。前後に使われる言葉によってプラスかマイナスかのイメージが決まるので、そこに注意して使ってください。

下馬評の下馬の字を使った別の言葉としては、それより奥は乗馬のままでの通行を禁止することを示した立て札のことを意味する「下馬札」、寺や城門などの前で下馬札が立ててある場所のことを意味する「下馬先」などがあります。

前評判の意味

前評判とは

前評判とは、ある物事が行われる前の評判のことを意味しています。

表現方法は「前評判を覆す」「前評判通り」「前評判は高かった」

「前評判を覆す」「前評判通り」「前評判は高かった」などが、前評判を使った一般的な表現方法です。

前評判の使い方

前評判を使った分かりやすい例としては、「前評判は高かった割にこのラーメンの味は普通だ」「前評判を覆す活躍をみせた」「前評判は低かったがこの映画はとても面白かった」「前評判通りの強さを見せて準決勝に駒を進めた」などがあります。

前評判はプラスとマイナスのイメージの両方を持っています。「前評判が良い」としたらプラスのイメージになりますし、「前評判が悪い」としたらマイナスのイメージになります。

前評判が使われる場面

また、前評判はある物事が行われる前の評判のことを意味しているので、映画や小説、スポーツ選手やチーム、選挙の立候補者など様々な場面で使うことができる言葉です。

前評判の前の字を使った別の言葉としては、賃金や品物などを期日よりも前に渡すことを意味する「前渡し」、予めのことを意味する「前以て」(読み方:まえもって)、前もって知らせることを意味する「前触れ」などがあります。

その他にも、前もって代金や給料などを支払うことを意味する「前払い」、事の始まる前の人気や評判のことを意味する「前人気」、予定の時期を繰り上げて予算を使ったり計画を実施したりすることを意味する「前倒し」などがあります。

下馬評の例文

1.ワールドカップで下馬評を覆して日本が優勝しました。
2.今シーズンは下馬評が低いチームが優勝した。
3.下馬評が高いチームが一回戦で負けるという大波乱が巻き起こった。
4.三回戦までは下馬評通りのチームが勝ち進んでいる。
5.夏の甲子園は下馬評が覆ることが多いので、甲子園には魔物が住むとよく言われている。
6.昨年のサッカーワールドカップは下馬評を覆して日本は強豪国に勝ち日本中が盛り上がった。
7.候補者は泡沫候補だったが、地元の応援により、下馬評を覆してトップ当選した。
8.裁判は当初から企業側が不利との下馬評あったから、結果は順当じゃないですかね。
9.人事の下馬評というのは、噂レベルのものもあるが、よく当たることが多いですね。
10.私は下馬評が低いと逆に試合に気合が入る性分なので、今からワクワクしていますよ。

この言葉がよく使われる場面としては、第三者が興味本位にする噂や批評のことを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文5のように、スポーツの試合に対して第三者が評価する場合に使われることが多いです。下馬評は当事者ではない第三者が評価をした時に使う言葉と覚えておいてください。

前評判の例文

1.前評判は高いのに活躍できない選手はたくさんいる。
2.前評判を覆す日本のサッカーにとても感動しました。
3.前評判が最悪だった彼女の演技だが、実際に観たらしっかりとキャラにはまっていた。
4.この映画は前評判通りとても面白かった。
5.前評判は低かったが、シーズン中盤で首位をキープしている。
6.昨年の主力選手が卒業して今年は戦力的に不安なのが実情だが、前評判だけは高く正直プレッシャーが半端ない。
7.このレストランはメディアでも紹介され、前評判は高かったが、その割に味は普通だった。
8.あの映画は私の好きな監督が制作していて、前評判もすごく高いので、今から公開を楽しみにしている。
9.このTVアニメの前評判があまり良くなかったけど、実際に見たら思っていたよりも良かった。
10.昨日から前評判があまりよくない新任がやってきたが、引き継ぎが上手くいくか心配だ。

この言葉がよく使われる場面としては、ある物事が行われる前の評判のことを表現したい時などが挙げられます。

前評判はプラスのイメージでもマイナスのイメージでも使える言葉です。また、上記の例文のようにスポーツの試合や映画などの創作物など様々な場面で使うことができます。

下馬評と前評判どちらを使うか迷った場合は、下馬評より前評判の方が信頼度があり、良いイメージで使われることが多いということを覚えておいてください。

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