似た意味を持つ「仮に」(読み方:かりに)と「もし」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「仮に」と「もし」という言葉は、どちらもある条件を想定することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「仮に」と「もし」の違い
「仮に」と「もし」の意味の違い
「仮に」と「もし」の違いを分かりやすく言うと、「仮に」は現実的な可能性を想定すること、「もし」は現実とは異なる仮定や仮説を立てることという違いです。
「仮に」と「もし」の使い方の違い
一つ目の「仮に」を使った分かりやすい例としては、「仮に明日雨が降ったとしても、試合は予定通り行います」「仮に彼の話が本当だとしても、行動には問題がある」「仮に全員が賛成したとしても、実現には時間がかかるだろう」などがあります。
二つ目の「もし」を使った分かりやすい例としては、「もし明日雨が降ったら、試合は中止になります」「もし彼が来なかったら、会議は延期しよう」「もしそれが本当なら、大変なことになるね」などがあります。
「仮に」と「もし」の使い分け方
「仮に」と「もし」はどちらもある条件を想定することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「仮に」は、実際にはそうではないが、一時的にそうだと想定して話を進めるという意味合いが強く、論理的・仮定的な状況を述べるときに使われます。たとえば、「仮にあなたが社長だったらどうしますか」のように、現実とは異なる前提を設定して話す場合に使うのが自然です。
一方、「もし」は、より一般的で日常的な仮定や可能性を表す言葉です。実際に起こるかもしれない出来事や条件を想定して話すときに使われます。「もし雨が降ったら傘を持っていこう」「もし彼が成功したらお祝いしよう」などのように、日常会話でよく使われます。
つまり、現実的な可能性を想定するのが「もし」、現実とは異なる仮定や仮説を立てるのが「仮に」と覚えておきましょう。
「仮に」と「もし」の英語表記の違い
「仮に」を英語にすると「suppose」「assuming」「let’s say」などとなり、例えば「仮に明日雨が降ったとしても、試合は予定通り行います」を英語にすると「Suppose it rains tomorrow, the game will still be held as scheduled」となります。
一方、「もし」を英語にすると「if」「in case」などとなり、例えば「もし明日雨が降ったら、試合は中止になります」を英語にすると「If it rains tomorrow, the game will be canceled」となります。
「仮に」の意味
「仮に」とは
「仮に」とは、仮定を述べる部分の初めに使う言葉を意味しています。
「仮に」の使い方
「仮に」を使った分かりやすい例としては、「仮に明日雨が降っても遠足は決行します」「仮に彼が来なかったとしても会議は予定通り行います」「仮にその話が本当だったとしても信じるのは難しい」「仮に私があなたの立場だったら同じ選択をしたかもしれません」などがあります。
「仮に」は、「実際にはそうでないが、そのように仮定した場合」を意味する「仮」と、条件を提示する「に」が組み合わさった言葉で、主に前提や想定をもとにした発言を導く際に使われます。現実とは異なる可能性を考えるときや、話を論理的に進めたいときに便利な表現です。
「仮に」の特徴
「仮に」はビジネスシーンと日常会話のどちらでも広く使われる言葉で、特に議論・提案・説明などの場面で「もし〜だったとしたら」という条件を示すときによく使われます。例えば、会議でのリスク想定、計画の検討、仮説の提示などにおいて用いられることが多いです。
また、「仮に」はあくまで仮定の話をするための表現なので、実際の事実や決定事項を述べる際には不適切です。話の流れを混乱させないためにも、「仮に」と言った後には、きちんと結論や前提を明確に示すことが大切です。
「仮に」の類語
「仮に」の類語・類義語としては、やや形式的な印象を与える「仮として」、そして条件や前提を強調する「たとえ」などがあります。
「もし」の意味
「もし」とは
「もし」とは、まだはっきり分かっていない事を仮に言うことを意味しています。
「もし」の使い方
「もし」を使った分かりやすい例としては、「もし明日晴れたら、公園へ行こう」「もし時間に間に合わなかったら、先に始めてください」「もし彼が本当のことを言っているなら、事態はかなり深刻です」「もし助けが必要なら、遠慮せずに言ってください」などがあります。
「もし」の由来
「もし」は、古語の「もしや」が由来の言葉です。「ある事柄が起こるかもしれない」という不確実な状況を前提にして使われます。したがって、現実的な可能性がある場合から、まったくの仮定や想像に近い場合まで、幅広く使えると覚えておきましょう。
「もし」の特徴
「もし」は日常会話の中で非常によく使われる言葉で、話し手の推測・提案・懸念・願望などを柔らかく伝えることができます。ビジネスシーンでも、「もしこの案が通らなかった場合は」「もし不明点があればご連絡ください」などのように、条件付きで丁寧に述べたい場面に適しています。
「もし」は便利な言葉ですが、口語的で柔らかい印象があるため、文書や公式な会話では「仮に」や「万一」などに言い換えると、より丁寧でフォーマルな表現になります。また、「もし〜ならば」「もし〜たら」といった形で後半の条件文をしっかり続けることで、自然な文になります。
「もし」の類語
「もし」の類語・類義語としては、可能性が低いことを想定する「万一」、思いがけない事態を示す「もしも」などがあります。
「仮に」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、仮定を述べる部分の初めに使う言葉を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「仮に」は現実的な可能性を想定する時に使う言葉です。
「もし」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、まだはっきり分かっていない事を仮に言うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「もし」は現実とは異なる仮定や仮説を立てる時に使う言葉です。
「仮に」と「もし」はどちらもある条件を想定することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、現実的な可能性を想定するのが「もし」、現実とは異なる仮定や仮説を立てるのが「仮に」と覚えておきましょう。