【踏ん張りどころ】と【正念場】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「踏ん張りどころ」(読み方:ふんばりどころ)と「正念場」(読み方:しょうねんば)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「踏ん張りどころ」と「正念場」という言葉は、どちらも重要な場面で使う言葉を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「踏ん張りどころ」と「正念場」の違い

「踏ん張りどころ」と「正念場」の意味の違い

「踏ん張りどころ」と「正念場」の違いを分かりやすく言うと、「踏ん張りどころ」は耐え抜くニュアンスで使う、「正念場」は結果が一挙に決するような勝負のニュアンスで使うという違いです。

「踏ん張りどころ」と「正念場」の使い方の違い

一つ目の「踏ん張りどころ」を使った分かりやすい例としては、「長い試合も終盤に入りここが踏ん張りどころだ」「テスト直前の今が踏ん張りどころだと先生に言われた」「苦しいときこそ踏ん張りどころと自分に言い聞かせる」「ここが踏ん張りどころだ」などがあります。

二つ目の「正念場」を使った分かりやすい例としては、「今日の試合が優勝を決める正念場だ」「人生の正念場を迎えて決断を下した」「最後の交渉が正念場だと全員が感じている」「会社の存続をかけた正念場に立たされている」「今が正念場だ」などがあります。

「踏ん張りどころ」と「正念場」の使い分け方

「踏ん張りどころ」は「マラソンの最後の5キロは本当に踏ん張りどころだ」のように、持久力や我慢、最後の粘り強い努力を続けるべき時期・区間に対して使う言葉になります。

長く続いた努力の中で「もうひと踏ん張り」「ここを耐えれば次がある」といった、耐える・踏ん張ることを強調するニュアンスです。日常会話でも使いやすい口語的表現です。

一方、「正念場」は「この会議がプロジェクト成功の正念場だ」のように、結果が決まるような重大で決定的な瞬間・局面に対して使う言葉です。勝負どころ・山場・決定打が必要な場面を指し、短期的に決断や最善の行動を求められることが多い表現です。

つまり、耐え抜くニュアンスで使うのが「踏ん張りどころ」、結果が一挙に決するような勝負のニュアンスで使うのが「正念場」と覚えておきましょう。

「踏ん張りどころ」と「正念場」の英語表記の違い

「踏ん張りどころ」を英語にすると「time to hang on」「time to dig in」「final push」「a period to hold on」などとなり、例えば「ここが踏ん張りどころだ」を英語にすると「This is the time to hang on」となります。

一方「正念場」を英語にすると「crucial moment」「decisive moment」「make-or-break moment」「critical juncture」などとなり、例えば「今が正念場だ」を英語にすると
「This is the decisive moment」となります。

「踏ん張りどころ」の意味

「踏ん張りどころ」とは、がんばって乗り越えなければならない場面のことを意味しています。

「踏ん張りどころ」の使い方

「踏ん張りどころ」を使った分かりやすい例としては、「ここが踏ん張りどころだから最後まで頑張ろう」「試験まであと一か月が踏ん張りどころです」「苦しいですが今が踏ん張りどころです」「あと少しでゴールなので、ここは踏ん張りどころです」などがあります。

「踏ん張りどころ」は困難や逆境の中で、あきらめずに耐えたり、もうひと押しの努力をしたりする場面で使う言葉です。

「踏ん張りどころ」の特徴

「踏ん張りどころ」は単に努力する場面ではなく、勝負や結果がかかっている重要なタイミングで使われるのが特徴です。体力的・精神的にきついときでも、ここを乗り越えれば成果が見えてくるという状況で使われます。

そのため、「少し疲れたので踏ん張りどころです」のように軽い場面ではあまり使わず、「これを乗り越えれば成功する」という山場や正念場を表すときに用いられることが多いです。

また、日常会話でも使いやすいややカジュアルな表現になります。

「踏ん張りどころ」の類語

「踏ん張りどころ」の類語・類義語としては、運命を左右する大事な局面を意味する「正念場」、ここが重要なときだという「勝負どころ」、最後まで耐え抜くという意味合いの「我慢のしどころ」などがあります。

「正念場」の意味

「正念場」とは

「正念場」とは、真価を表すべき最も大事なところのことを意味しています。

表現方法は「ここが正念場」「人生の正念場」

「ここが正念場」「人生の正念場」などが、「正念場」を使った一般的な言い回しになります。

「正念場」の使い方

「正念場」を使った分かりやすい例としては、「ここが正念場だから気を抜かずに取り組もう」「プロジェクトの成功はこの一週間の正念場にかかっています」「この試合が彼にとっての正念場です」などがあります。

「正念場」は、勝負や試練の重要な場面、またはここで踏ん張れば結果が決まるという大事な局面を意味する言葉です。ビジネス、スポーツ、日常生活など幅広い場面で使うことができます。

「正念場」由来

「正念場」の由来は、仏教用語の「正念」から来ています。「正念」は、心を正しく集中させて迷わず一つのことに心を向けることを意味します。これが転じて、心を集中して挑まなければならない重要な場面、つまり勝負どころや山場を「正念場」と言うようになりました。

「正念場」の類語

「正念場」の類語・類義語としては、勝敗や運命の分かれ目を意味する「天王山」、勝負のかかった場面や重要な場面を意味する「勝負どころ」、物事の行方を決める大事な局面を意味する「分岐点」などがあります。

「踏ん張りどころ」の例文

1.受験まであと一か月、この時期こそが踏ん張りどころだと思います。
2.プロジェクトの完成まであと少しなので、今が踏ん張りどころです。
3.ここで諦めずに続ければ成功するはずです、まさに踏ん張りどころですね。
4.部活の大会前は疲れが出ますが、ここが踏ん張りどころになります。
5.仕事が立て込んで大変ですが、チーム一丸となって踏ん張りどころです。

この言葉がよく使われる場面としては、がんばって乗り越えなければならない場面のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「踏ん張りどころ」は耐え抜くニュアンスで使う言葉です。

「正念場」の例文

1.今日のプレゼンはプロジェクトの未来を左右する正念場です。
2.ここが正念場です、全員の力を合わせて乗り越えましょう。
3.交渉は大詰めを迎えました、ここがまさに正念場となります。
4.今が正念場なので、一つひとつの行動に注意を払っています。
5.試験当日はこれまでの努力を出し切る正念場だと感じます。

この言葉がよく使われる場面としては、真価を表すべき最も大事なところのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「正念場」は結果が一挙に決するような勝負のニュアンスで使う言葉です。

「踏ん張りどころ」と「正念場」はどちらも重要な場面で使う言葉を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、耐え抜くニュアンスで使うのが「踏ん張りどころ」、結果が一挙に決するような勝負のニュアンスで使うのが「正念場」と覚えておきましょう。

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