【警護】と【護衛】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「警護」(読み方:けいご)と「護衛」(読み方:ごえい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「警護」と「護衛」という言葉は、どちらも「危険から守ること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




警護と護衛の違い

警護と護衛の意味の違い

警護と護衛の違いを分かりやすく言うと、警護とは人や物を危険から守ること、護衛とは人に付き添って危険から守ることという違いです。

警護と護衛の使い方の違い

一つ目の警護を使った分かりやすい例としては、「来日した大統領の警護にあたる」「実行犯は警護部隊により射殺された」「警察庁は警護体制の強化を図っています」「英語が話せる人に身辺警護をお願いしたい」などがあります。

二つ目の護衛を使った分かりやすい例としては、「皇族方が外出される際に身辺を護衛する」「日本海軍は特設空母を船団護衛に用いた」「護衛艦いずもは2025年に一般公開される予定です」「海上自衛隊は護衛艦隊を廃止しました」などがあります。

警護と護衛の使い分け方

警護と護衛という言葉は、どちらも犯罪や災害を未然に防ぐために危険から守ることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

警護とは、人や物などの事故を防ぐために警戒して守ることを意味します。「大統領の警護にあたる」のような使い方で、重要人物に対して使用されることが多い言葉ですが、「貴重な美術品の警護を任された」のように、物に対して用いることもできます。

護衛とは、貴人や要人などの身辺に付き添って守ることを意味し、守りたい人のそばから離れないというニュアンスがあります。基本的に人に対して使用される言葉であり、物に対して使用することはありません。

つまり、警護とは人や物を守ることを表し、護衛とは人を守ることを表現する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

警護と護衛の英語表記の違い

警護も護衛も英語にすると「guard」「escort」となり、例えば上記の「大統領の警護」を英語にすると「the president’s guards」となります。

警護の意味

警護とは

警護とは、人や物などについて事故を防ぐため警戒して守ること、また、その役の人を意味しています。

警護の使い方

警護を使った分かりやすい例としては、「警護車がサイレンを鳴らして緊急走行していた」「私は警視庁警備部警護課第四係に所属しています」「警護対象者が安心して仕事ができるようにする」などがあります。

その他にも、「防衛省は米軍基地への警護出動を決定した」「警護車両に採用されている車種を購入したい」「警護要則は来年度に刷新される予定です」「彼女は女性警護官を目指して訓練しています」などがあります。

警護の読み方

警護の読み方は「けいご」です。同じ読み方をする熟語に「警固」や「敬語」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。

警護の「警」は訓読みで「いましめる」と読み、注意を与え身を引き締めさせること、非常の事態に備えることを表す漢字です。かばい守ることを表す「護」と結び付き、警護とは、非常の事が起こらないように警戒して守ることや、その役目をする人を意味します。

表現方法は「警護出動」

警護を用いた日本語には「警護出動」があります。警護出動とは、日本国内の米軍施設や自衛隊施設が破壊されるおそれがある場合などに、内閣総理大臣の命令により、自衛隊が出動し施設を警護する行動を指す言葉です。

警護の対義語

警護の対義語・反対語としては、危険や災害に対する備えのないことを意味する「無防備」などがあります。

警護の類語

警護の類語・類義語としては、変事に備えて警戒し防備することを意味する「警備」、危害の及ぶのを防ぎ守ることを意味する「防護」、人に付き添っていくことを意味する「エスコート」見張りや護衛をすることを意味する「ガード」などがあります。

護衛の意味

護衛とは

護衛とは、身辺に付き添って守ること、また、その役を意味しています。

護衛の使い方

護衛を使った分かりやすい例としては、「父は貴人を護衛する仕事をしています」「女性初の護衛隊司令が誕生しました」「護衛艦わかばの写真をダウンロードする」「護衛艦ゆうべつの引渡式が行われました」などがあります。

その他にも、「皇宮護衛官の採用試験で英語力は問われますか」「天皇皇后両陛下の護衛などにあたる」「自衛艦隊隷下に護衛艦隊を新編する」「アメリカ海軍の護衛空母一覧をインターネットで検索しています」などがあります。

護衛の「護」は訓読みで「まもる」と読み、侵されたり害が及ばないように防ぐこと、「衛」は周りにいて中のものを守る人を表します。護衛とは、付き添って守ることを意味し、人やものを守るために付き添う行為を指す言葉です。

表現方法は「皇宮護衛官」

護衛を用いた日本語には「皇宮護衛官」があります。皇宮護衛官とは、皇宮警察の業務にあたる皇宮警察本部の職員を意味します。皇宮警視監から皇宮巡査までの8階級に分かれ、皇宮警察の業務にあたります。

護衛の対義語

護衛の対義語・反対語としては、進んで敵を攻め撃つことを意味する「攻撃」などがあります。

護衛の類語

護衛の類語・類義語としては、警戒し護衛することを意味する「警衛」、他からの攻撃に対して防ぎ守ることを意味する「防衛」、護衛のために身辺につけておく者を意味する「用心棒」、要人などの身辺に付き添い身の安全を守る人を意味する「ボディガード」などがあります。

警護の例文

1.内閣総理大臣や国賓などの要人を警護する人は、基本的に警視庁の警察官から選ばれています。
2.SPの警護対象者は規程で決められているので、お金を払えばSPをつけられるわけではありません。
3.内閣総理大臣の銃撃事件を踏まえ、警護要則の見直しが求められています。
4.外国人のボディガードを任されても、英語が話せないのでは満足な警護は出来ません。
5.しばらく身辺警護を依頼したくて、民間の警備会社に問い合わせることにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、警戒し守ること、非常の事態に備えて守り固めることを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「警護対象者」とは、警護員に護られる人のことであり、警察庁長官が定める基準に基づいて決定されます。具体的には、内閣総理大臣、国賓その他その身辺に危害が及ぶことが国の公安に係ることとなるおそれがある者が該当します。

護衛の例文

1.海上自衛隊の護衛艦が母港に入港したことを歓迎する式典が開かれました。
2.全長130メートルほどある最新鋭の護衛艦は、第4護衛隊に配備される予定です。
3.戦国時代、武芸に優れた者たちは主君のすぐ近くにいて護衛役を務めていました。
4.来月から、王位継承権を巡って立場が危うい王太子の護衛につくことになりました。
5.ゆくゆくは、皇室の方々の護衛や皇居等の警備に従事する職業に就きたいと考えています。

この言葉がよく使われる場面としては、貴人や要人などにつき添って守ることを表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文2にある「護衛艦」とは、艦隊や船団を護衛する軍艦です。海上自衛隊が保有する護衛艦は、敵の潜水艦・水上艦艇・航空機による脅威に対処する能力を備え、周辺海域の防衛や海上交通の安全確保に重要な役割を担っています。

警護と護衛という言葉は、どちらも「危険から守ること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、人や物を危険から守ることを表現したい時は「警護」を、人に付き添って危険から守ることを表現したい時は「護衛」を使うようにしましょう。

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