似た意味を持つ「見限る」(読み方:みかぎる)と「見切る」(読み方:みきる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「見限る」と「見切る」という言葉は、どちらも手放すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「見限る」と「見切る」の違い
「見限る」と「見切る」の意味の違い
「見限る」と「見切る」の違いを分かりやすく言うと、「見限る」は感情や信頼を失って人や事柄を放棄する意味で使う、「見切る」は判断や採算に基づいて合理的に手を引くことや損切りする意味で使うという違いです。
「見限る」と「見切る」の使い方の違い
一つ目の「見限る」を使った分かりやすい例としては、「彼女は無責任な恋人を見限った」「多くの支援者が政党を見限った」「彼は弟子を見限って破門した」「社長を見限って会社を辞めた」「彼の不誠実さが続いたので私は彼を見限った」などがあります。
二つ目の「見切る」を使った分かりやすい例としては、「先を見切って撤退した」「未来を見切る洞察力は必要です」「計画を見切って中止しました」「売れ行きを見てその商品の生産を見切ることにした」などがあります。
「見限る」と「見切る」の使い分け方
「見限る」と「見切る」はどちらも手放すことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「見限る」は「彼の不誠実さが続いたので私は彼を見限った」のように、期待や信頼を失ってその人のことをもう当てにしない、感情的に見放すという意味で使う言葉になります。
人間関係や信頼、期待していた相手や状況に対して「もう期待しない」「これ以上関わらない」と決めるニュアンスが強く、やや感情的、主観的な判断を表します。
一方、「見切る」は「売れ行きを見てその商品の生産を見切ることにした」のように、状況や判断に基づいて損切りしたり打ち切ったりする、より実務的や戦略的な意味で使う言葉です。
つまり、感情や信頼を失って人や事柄を放棄する意味で使うのが「見限る」、判断や採算に基づいて合理的に手を引くことや損切りする意味で使うのが「見切る」と覚えておきましょう。
「見限る」と「見切る」の英語表記の違い
「見限る」を英語にすると「give up on」「abandon」「write off」「lose faith in」となり、例えば「彼の不誠実さが続いたので私は彼を見限った」を英語にすると「I gave up on him after his repeated dishonesty」となります。
一方、「見切る」を英語にすると「cut one’s losses」「write off」「decide to abandon」となり、例えば「売れ行きを見てその商品の生産を見切ることにした」を英語にすると「We decided to cut our losses on that product after seeing the poor sales」となります。
「見限る」の意味
「見限る」とは
「見限る」とは、見込みがないとしてあきらめることを意味しています。
表現方法は「交際を見限る」「将来を見限る」
「交際を見限る」「将来を見限る」などが、「見限る」を使った一般的な言い回しになります。
「見限る」の使い方
「見限る」を使った分かりやすい例としては、「何度も裏切られたので友人を見限った」「成長の見込みがないと見限られてしまった」「ファンが見限って応援をやめた」「彼の無礼な態度に見限られてしまった」などがあります。
「見限る」は人や物事に対して抱いていた信頼、期待、希望を捨て、見込みがないと判断する場合に用いられます。
この言葉は、相手に対する感情的な失望や諦めが込められることが多く、対人関係や評価に関する文脈でよく使われます。そのため、「もう期待しない」「見込みがないと判断する」といったニュアンスを含んでいます。
「見限る」の特徴
「見限る」は合理的な判断というよりも、心理的や感情的な線引きをする場面で多く使われます。例えば、何度も約束を破る恋人を「見限る」、改善の見込みがない会社を「見限る」といったように、失望や諦めが強調されます。
「見限る」の類語
「見限る」の類語・類義語としては、望みを捨てることを意味する「諦める」、情けをかけるのをやめることを意味する「見捨てる」、相手に愛想を尽かすことを意味する「愛想を尽かす」などがあります。
「見切る」の意味
「見切る」とは
「見切る」とは、見捨てることを意味しています。
表現方法は「潮時と見切る」「可能性を見切る」
「潮時と見切る」「可能性を見切る」などが、「見切る」を使った一般的な言い回しになります。
「見切る」の使い方
「見切る」を使った分かりやすい例としては、「在庫を見切って処分することにした」「可能性がないと見切った」「敵の動きを見切る」「計画を見切って中止することにしました」「未来を見切る洞察力は必要です」などがあります。
「見切る」は、ある物事や状況に対して見込みや可能性がないと冷静に判断し、損切りする、あるいはきっぱりと結論を出す場面で使われます。
「見切る」の特徴
「見切る」は感情的というよりも、合理的や客観的な判断を表すことが多い言葉です。例えば、「投資のタイミングを見切る」「勝負どころを見切る」のように、状況を冷静に分析して最適な判断を下す際に用いられます。
また、「見限る」と違って、必ずしも相手に対する失望や感情的な断絶を含むわけではないというのが特徴です。
「見切る」の類語
「見切る」の類語・類義語としては、状況を見極めて判断することを意味する「見極める」、計画などを諦めることを意味する「断念する」、最終的に決断を下すことを意味する「決断する」などがあります。
「見限る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、見込みがないとしてあきらめることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「見限る」は感情や信頼を失って人や事柄を放棄する意味で使う言葉です。
「見切る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、見捨てることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「見切る」は判断や採算に基づいて合理的に手を引くことや損切りする意味で使う言葉です。
「見限る」と「見切る」はどちらも手放すことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、感情や信頼を失って人や事柄を放棄する意味で使うのが「見限る」、判断や採算に基づいて合理的に手を引くことや損切りする意味で使うのが「見切る」と覚えておきましょう。