似た意味を持つ「ニューカマー」と「オールドカマー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ニューカマー」と「オールドカマー」という言葉は、「日本に長期滞在している外国人」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ニューカマーとオールドカマーの違い
ニューカマーとオールドカマーの違いを分かりやすく言うと、ニューカマーは20世紀半ば以降から日本に滞在している外国人を表現する時に使い、オールドカマーは20世紀半ば以前から日本に滞在している外国人を表現する時に使うという違いです。
一つ目のニューカマーを使った分かりやすい例としては、「ニューカマーアーティストの中でもみるみるうちに頭角を表していた」「ニューカマーズは期待のホープと呼ばれている」「ニューカマーを受け入れた後の課題を考える必要がある」などがあります。
二つ目のオールドカマーを使った分かりやすい例としては、「オールドカマーとニューカマーの間でも差異が存在する」「オールドカマーに対する保障が偏っていたそうだ」「オールドカマーの歴史的背景は必修とするべきだろう」などがあります。
ニューカマーとオールドカマーはどちらも、日本に長期滞在している外国人を表しますが、いつから滞在しているかが異なります。
ニューカマーは、1980年代から1990年代に日本に滞在し始めた人、もしくは1980年以降から日本に長期滞在するようになった人を指す言葉です。英語の持つ意味の通り、新人や新参を意味する言葉としても使われています。
一方のオールドカマーは、第二次世界大戦が終結するよりも前に日本へとやってきて長期滞在している外国人や、その外国人らの子孫を指す言葉です。英語では古株や古参という意味がありますが、日本語ではこれらの意味で使われることはほとんどありません。
つまり、ニューカマーは20世紀半ば以降から日本に長期滞在している外国人を指し、オールドカマーは20世紀半ば以前から日本に長期滞在している外国人を指すという違いがあります。
ニューカマーを英語にすると「newcomer」「new-comer」となり、例えば上記の「ニューカマーアーティスト」を英語にすると「newcomer artists」となります。
一方、オールドカマーを英語にすると「oldcomer」「old-timer」となり、例えば上記の「オールドカマーとニューカマーの間」を英語にすると「between oldcomers and newcomers」となります。
ニューカマーの意味
ニューカマーとは、新しく来た人を意味しています。
その他にも、20世紀半ば以降に日本へとやってきて長期滞在をしている外国人を意味する言葉として使われています。
「ニューカマーケアはリモートワークで出来るものだろうか」「既製品にとらわれないニューカマー製品をチェックしたい」「期待のニューカマーが今年も特設ページにてまとめられる」などの文中で使われているニューカマーは、「新顔」の意味で使われています。
一方、「ニューカマー児童に対する言語教育において母国語はどう扱われるのだろう」「ニューカマーズの文化はどうなるのだろう」などの文中で使われているニューカマーは、「20世紀半ば以降から長期滞在する日本人」の意味で使われています。
ニューカマーは英語で「newcomer」「new-comer」と表記され、「新来者」「新人」といった意味を持ちます。「新しい」を意味する「ニュー」と「来る人」「来た人」を意味する「カマー」を組み合わせた言葉で、「ニューカマーズ」とも呼ばれています。。
1972年に日中国交正常化が実現し、1979年に台湾にて海外出国自由化が認められ、1983年に日本で留学生に関する政策の実施が行われるなど、様々な要因からアジアからの移住者を受け入れることになりました。
そのため、日本では1980年代から1990年代に日本に滞在し始めた人、もしくは1980年以降から日本に長期滞在するようになった人をニューカマーと呼ぶようになり、第二次世界大戦前後に訪日した在日外国人らと区別しています。
その他にも、上記例文の「ニューカマーケア」「ニューカマー製品」「期待のニューカマー」などのように、英語と同じく「新人」「新しい発想から生まれた製品」「新商品」を表す言葉として使われることも多くあります。
ニューカマーの対義語・反対語としては、社会や集団に古くからいる人を意味する「古株」、古くから用いられており新鮮味のないことを意味する「古手」があります。
ニューカマーの類語・類義語としては、新しく仲間に加わった人を意味する「新参者」、新しく仲間入りした人を意味する「新顔」、新人選手や新入社員を意味する「ルーキー」、新入生や初心者を意味する「フレッシャー」などがあります。
オールドカマーの意味
オールドカマーとは、20世紀半ば以前から日本に在留している外国人を意味しています。
オールドカマーを使った分かりやすい例としては、「オールドカマーの人たちが日本に来た理由を思うと歴史を学ぶべきと思わされる」「今ではオールドカマーと呼ばれる人たちはほとんど日本人と言える気がする」などがあります。
その他にも、「オールドカマーの7割の人が差別を受けたと感じたと回答したそうだ」「オールドカマー問題の課題は深刻化していると聞いた」「ニューカマーとオールドカマーの問題も挙げられる」などがあります。
オールドカマーは英語で「oldcomer」「old-timer」と表記され、「古参」「古株」といった意味を持つ言葉です。日本語では、第二次世界大戦が終結するよりも前に日本へとやってきて長期滞在している外国人やその子孫を指す言葉として用いられています。
そのため、オールドカマーの多くは朝鮮半島や台湾出身者が多いとされており、国を問わず1980年代以降に日本に在留するようになった「ニューカマー」と区別して呼ばれています。
オールドカマーの対義語・反対語としては、今までと違う新しい手段や方法を意味する「新手」があります。
オールドカマーの類語・類義語としては、ずっと前からその職や地位に就いていることを意味する「古参」、古くから社会や仲間にいる人を意味する「古顔」、長年の経験を重ねてきたことでその道に熟達した人を意味する「ベテラン」などがあります。
ニューカマーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、新しく来た人を意味する時などが挙げられます。
例文4や5のように、20世紀半ば以降から長期滞在する日本人を意味する言葉としても使われています。
オールドカマーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、20世紀半ば以前から日本に在留している外国人を意味する時などが挙げられます。
どの例文のオールドカマーも、古くから在留している外国人に対して使われており、広義的に古顔や古株を表す言葉としては使われていません。
ニューカマーとオールドカマーは、どちらも「日本に長期滞在している外国人」を表します。
どちらを使うか迷った場合は、20世紀半ば以降から日本に滞在している外国人を表す場合は「ニューカマー」を、20世紀半ば以前から日本に滞在している外国人を表す場合は「オールドカマー」を使うと覚えておけば間違いありません。