似た意味を持つ「神社」(読み方:じんじゃ)と「お寺」(読み方:おてら)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「神社」と「お寺」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「神社」と「お寺」の違い
「神社」と「お寺」の意味の違い
「神社」と「お寺」の違いを分かりやすく言うと、「神社」は神道を信仰している、「お寺」は仏教を信仰しているという違いです。
「神社」と「お寺」の使い方の違い
一つ目の「神社」を使った分かりやすい例としては、「神社に詣でる」「近くの神社に初詣に行く」「神社の鳥居をくぐるとなぜか気持ちが引き締まる」「私の家の近くには大きな神社があります」「彼らは靖国神社の国家護持を求めている」などがあります。
二つ目の「お寺」を使った分かりやすい例としては、「明日はお寺に初参りに行く予定です」「祖父母の法事で久しぶりにお寺を訪れました」「旅行先のお寺で静かに座って心を落ち着けました」「修学旅行で京都のお寺をいくつも巡りました」「私は寺に参る」などがあります。
「神社」と「お寺」の使い分け方
「神社」と「お寺」は似ていると思いますが、実は全く異なっているので間違えないよう注意が必要です。
「神社」は日本古来の民間信仰である神道の神様を祀る施設で、神道を信仰しています。また、「神社」は鳥居があり、くぐった先の参道の脇には身を清める手水舎設置されており、さらに進んだ奥に神様が祀られている本殿があるのが一般的な構造です。
その他にも、「神社」は願い事は現世での幸福を願うという特徴もあります。
一方、「お寺」はブッダを開祖とする仏教の中心的役割を果たす施設で、仏教を信仰しています。また、入り口には山門があり、両脇に仁王像を携えていることが多いです。その他にも、「お寺」の敷地には墓地があることが多いというのも特徴の一つになります。
また、「お寺」の願い事は祀られているご本尊によって、死後の極楽浄土を願うのか、現世の幸福が異なっていたりします。
つまり、「神社」は神道を信仰している、鳥居がある、墓地がない、願い事は現世での幸福を願うというのに対して、「お寺」は仏教を信仰している、山門がある、墓地がある、願い事は祀られているご本尊によって異なるというのが違いと覚えておきましょう。
「神社」と「お寺」の英語表記の違い
「神社」を英語にすると「shrine」となり、例えば上記の「彼らは靖国神社の国家護持を求めている」を英語にすると「They are demanding government support for the Yasukuni Shrine」となります。
一方、「お寺」を英語にすると「temple」となり、例えば上記の「私は寺に参る」を英語にすると「I go to worship at a temple」となります。
「神社」の意味
「神社」とは
「神社」とは、神道の神を祭って祭祀や参拝のための施設のある場所のことを意味しています。
「神社」の使い方
「神社」を使った分かりやすい例としては、「初詣のために地元の神社へ家族と一緒に行きました」「七五三のときに着物を着て神社で写真を撮ったのを覚えています」「神社で引いたおみくじが大吉でとても嬉しい気持ちになりました」などがあります。
「神社」は神道の神を祭って祭祀や参拝のための施設のある場所のことを意味する言葉です。神道では、山、川、海など自然の中に神が宿ると考えられており、その神さまたちを祀るために建てられました。
そのため、「神社」は建物だけでなくその役割も含めて使われることが多いと言われています。
「神社」の特徴
「神社」は鳥居があり、くぐった先の参道の脇には身を清める手水舎設置されており、さらに進んだ奥に神様が祀られている本殿があるのが一般的な構造と言われています。また、願い事は現世での幸福を願うというのが特徴です。
「神社」の参拝方法としては、最初に鳥居の前で一礼してからくぐり、手水舎で手と口を清めて拝殿の前で「二礼二拍手一礼」を行なうというのが一般的になっています。
「神社」は主に、初詣、七五三、結婚式、合格祈願や商売繁盛などのお願い事などで訪れることが多いです。
「神社」の類語
「神社」の類語・類義語としては、神を祭る建物のことを意味する「社」、格式の高い神社の称号のことを意味する「神宮」、きわめて大きな神社や由緒ある名高い神社のことを意味する「大社」などがあります。
「お寺」の意味
「お寺」とは
「お寺」とは、僧または尼が住んで仏像を安置して仏道を修行し仏事を行う建物のことを意味しています。
「お寺」の漢字表記
「お寺」を漢字にすると、「御寺」と表記することができます。
「お寺」の使い方
「お寺」を使った分かりやすい例としては、「寺の住職さんが子どもたちに仏教のお話をしてくれました」「毎年お彼岸になると家族そろってお寺にお参りします」「その小道は緩やかにお寺まで上っている」「このお寺は13世紀頃にできたらしいです」などがあります。
「お寺」は僧または尼が住んで仏像を安置して仏道を修行し仏事を行う建物のことを意味する「寺」に、接頭語が合わさった美化語です。美化語とは、丁寧語の一種で丁寧語Ⅱとも言われており、表現をより上品にするための配慮を表す言葉です。
「お寺」の特徴
「お寺」は仏教の教えを伝える場所であり、仏さまを祀る施設になります。仏教はインド発祥で、6世紀ごろに中国や朝鮮を経て日本に伝わってきたものになります。
「お寺」は入り口には山門があり、両脇に仁王像を携えていることが多いです。また、「お寺」の敷地には墓地があることが多いとも言われています。
「お寺」の参拝マナーとしては、まずは山門の前で軽く一礼してから入り、次に本堂の前で手を合わせて、静かにお祈りします。「お寺」では願いごとというよりも、仏さまへの感謝の気持ちを伝えるのが基本であると覚えておきましょう。
「お寺」は主にお墓参り、法事、精進料理を体験したいとき、座禅体験や写経をして心を整えたいときなどに行くのが一般的になっています。
「お寺」の類語
「お寺」の類語・類義語としては、仏寺とそれに付属する別舎をあわせた称のことを意味する「寺院」、僧が集まり住んで仏道を修行する清浄閑静な場所のことを意味する「伽藍」、寺の建物のことを意味する「仏閣」などがあります。
「神社」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、神道の神を祭って祭祀や参拝のための施設のある場所のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「神社」は限定的な場面で使われている言葉です。
「お寺」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、僧または尼が住んで仏像を安置して仏道を修行し仏事を行う建物のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お寺」は限定的な場面で使われている言葉です。
「神社」と「お寺」は似た言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、神道を信仰しているのが「神社」、仏教を信仰しているのが「お寺」と覚えておきましょう。