【知らん顔】と【知らんぷり】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「知らん顔」(読み方:しらんかお)と「知らんぷり」(読み方:しらんぷり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「知らん顔」と「知らんぷり」という言葉は、どちらも関わらない態度のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「知らん顔」と「知らんぷり」の違い

「知らん顔」と「知らんぷり」の違いを分かりやすく言うと、「知らん顔」は表情や態度のありさまを示すこと、「知らんぷり」は意図的に知らないふりをする行動を示すことという違いです。

一つ目の「知らん顔」を使った分かりやすい例としては、「彼は問題が起きても知らん顔でその場を立ち去った」「周囲が騒いでいるのに彼女は知らん顔で本を読み続けていた」「子どもが転んでも親が知らん顔をしているのは困る」などがあります。

二つ目の「知らんぷり」を使った分かりやすい例としては、「彼は自分のミスだと分かっているのに知らんぷりを決め込んだ」「駅で財布を拾っても、誰も持ち主を探さずに知らんぷりしていた」「責任の所在を尋ねられると皆が知らんぷりをしてしまった」などがあります。

「知らん顔」と「知らんぷり」はどちらも関わらない態度のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「知らん顔」は主に表情や外面的な態度を指します。たとえば「彼は問題の前で知らん顔をしていた」のように、見た目や振る舞いが平然としていることを表現する言葉で、必ずしも強い悪意や計算があるとは限りません。無関心そうに見えるが内心は別という場合にも使えます。

一方、「知らんぷり」は「知らないふりをする」ことに焦点があり、意図的に無関係を装うニュアンスが強い言葉です。たとえば「彼は証拠があるのに知らんぷりをした」のように、責任逃れや面倒ごとを避けるために敢えて知らないと言う行為を指します。

つまり、表情や態度のありさまを示すのが「知らん顔」、意図的に知らないふりをする行動を示すのが「知らんぷり」と覚えておきましょう。

「知らん顔」を英語にすると「to look unconcerned」「to act indifferent」「to put on a blank face」などとなり、例えば「彼は問題が起きても知らん顔で立ち去った」を英語にすると「He walked away, looking unconcerned about the problem」となります。

一方、「知らんぷり」を英語にすると「to feign ignorance」「to pretend not to know」「to play dumb」などになり、例えば「彼は自分のミスだと分かっているのに知らんぷりを決め込んだ」を英語にすると「Even though he knew it was his mistake, he feigned ignorance.」となります。

「知らん顔」の意味

「知らん顔」とは、そんな事は知らないという顔つきのことを意味しています。

「知らん顔をする」「知らん顔を決め込む」などが、「知らん顔」を使った一般的な言い回しになります。

「知らん顔」を使った分かりやすい例としては、「彼は注意されても知らん顔をしていた」「友達が困っていても知らん顔をして通り過ぎた」「母が怒っているのに父は知らん顔を決め込んでいる」などがあります。

「知らん顔」は、関係があることなのに、まるで自分には関係ないかのように振る舞うことを意味する言葉です。つまり、「知っているけれど無関心を装う」「関わりたくないので意図的に無視する」といった態度を表します。

「知らん顔」は、周囲の出来事や人の気持ちに対して無関心である、あるいはあえて関与しない様子を表すため、基本的には冷淡でマイナスなイメージを与える言葉です。

特に、人の助けを必要とする場面やトラブルのときに「知らん顔」をしていると、「思いやりがない」「非協力的」と受け取られやすいと覚えておきましょう。

ただし、場合によっては「余計な争いに巻き込まれないようにする」「あえて見て見ぬふりをする」といった、自己防衛的なニュアンスで使われることもあります。

「知らん顔」は主に日常会話で使われる口語的な表現です。ビジネス文書やフォーマルな場ではあまり用いられませんが、会話の中では「彼はいつも知らん顔だね」「そんな知らん顔しないでよ」といった形で、軽い皮肉や注意を込めて使われることが多いです。

「知らん顔」の類語・類義語としては、同じく知っているのに知らないそぶりを見せる「素知らぬ顔」があります。

「知らんぷり」の意味

「知らんぷり」とは、知っていながら知らないふりをすることを意味しています。

「知らんぷりをする」「知らんぷりを決め込む」などが、「知らんぷり」を使った一般的な言い回しになります。

「知らんぷり」を使った分かりやすい例としては、「彼は私の話を聞いていたのに知らんぷりをした」「落としたペンを拾ってくれず知らんぷりされた」「先生に呼ばれたのに知らんぷりを決め込むなんて生意気だ」などがあります。

「知らんぷり」は、知っていながら知らないふりをすること、あるいはわざと無関心を装うことを意味する言葉です。実際には事情を理解しているのに、あたかも自分には関係がないように振る舞うときに使われます。

「知らんぷり」は、「知らん顔」と比べると、より意識的で計算的に無視しているニュアンスを持っています。つまり、相手に気づかないふりをして距離を置いたり、わざと反応しないようにしているときに使われる言葉です。

そのため、「知らんぷり」はマイナスなイメージで使われているというのが特徴になります。
ただし、あえて関わらないほうがよい状況では、「知らんぷりをしてやり過ごす」といった、賢明な対応を表すこともあると覚えておきましょう。

「知らんぷり」は主に日常会話や小説などで使われる言葉で、フォーマルな場ではあまり用いられません。「あの人、知らんぷりしてたね」「知らんぷりするなんてひどい」といったように、感情を含めて使われることが多い表現です。

「知らんぷり」の類語・類義語としては、知っていながら知らないふりをすることを意味する「素知らぬ顔」、関わりを避けるように振る舞うことを意味する「知らん顔」などがあります。

「知らん顔」の例文

1.周りが慌てて片付けをしているのに、彼だけは知らん顔をしてスマホをいじっていました。
2.先生が質問しても、生徒たちはみんな下を向いて知らん顔を決め込んでいました。
3.同僚が困っているのを見ても知らん顔をして通り過ぎる人が多くて、少し寂しく感じました。
4.騒ぎの原因を作ったのに、まるで自分は関係ないかのように知らん顔をしていました。
5.彼は誰かが注意されていても知らん顔で、その場の空気を読まないタイプの人です。

この言葉がよく使われる場面としては、そんな事は知らないという顔つきのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「知らん顔」は表情や態度のありさまを示す時に使う言葉です。

「知らんぷり」の例文

1.明らかに自分のミスなのに、彼は最後まで知らんぷりを通していたのが印象的でした。
2.財布を拾っても知らんぷりをして通り過ぎる人が多いのは、少し悲しいことだと思います。
3.子どもが困っているのを見て知らんぷりする大人が増えたように感じてしまいました。
4.先生に呼ばれても知らんぷりして席を立たない彼の態度に、教室が静まり返りました。
5.注意されても知らんぷりして笑ってごまかすような姿勢は、社会人としてよくありません。

この言葉がよく使われる場面としては、知っていながら知らないふりをすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「知らんぷり」は意図的に知らないふりをする行動を示す時に使う言葉です。

「知らん顔」と「知らんぷり」はどちらも関わらない態度のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、表情や態度のありさまを示すのが「知らん顔」、意図的に知らないふりをする行動を示すのが「知らんぷり」と覚えておきましょう。

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