【騙る】と【驕る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た漢字を持つ「騙る」(読み方:かたる)と「驕る」(読み方:おごる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「騙る」と「驕る」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「騙る」と「驕る」の違い

「騙る」と「驕る」の意味の違い

「騙る」と「驕る」の違いを分かりやすく言うと、「騙る」とは金品を騙し取ること、「驕る」とは地位、権力、財産、才能などを誇って思い上がった振る舞いをすることという違いです。

「騙る」と「驕る」の使い方の違い

一つ目の「騙る」を使った分かりやすい例としては、「最近は高齢者相手に騙る事件が増えてきたので気を付けた方がいいだろ」「他人の名前を騙るのは良くないことです」「母の名を騙る詐欺師がいる」などがあります。

二つ目の「驕る」を使った分かりやすい例としては、「彼は大金持ちになっても驕ることがない素晴らしい人です」「驕ることなく謙虚に生きていたいです」「連勝したことにより驕ってしまいプレーに甘さがある」「成功しても驕ってはいけません」などがあります。

「騙る」と「驕る」の使い分け方

「騙る」と「驕る」は似た漢字を持つ言葉ですが、意味は全く異なっているので間違えないように注意しましょう。

「騙る」は「大金を騙る」「他人の名前を騙る」などのように、金品を騙し取ることや地位や名前などを偽ることの意味で使う言葉です。

一方、「驕る」は「彼は成功するとすぐ驕る」「勝利に驕る」などのように、地位、権力、財産、才能などを誇って思い上がった振る舞いをすることの意味で使います。

「騙る」と「驕る」の英語表記の違い

「騙る」を英語にすると「swindle」となり、例えば上記の「母の名を騙る詐欺師がいる」を英語にすると「A swindler who assumed my mother’s name」となります。

一方、「驕る」を英語にすると「be arrogant」「be puffed up」となり、例えば上記の「成功しても驕ってはいけません」を英語にすると「Don’t let success go to your head」となります。

「騙る」の意味

「騙る」とは

「騙る」とは、金品を騙し取ることを意味しています。その他にも、地位や名前などを偽ることの意味も持っています。

表現方法は「騙るな」「他人を騙る」

「騙るな」「他人を騙る」などが、「騙る」を使った一般的な言い回しになります。

「騙る」の使い方

「美味しい話に乗ったら金品を騙られてしまいました」「最近は大金を騙る事件が増えているので気を付けるようにしよう」などの文中で使われている「騙る」は、「金品を騙し取ること」の意味で使われています。

一方、「彼は有名人の名を騙っている」「最近は警察を騙った詐欺事件が多発している」などの文中で使われている「騙る」は、「地位や名前などを偽ること」の意味で使われています。

「騙る」の「騙」は騙すことや嘘を吐くことを意味しており、これが派生して「騙る」と言うようになりました。また、「騙る」は二つの意味を持つ言葉ですが、どちらともマイナスなイメージで使う言葉です。

現代では他人や他社を騙ったり、金品を騙る事件が数多く起きているので、犯罪に巻き込まれないように注意しましょう。

「騙る」の類語

「騙る」の類語・類義語としては、嘘を言って本当でないことを本当であると思い込ませることを意味する「騙す」、計略にかけることを意味する「謀る」、言葉巧みに嘘を言って相手に本当だと思わせることを意味する「欺く」などがあります。

「驕る」の意味

「驕る」とは

「驕る」とは、地位、権力、財産、才能などを誇って思い上がった振る舞いをすることを意味しています。

表現方法は「驕ることなく謙虚に」「驕るな」

「驕ることなく謙虚に」「驕るな」などが、「驕る」を使った一般的な言い回しになります。

「驕る」の使い方

「驕る」を使った分かりやすい例としては、「彼は人を人とも思わない驕った態度をしている」「彼女はすぐ驕るから苦手です」「彼は勝利に驕っている」「彼は驕ることがない素晴らしい性格をしています」などがあります。

「驕る」は思いあがった人に対して使う言葉なので、マイナスなイメージでしか使われません。また、自分自身に対して使う言葉ではなく、基本的に人に対して使う言葉になります。ただし、「あの頃の自分は驕っていた」のように、過去を振り返った場合には自分に対して使うことが可能です。

自分のお金で人にご馳走することを意味する「おごる」という言葉はよく使われていますが、その漢字は「奢る」になります。同じ発音であっても「驕る」とは意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。

「驕る」の対義語

「驕る」の対義語・反対語としては、相手を敬って自分を控えめにすることを意味する「謙る」があります。

「驕る」の類語

「驕る」の類語・類義語としては、威勢を張って偉そうにすることを意味する「威張る」、相手が寛大なのをいいことにしてわがままを言ったり思いあがったことをしたりすることを意味する「付け上がる」、思い上がった態度を取ることを意味する「高ぶる」などがあります。

「騙る」の例文

1.最近この辺りでは高齢者に対して騙る事件が増えてきているので、警察が注意するように呼びかけている。
2.美味しい投資に手を出したら実は裏があり、大金を騙られてしまった。
3.他人の名前を騙りトラブルが起きた場合は、罪に問われる可能性があります。
4.弊社名を騙る不審なWEBサイトにご注意くださいとアナウンスを出しました。
5.最近はSNSで他人を騙る、なりすまし行為が流行っているので、騙されないようにしよう。
6.大学の友人がジャニーズアイドルを騙る変な詐欺に引っかかってクレジットカードの不正利用の被害にあった。
7.近所の人の話なのだが、先日市役所職員を騙る人から介護保険の還付金がありますと言われて、お金をだまし取られてしまったのだそうだ。
8.この事件の真相は誰かがわたしの名前を騙ったことで、その矛先がわたし本人に向かって来ているのではないかということだ。
9.敵対グループには本名を知られるのはまずいと思い、他人の名前を騙って現場に潜入してみることにした。
10.正義を振りかざして善人を騙る人間より、本当に守りたいものがあるために悪役を演じている人間の方が信用できる。

この言葉がよく使われる場面としては、金品を騙し取ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、地位や名前などを偽ることを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「騙る」は金品を騙し取ること、例文3から例文5の「騙る」は地位や名前などを偽ることの意味で使っています。

「驕る」の例文

1.彼は未熟な部分も多いですが、真っ直ぐで驕ることがない人なので、将来に期待している。
2.いつも行列ができているからといって、店長が驕っているカレー屋には行きたくありません。
3.優しかったか彼は、権力を手にした途端驕るようになってしまいました。
4.彼女は穏やかで物事に頓着しない性格で、少しも驕ることがありませんでした。
5.自らの美しさに驕る人も多いので、美人は性格が悪いという風潮があるのだろう。
6.彼は会社員時代は重要な役職についていたとかで、介護施設にいても序列を持ち込み驕った言動が多いので、入居者から嫌われている。
7.若いうちに成功しちゃったら、いくら驕るなといっても、それは無理ですよ。人生楽勝って思っても仕方ないという気もします。
8.師匠から驕ることなく謙虚にとあれほど言われていたのに、彼はその精神を忘れてしまったのだろうか。
9.男は出資者が人を人とも思わない驕った態度をしていたものだから、その場で言い争ってしまい出資の話はなくなってしまう。
10.会社を退職しても周りに部長面して驕っているおじさんがいるが、あぁいう人ほど人は寄り付かなくなるだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、地位、権力、財産、才能などを誇って思い上がった振る舞いをすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「驕る」はマイナスなイメージで使うことが多い言葉です。

「騙る」と「驕る」は似た漢字ですが、意味は全く異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、「騙る」は金品を騙し取ること、「驕る」は地位、権力、財産、才能などを誇って思い上がった振る舞いをすることと覚えておきましょう。

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