【自己憐憫】と【自己嫌悪】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「自己憐憫」(読み方:じこれんびん)と「自己嫌悪」(読み方:じこけんお)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「自己憐憫」と「自己嫌悪」という言葉は、どちらも自分自身に対するネガティブな感情を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




自己憐憫と自己嫌悪の違い

自己憐憫と自己嫌悪の意味の違い

自己憐憫と自己嫌悪の違いを分かりやすく言うと、自己憐憫とは自分をかわいそうだと思う気持ち、自己嫌悪とは自分を嫌う気持ちという違いです。

自己憐憫と自己嫌悪の使い方の違い

一つ目の自己憐憫を使った分かりやすい例としては、「自己憐憫に浸る人ほど不幸を招きやすい」「自己憐憫に陥る原因は人それぞれ違います」「自己憐憫の強い人は責任転嫁しやすく依存心が強い」「自己憐憫する癖をやめる」などがあります。

二つ目の自己嫌悪を使った分かりやすい例としては、「何もできなくて自己嫌悪感を抱く」「焦りや苛立ちで自己嫌悪に陥る」「夫は自己嫌悪になりやすい人です」「自己嫌悪の克服方法をお教えします」などがあります。

自己憐憫と自己嫌悪の使い分け方

自己憐憫と自己嫌悪という言葉は、どちらも自分に対して抱くネガティブな感情を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

自己憐憫とは、自分で自分をかわいそうだと思うことを意味します。上記の例文にある「自己憐憫の強い人」とは、小さなことでも悲観的に捉えてしまい、自分のことを「かわいそうな人間」「不憫な人間」とすぐに考えてしまう傾向にある人のことです。

自己嫌悪とは、自分で自分を嫌いになること、自分に嫌気をさすことを意味します。自己嫌悪は、コンプレックスが受け入れられなかったり、周囲と比較して劣等感を感じたり、大きな失敗をおかしてしまったりして、自分を許せずに感じる自己否定の感情です。

つまり、自己憐憫は自分をかわいそうだと思う気持ち、自己嫌悪は自分を嫌いになる気持ちを表します。また、自己嫌悪は自分を嫌っていますが、自己憐憫には自分を嫌う気持ちがなく、むしろ愛おしいためにかわいそうと感じるものです。これらが、二つの言葉の明確な違いになります。

自己憐憫と自己嫌悪の英語表記の違い

自己憐憫を英語にすると「self-pity」となり、例えば上記の「自己憐憫の涙」を英語にすると「indulge in self-pity」となります。

一方、自己嫌悪を英語にすると「self-abhorrence」「self-disgust」「self-hate」となり、例えば上記の「自己嫌悪感」を英語にすると「feeling of self-hate」となります。

自己憐憫の意味

自己憐憫とは

自己憐憫とは、自分を哀れみ、かわいそうだと思い込むことを意味しています。

自己憐憫の読み方

自己憐憫の読み方は「じこれんびん」です。憐憫は「れんびん」の他に「れんみん」とも読みますが、自己憐憫は「じこれんみん」とは言いません。

表現方法は「自己憐憫に陥る」「自己憐憫に浸る」

「自己憐憫に陥る」「自己憐憫に浸る」などが、自己憐憫を使った一般的な言い回しです。

自己憐憫の使い方

自己憐憫を使った分かりやすい例としては、「病気がちになり自己憐憫に浸る日々です」「自己憐憫を心理学の観点から分析する」「性格診断によると私は自己憐憫しやすいみたいだ」「自己憐憫が強い男はめんどくさい」「自己憐憫を手放す覚悟を決める」などがあります。

その他にも、「自己憐憫の特徴に、周りから評価されたいなどが挙げられます」「アスペルガーである辛さに自己憐憫してしまう」「自己憐憫をアピールする人はうざいです」「自己憐憫をやめたいなら考え方を変えましょう」などがあります。

自己憐憫の「憐憫」は、かわいそうに思うこと、哀れむことを表します。自分自身を表す「自己」と結びつき、自己憐憫とは、自分に対して同情や哀れみを持つ感情を意味します。自分は不幸な人間だ、なんてかわいそうなんだと思い込むマイナスイメージの言葉です。

自己憐憫は、自分のことを、とてもかわいそうだと思う状態です。裏を返すと、自分が愛おしい、自分がかわいいあまりに「かわいそうだ」と感じてしまう心理なのです。この自己憐憫を周囲にアピールして同情をひこうとしている女性は、「悲劇のヒロイン」と言われています。

自己憐憫の対義語

自己憐憫の対義語・反対語としては、自分自身や自分の言動に自分で満足することを意味する「自己満足」、自分で自分の能力や価値などを信じることを意味する「自信」、あわれみの心がないことや思いやりの心がないことを意味する「無慈悲」などがあります。

自己憐憫の類語

自己憐憫の類語・類義語としては、自分自身を否定することを意味する「自己否定」、かわいそうに思う心や同情を意味する「哀れみ」、かわいそうに思うことや憐れむことを意味する「憐憫」、悲しみや哀れを誘う感じを意味する「哀感」、いつくしみあわれむことを意味する「慈悲」などがあります。

自己嫌悪の意味

自己嫌悪とは

自己嫌悪とは、自分で自分自身が嫌になることを意味しています。

表現方法は「自己嫌悪に陥る」「自己嫌悪に苛まれる」「自己嫌悪の塊」

「自己嫌悪に陥る」「自己嫌悪に苛まれる」「自己嫌悪の塊」などが、自己嫌悪を使った一般的な言い回しです。

自己嫌悪の使い方

自己嫌悪を使った分かりやすい例としては、「相手に申し訳なくて自己嫌悪に陥る」「ネットにある自己嫌悪診断をやってみた」「自己嫌悪でしんどい時があります」「自己嫌悪の治し方を検索する」などがあります。

その他にも、「恋愛で自己嫌悪に陥ることもあります」「子どもにイライラして自己嫌悪になってしまう」「自己嫌悪が止まらない時がある」「自己嫌悪で苦しい思いをする」「英語が全く話せなくて自己嫌悪に陥った」などがあります。

自己嫌悪とは、自分のことを自分で嫌うことを意味し、ネガティブな感情を表す言葉です。自己嫌悪の「嫌悪」は、憎み嫌うことや強い不快感を持つことを表します。自己嫌悪は、自分自信に対する嫌悪感であり、自分をうとましく思う気持ちなのです。

自己嫌悪は、自分の性格や言動などに嫌気がさして、気持ちがふさいでいる精神状態です。例えば、誰かに迷惑をかけてしまったり、失態をおかしてしまった時などに自己嫌悪に陥ることがあります。

自己嫌悪の対義語

自己嫌悪の対義語・反対語としては、実際以上に自分が優れていると思い込んでいる人を意味する「自惚れ屋」、うぬぼれ屋や自己陶酔型の人を意味する「ナルシスト」、自分自身を性愛の対象とすることを意味する「自己愛」などがあります。

自己嫌悪の類語

自己嫌悪の類語・類義語としては、自分を劣ったものとして卑しめることを意味する「卑下」、自分の見苦しさや過ちを反省して心に深く恥じることを意味する「慙愧」、自分で自分の過ちをとがめることを意味する「自責」などがあります。

自己憐憫の例文

1.罪悪感や自己憐憫など自分を否定する気持ちが強すぎると、生きづらさを感じるものです。
2.悲劇のヒロインから脱却して自己憐憫を手放すと決めたら、新しい世界が開けるでしょう。
3.すぐに自己憐憫に浸る癖の治し方を、スピリチュアルの先生に聞きました。
4.自己憐憫が強すぎる場合は、うつ病など精神的な病気を疑った方がよいでしょう。
5.周囲からうざいと思われたくないので、自己憐憫をアピールしないようにしています。
6.何かといえばあたしってかわいそうだと思わない?という同僚がいたが、自己憐憫という名の私を見てアピールが強すぎて、本当にかわいそうなのは周囲の人間だよと思っていた。
7.日本が世界一だった時代から転落してからというもの、現代の日本人はどこかで自己憐憫の感情を肥大化させている。
8.どうして私ばかりこうなるのかと自己憐憫に至る原因は、突き詰めればその人の生き方の問題につながっているだろう。
9.スポーツ選手への夢を諦める際には、妙に他人の輝かしい姿が目に入ってしまい、自己憐憫も合わさって最悪な気持ちになった。
10.君みたいな自己憐憫が強い人はすぐに責任転嫁をして、あたかも自らに非がないように振る舞うのだからあきれてしまうよ。

この言葉がよく使われる場面としては、自分で自分をかわいそうだと思うことを表現したい時などが挙げられます。

例文3の「自己憐憫に浸る」とは、自分をかわいそうだと思う状態に染まっているさまを表現する言い回しです。「浸る」は、ある状態や心境に入りきることを表します。

自己嫌悪の例文

1.ネガティブ思考で劣等感が強い私は、小さな失敗や少しの失言で自己嫌悪に苛まれることがあります。
2.思春期は何かと思い悩みがちなので、自己嫌悪を感じることが多い時期です。
3.恋愛の場面でも、相手を傷つけたり、相手に求めすぎて自己嫌悪に陥ることがあります。
4.気持ちを切り替えたくて、自己嫌悪から抜け出す方法をネットで検索しました。
5.自己嫌悪や不安で押し潰されそうになったら、ヒーリングミュージックを聴くようにしています。
6.子供を怒鳴りつけた後は自己嫌悪に陥ってしまい、私は親失格ではないかと必要以上に責め立てることもありました。
7.また仕事をミスしてしまったことで自己嫌悪に陥っていたところに、先輩がやってきて少し励ましてもらいました。
8.若い頃は怖いもの知らずで思い上がっていたので、その頃を思い出すと今でも自己嫌悪の感情を抱いてしまう。
9.彼女は場の雰囲気に飲まれて自分のことを必要以上に多く語りすぎたので、自己嫌悪の感情に襲われていた。
10.その時私は自己嫌悪に苛まれていて、自分はどうしようもない奴だとか、生きている価値のないものだと責め立てていた。

この言葉がよく使われる場面としては、自分で自分自身に嫌気がさすことを表現したい時などが挙げられます。

例文3の「自己嫌悪に陥る」とは、自分自身に対して嫌悪感を抱いている状態を表す言い回しです。「陥る」とは、望ましくない状態になることを表します。

自己憐憫と自己嫌悪という言葉は、どちらも自分に対するネガティブな気持ちを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、自分をあわれむことを表現したい時は「自己憐憫」を、自分に嫌気がさすことを表現したい時は「自己嫌悪」を使うようにしましょう。

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