【お手本】と【見本】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「お手本」(読み方:おてほん)と「見本」(読み方:みほん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「お手本」と「見本」という言葉は、どちらも何かをするときに見習うべきもののことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「お手本」と「見本」の違い

「お手本」と「見本」の意味の違い

「お手本」と「見本」の違いを分かりやすく言うと、「お手本」は指導的な立場で示すものに対して使う、「見本」は商品や物事の例を示す時に使うという違いです。

「お手本」と「見本」の使い方の違い

一つ目の「お手本」を使った分かりやすい例としては、「彼女は教師のお手本と言えるだろう」「私は彼をお手本にしています」「この家は両親の家をお手本にしてリフォームしました」「彼女は正直な人間のよいお手本となった」「彼は行儀の良さのお手本です」などがあります。

二つ目の「見本」を使った分かりやすい例としては、「送ってきた品は見本通りでした」「上級生は下級生の見本になる振る舞いをしましょう」「商品を購入する前に必ず見本を確認するようにしています」「この辞書の見本を送ってください」などがあります。

「お手本」と「見本」の使い分け方

「お手本」と「見本」はどちらも何かをするときに見習うべきもののことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「お手本」は習う人が模範とすべき字や絵などのかいてある本のことを意味する言葉で、「先生が書いた絵をお手本にして練習しました」のように、指導的な立場で示すものに対して使うのが一般的です。

一方、「見本」は商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことを意味しており、「新しいデザインの見本を見せてもらいました」のように、商品や物事の例を示す時に使うというのが違いになります。

つまり、指導的な立場で示すものに対して使うのが「お手本」、商品や物事の例を示す時に使うのが「見本」と覚えておきましょう。

「お手本」と「見本」の英語表記の違い

「お手本」を英語にすると「copybook」「model」となり、例えば上記の「彼は行儀の良さのお手本です」を英語にすると「He is a model of good manner」となります。

一方、「見本」を英語にすると「sample」となり、例えば上記の「この辞書の見本を送ってください」を英語にすると「Please send me a sample copy of this dictionary」となります。

「お手本」の意味

「お手本」とは

「お手本」とは、習う人が模範とすべき字や絵などのかいてある本のことを意味しています。その他にも、見習うべき物事のことの意味も持っています。

「お手本」の使い方

「お手本通りに書くことができました」「拓本をお手本にして書の練習をする」などの文中で使われている「お手本」は、「習う人が模範とすべき字や絵などのかいてある本のこと」の意味で使われています。

一方、「友人宅をお手本にして新築する」「彼の生き方は我々のいいお手本です」などの文中で使われている「お手本」は、「見習うべき物事のこと」の意味で使われています。

「お手本」は習う人が模範とすべき字や絵などのかいてある本のことと、見習うべき物事のことの二つの意味を持つ名詞です。

「お手本」はそれをまねるべきものという点に重点が置かれている言葉なので、それにできるだけ似せることが期待されています。また、「手本」はやや話し言葉的な表現であると覚えておきましょう。

「お手本」の特徴

「お手本」はを模倣することはただ模倣するだけでなく、理論や技術を学ぶ意味も込められているというのが特徴です。

「お手本」の類語

「お手本」の類語・類義語としては、見習うべき手本のことを意味する「模範」、行動や判断の基準となる模範のことを意味する「規範」などがあります。

「見本」の意味

「見本」とは

「見本」とは、商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことを意味しています。その他にも、具体的な例のことの意味も持っています。

「見本」の使い方

「送られてきた品物は見本通りではありませんでした」「アルバイトの仕事は見本品を並べることです」などの文中で使われている「見本」は、「商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のこと」の意味で使われています。

一方、「これの使い方の見本を示すことにしました」「彼は弁護士の見本のような人です」などの文中で使われている「見本」は、「具体的な例のこと」の意味で使われています。

「見本」は商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことと、具体的な例のことの二つの意味を持つ言葉で、どちらの意味でも使われています。

「見本」の特徴

商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことの意味は商品の特長や魅力を買い手に知ってもらうため、実際にその場で試せるものに分かりやすく伝える場合に使います。

一方、具体的な例のことの意味は簡単に言うならば手本のことです。そのため、「投球フォームの見本をお願いします」「彼女は悪い見本なのでああはならないようにしましょう」などと使うことができます。

「見本」の対義語

「見本」の対義語・反対語としては、実際の品物のことを意味する「現物」があります。

「見本」の類語

「見本」の類語・類義語としては、適切な例のことを意味する「好例」、上手く当てはまる例のことを意味する「適例」、見習うべき物事のことを意味する「手本」、見習うべき手本のことを意味する「模範」などがあります。

「お手本」の例文

1.私たちは過去の成功事例をお手本にして、新しい戦略を考えました。
2.この絵画のお手本を見ながら、少しずつ模写をしいけばきっと上達するだろう。
3.あなたの積極的な姿勢は、若い社員たちにとってのお手本となるはずです。
4.彼の親切さと丁寧な対応は、接客業のお手本となるものと言えるでしょう。
5.チームワークの重要性を教えてくれた監督は、私のサッカーのお手本です。

この言葉がよく使われる場面としては、習う人が模範とすべき字や絵などのかいてある本のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、見習うべき物事のことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は習う人が模範とすべき字や絵などのかいてある本のこと、例文3から例文5は見習うべき物事のことの意味で使っています。

「見本」の例文

1.見本を触ってから購入したかったので、ネットではなく近くのショッピングモールで買うことにしました。
2.印刷をするにあたって、色見本を確認することはとても重要です。
3.5月に幕張メッセで、大規模な見本市が開かれるらしいです。
4.隣りに住んでいる母親は、教育ママの見本のような人です。
5.これからは新入社員の見本となる立場なのだから、もっとしっかりしてくださいね。

この言葉がよく使われる場面としては、商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3の「見本」は商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のこと、例文4と例文5の「見本」は具体的な例のことの意味で使っています。

「お手本」と「見本」はどちらも何かをするときに見習うべきもののことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、指導的な立場で示すものに対して使うのが「お手本」、商品や物事の例を示す時に使うのが「見本」と覚えておきましょう。

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