【指示】と【支持】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「しじ」という読み方の「指示」と「支持」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「指示」と「支持」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




指示と支持の違い

指示と支持の意味の違い

指示と支持の違いを分かりやすく言うと、指示とは人に指図や命令をすること、支持とは人に賛同して後押しすることという違いです。

指示と支持の使い方の違い

一つ目の指示を使った分かりやすい例としては、「納得できないが部長の指示に従うしかないだろう」「すぐに医師の指示を仰ぐべきです」「指示系統がバラバラだと作業効率が下がります」「プレゼンで使う指示棒を100均で買いました」などがあります。

二つ目の支持を使った分かりやすい例としては、「共和党支持者にはハリウッドスターも多くいます」「支持的精神療法の目的は自己肯定感を高めることです」「太陽光パネルの支持金具を探しています」などがあります。

指示と支持の使い分け方

指示と支持という言葉は、どちらも「しじ」と読みますが、意味や使い方には大きな違いがあります。

指示とは、文字通り「指し示すこと」を表す言葉です。「指示に従う」「指示を仰ぐ」のような使い方で、他人に指図することや命令すること、仕事などの段取りを言いつけることの意味で使用されることが多くあります。

支持とは、「支え持つこと」「支えて持ちこたえること」を表します。「共和党支持者」「内閣支持率」のような使い方で、他人の意見や行動などに賛同して、それを後押ししたり後援することの意味で用いられることが多い言葉です。

つまり、指示とは指図や命令をすることの意味があり、支持とは賛同して後押しすることの意味で使用される言葉です。二つの言葉は同じ読み方をしますが、意味が全く違う同音異義語なので互いに置き換えて使うことはできません。

指示と支持の英語表記の違い

指示を英語にすると「instruction」「indication」「direction」となり、例えば上記の「指示に従う」を英語にすると「follow instructions」となります。

一方、支持を英語にすると「espousal」「upholding」「support」となり、例えば上記の「支持者」を英語にすると「a supporter」となります。

指示の意味

指示とは

指示とは、物事をそれと指し示すことを意味しています。

その他にも、「指図すること、命令」の意味も持っています。

指示の使い方

「次の目的地を地図上で指示する」「英語の指示代名詞の使い分けが難しい」「年老いた父は指示語ばかり使うようになってきた」などの文中で使われている指示は、「物事をそれと指し示すこと」の意味で使われています。

一方、「指示語の多用は避けた方がよいだろう」「訪問看護指示書の書き方を教えてください」「指示標識とは特定の方法を禁止したり特定の方法に従うよう指定するものです」などの文中で使われている指示は、「指図すること、命令」の意味で使われています。

指示とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を捉える必要があります。指示の「指」は指などで目標とする物や場所を示すこと、「示」は相手によくわかるように見せたりすることを表す漢字です。

表現方法は「指示語」

指示を用いた日本語には「指示語」があります。指示語とは、代名詞・副詞・連体詞などの中で、指し示す働きをもつ語を意味します。「これ」「それ」「あれ」など、話し手のいる地点と状況をもとにして使用されたり、文中に一度出てきた言葉の繰り返しを避けるため用いられるものです。

「指示文字」は誤用

指示の誤った表現には「指示文字」があります。正しくは「指事文字」であり、形として表現しにくい物を点や線を使って表した漢字のことです。

指示の対義語

指示の対義語・反対語としては、物事を明確には示さずそれとなく知らせることを意味する「暗示」、他の意志や命令に従うことを意味する「服従」などがあります。

指示の類語

指示の類語・類義語としては、はっきりと表し示すことを意味する「はっきりと表し示すこと」、目印として文字や記号などで表わし示すことを意味する「標示」、差し出して見せることを意味する「提示」、指揮命令することを意味する「指令」などがあります。

支持の意味

支持とは

支持とは、支え持つこと、支えて持ちこたえることを意味しています。

その他にも、「ある意見や主張などに賛成して、その後押しをすること」の意味も持っています。

支持の使い方

「粘土層は支持地盤として強固である」「支持組織は豊富な細胞間質を特徴としている」「介護士は常に支持基底面を意識しています」などの文中で使われている支持は、「支え持つこと、支えて持ちこたえること」の意味で使われています。

一方、「自民党の支持率を年代別に表したグラフを作成する」「今回の調査では政党支持率に大きな変動がありました」などの文中で使われている支持は、「ある意見や主張などに賛成して、その後押しをすること」の意味で使われています。

支持とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を判断する必要があります。支持の「支」は倒れたりしないように何かをあてがっておさえること、「持」は長くそのままの状態を保ち続けることを表します。

表現方法は「支持基底面」

上記例文にある「支持基底面」とは、身体を支えるために床と接している部分を結んだ範囲のことであり、体重を支える面積を意味します。介護の際に支持基底面を広くとると、身体の安定性が高まり介護の負担が軽減されます。

支持の対義語

支持の対義語・反対語としては、ある意見などに対して逆らい同意しないことを意味する「反対」などがあります。

支持の類語

支持の類語・類義語としては、物事がうまくいくように助力をすることを意味する「賛成」、他人の行為に賛成ないし肯認の意思表示をすることを意味する「同意」、他人の意見などをよしとして同意することを意味する「賛同」などがあります。

指示の例文

1.「それ」「あれ」などの指示語が多い人と話していると、疲れてしまいます。
2.災害時における避難指示の意思決定は、市区町村の長により行われています。
3.英語のテキストとノートは、指示があるまで買わないように言われています。
4.部下への指示をやわらかい表現に変えてみたら、職場の雰囲気がよくなりました。
5.打たれ弱い新入社員に指示を出す時は、やわらかい言い方をするようにしています。

この言葉がよく使われる場面としては、物事をそれと指して示すこと、そこにあることを示すこと、教え示すこと、人に知らせたり人を指図したりすることを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「避難指示」とは、市区町村が発令する避難を呼びかける情報の一つで、対象地区の住民が速やかに危険な場所から避難するべき警戒レベルです。

支持の例文

1.金物屋さんで、うちの配管に適した支持金具をいくつか見繕ってもらいました。
2.このタワーマンションは、28本もの杭を地下30mの支持層まで打っています。
3.早期の英語教育を支持する人には、英語に対するコンプレックスが強い人が多い気がします。
4.パンダは絶滅に瀕している動物なので、中国の保護事業を支持しています。
5.インターネット調査によると、内閣支持率は前回調査から1ポイント上がっています。

この言葉がよく使われる場面としては、持ち支えること、支え続けること、主義や政策などに賛同して後押しすることを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「支持金具」とは、配管などの重さを支えて固定するための金具のことです。例文2にある「支持層」とは、特定の建物を支えるのに適した十分な固さを持つ地層を意味しています。

指示と支持という言葉は、どちらも「しじ」と読む同音異義語です。どちらの言葉を使うか迷った場合、人に指図することを表現したい時は「指示」を、人に賛同して後押しすることを表現したい時は「支持」を使うようにしましょう。

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