【細菌】と【ウイルス】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「細菌」(読み方:さいきん)と「ウイルス」(読み方:ういるす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「細菌」と「ウイルス」という言葉は、どちらも感染症の原因となる微生物のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「細菌」と「ウイルス」の違い

「細菌」と「ウイルス」の意味の違い

「細菌」と「ウイルス」の違いを分かりやすく言うと、「細菌」は分裂によって増殖するもの、「ウイルス」は自分だけでは増殖できないものという違いです。

「細菌」と「ウイルス」の使い方の違い

一つ目の「細菌」を使った分かりやすい例としては、「傷口から細菌が入って化膿してしまった」「ヨーグルトには体に良い細菌が含まれている」「この病気は特定の細菌によって引き起こされる」などがあります。

二つ目の「ウイルス」を使った分かりやすい例としては、「インフルエンザウイルスに感染して高熱が出た」「コンピュータがウイルスに侵入されて動かなくなった」「この風邪はウイルスが原因なので抗生物質は効かない」などがあります。

「細菌」と「ウイルス」の使い分け方

「細菌」と「ウイルス」はどちらも感染症の原因となる微生物のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「細菌」は細胞構造を持つ微生物で、自分自身で栄養を取り込み、分裂によって増殖します。大きさはウイルスよりも大きく、抗生物質によって増殖を抑えたり殺したりすることが可能です。また、大腸菌や乳酸菌のように人間に有益な働きをする細菌も数多く存在します。

一方、「ウイルス」は細胞構造を持たず、自分だけでは増殖できない存在です。宿主となる細胞に入り込み、その細胞の仕組みを利用して増えるのが特徴です。大きさは細菌よりもはるかに小さく、抗生物質は効きません。そのため、ワクチンや抗ウイルス薬によって対処する必要があります。

つまり、自分で増えることができ抗生物質が効くのが「細菌」、細胞に寄生しないと増殖できずワクチンなどで予防や治療するのが「ウイルス」と覚えておきましょう。

「細菌」と「ウイルス」の英語表記の違い

「細菌」を英語にすると「bacteria」、例えば「この病気は特定の細菌によって引き起こされる」は英語で「This disease is caused by a specific type of bacteria」となります。

一方、「ウイルス」を英語にすると「virus」、例えば「インフルエンザウイルスに感染して高熱が出た」は英語で「I was infected with the influenza virus and developed a high fever」となります。

「細菌」の意味

「細菌」とは

「細菌」とは、非常に小さい単細胞生物群のことを意味しています。

「細菌」の使い方

「細菌」を使った分かりやすい例としては、「食べ物を放置すると細菌が繁殖して食中毒の原因になります」「腸内には健康に良い働きをする細菌が多く存在しています」「細菌が傷口から侵入して炎症を起こしました」「この薬は細菌の増殖を抑える効果があります」などがあります。

「細菌」は、目に見えないほど小さな単細胞生物のことを意味する名詞です。地球上のあらゆる場所に存在しており、人間の体内や環境の中にも無数に生息しています。一般的に「病気を引き起こすもの」というイメージを持たれやすいですが、必ずしも悪いものばかりではありません。

「細菌」の特徴

「細菌」は大きく分けると、人に害を与えるものと、人に役立つものがあります。例えば、有害な細菌は感染症や食中毒の原因になりますが、有益な細菌は発酵食品の製造や人間の腸内環境の維持に欠かせません。そのため、「細菌」は私たちの生活に密接に関わる存在といえます。

「細菌」は顕微鏡で観察できるほどの大きさで、自らエネルギーを生み出し分裂によって増殖する生物です。ウイルスのように宿主の細胞を利用しなければ増えることができないものとは異なり、独立して生きることができる点が特徴です。

「細菌」の類語

「細菌」の類語・類義語としては、病気を引き起こす微生物のことを意味する「病原菌」、肉眼では見えない小さな生物を意味する「微生物」、病気を生み出す小さな生物という意味で使われる「病菌」などがあります。

「ウイルス」の意味

「ウイルス」とは

「ウイルス」とは、他生物の細胞を利用して自己を複製させる極微小な感染性の構造体のことを意味しています。

「ウイルス」の使い方

「ウイルス」を使った分かりやすい例としては、「冬になるとインフルエンザウイルスが流行します」「ウイルスが体に侵入して発熱や咳などの症状を引き起こしました」「コンピュータにウイルスが侵入してデータが壊れてしまいました」などがあります。

「ウイルス」は、細菌とは異なり自ら生きて増殖することができない存在を意味する名詞です。非常に小さく、顕微鏡でも観察が難しいものもあり、他の生物の細胞に入り込んでその仕組みを利用しなければ増えることができません。

「ウイルス」は、人間や動物、植物などあらゆる生物に感染します。インフルエンザや風邪、エイズなど、数多くの病気の原因となる一方で、遺伝子研究や医療の分野で役立てられることもあります。

また、「コンピュータウイルス」という形で比喩的に使われ、悪意のあるプログラムを指す場合もあります。

「ウイルス」の特徴

「ウイルス」は、生物と無生物の中間的な存在とされています。単独では代謝や増殖ができず、必ず宿主の細胞に寄生して増えるため、「生き物」として扱うかどうかは学術的にも議論がある存在です。

「ウイルス」の類語

「ウイルス」の類語・類義語としては、人や動物に感染するものを広く指す「病原体」、細菌や真菌などを含む「微生物」、特定の感染症を引き起こす「病原ウイルス」などがあります。また、情報機器分野では「マルウェア」が近い意味で使われることもあります。

「細菌」の例文

1.傷の手当てを怠ると細菌が繁殖してしまい、感染症を引き起こす危険が高まります。
2.人間の腸内には膨大な数の細菌が棲んでおり、消化や健康の維持に重要な役割を果たしています。
3.この研究では、新しい種類の細菌が発見され、医学の進歩に大きく貢献することが期待されています。
4.食品を常温で放置すると細菌が増殖しやすいため、冷蔵保存を徹底することが大切です。
5.病院内で広がる細菌感染を防ぐために、医療従事者は手指の消毒を徹底して行っています。

この言葉がよく使われる場面としては、非常に小さい単細胞生物群のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「細菌」は自分で増えることができ抗生物質が効くものに使う言葉です。

「ウイルス」の例文

1.インフルエンザウイルスに感染すると高熱や倦怠感が続き、しばらく安静が必要になります。
2.ウイルスは自分だけでは生きられないため、宿主の細胞に侵入して増殖します。
3.新しいウイルスが発見されるたびに、研究者たちは治療法や予防法の確立に取り組んでいます。
4.この病気はウイルス性であるため、抗生物質では治療できず、専用の薬や免疫力が重要です。
5.世界中でウイルス感染が拡大した際には、社会生活や経済活動にも大きな影響が出ます。

この言葉がよく使われる場面としては、他生物の細胞を利用して自己を複製させる極微小な感染性の構造体のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「ウイルス」は細胞に寄生しないと増殖できずワクチンなどで予防や治療するものに使う言葉です。

「細菌」と「ウイルス」はどちらも感染症の原因となる微生物のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、自分で増えることができ抗生物質が効くのが「細菌」、細胞に寄生しないと増殖できずワクチンなどで予防や治療するのが「ウイルス」と覚えておきましょう。

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