【無礼講】と【タメ口】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「無礼講」(読み方:ぶれいこう)と「タメ口」(読み方:ためぐち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「無礼講」と「タメ口」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「無礼講」と「タメ口」の違い

「無礼講」と「タメ口」の意味の違い

「無礼講」と「タメ口」の違いを分かりやすく言うと、「無礼講」とは身分や地位の差や礼儀作法を無視して行う宴会のこと、「タメ口」とは年下の者が年長者に対等の話し方をすることという違いです。

「無礼講」と「タメ口」の使い方の違い

一つ目の「無礼講」を使った分かりやすい例としては、「今夜は無礼講でいきましょう」「無礼講だからといって敬意を欠いていいわけではありません」「無礼講で行なわれた納涼会はとても盛り上がりました」「無礼講なので楽しみましょう」などがあります。

二つ目の「タメ口」を使った分かりやすい例としては、「同期とは仲が良いのでタメ口で話す間柄です」「公の場でタメ口だなんて礼儀がなっていない人だ」「上司からタメ口を注意されました」「タメ口で話してくれていいですよ」などがあります。

「無礼講」と「タメ口」の使い分け方

「無礼講」と「タメ口」は似ている言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。

「無礼講」とは身分や地位の差や礼儀作法を無視して行う宴会のこと、つまり上下関係や身分を無視した宴会を指す言葉です。ただし、身分を無視したからといって失礼なことをしていいわけではないので注意しましょう。

一方、「タメ口」は年下の者が年長者に対等の話し方をすること、つまり親しい人同士のような話し方をする言葉です。

「無礼講」と「タメ口」の英語表記の違い

「無礼講」を英語にすると「loosen up」「Let’s do without the formalities」となり、例えば上記の「無礼講なので楽しみましょう」を英語にすると「Let’s do without the formalities and just enjoy ourselves」となります。

一方、「タメ口」を英語にすると「You don’t have to be so formal」となり、例えば上記の「タメ口で話してくれていいですよ」を英語にすると「You don’t have to be so formal when you speak to me」となります。

「無礼講」の意味

「無礼講」とは

「無礼講」とは、身分や地位の差や礼儀作法を無視して行う宴会のことを意味しています。

「無礼講」の読み方

「無礼講」の読み方は「ぶれいこう」です。誤って「むれいこう」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「無礼講でお願いします」「無礼講です」

「無礼講でお願いします」「無礼講です」などが、無礼講を使った一般的な言い回しです。

「無礼講」の使い方

「無礼講」を使った分かりやすい例としては、「本日は無礼講なので楽しみましょう」「無礼講だからといって失礼なことをしていいわけではありません」「無礼講で行なわれた飲み会はとても盛り上がりました」などがあります。

「無礼講」とは身分や地位の差や礼儀作法を無視して行う宴会のこと、つまり上下関係や身分を無視した宴会を指す言葉です。

「無礼講」は主に宴会の挨拶などで、「本日は無礼講なので楽しみましょう」のように使います。これは、身分や地位などの関係を無視しして今日の宴会を楽しんでくださいという意味になります。

したがって、「無礼講」を使うことができるのは、目上の人になります。目下の人が「今日は無礼講でいきましょう」などど使うのは失礼なので、使わないように注意しましょう。

また、目下の人は宴会後に「無礼講失礼しました」などを使うことによって、相手に良い印象を与えることができます。

「無礼講」を使う上で注意しなければいけないのは、身分や地位などの関係を無視していいからといって、失礼なことをしていいわけでないという点です。あくまで、上下関係なく宴会を楽しもうという言葉で、タメ口などを使っていいという言葉を指しているわけではないと覚えておきましょう。

「無礼講」の語源

「無礼講」の語源は神事です。神事とは神を祭る行事や祭典のことで、神と人が一緒に同じものを食べたり飲んだりしてお祭りをします。また、神事の中の一つに神様に奉納したお酒を参列者が飲むという礼講という儀式がありました。

そして、この礼講のあとに神様抜きで行われる宴会のことを「無礼講」と呼び、地位に関係なくお酒をみんなで飲み回していたそうです。

また、鎌倉時代に後醍醐天皇が討幕を図って、上下関係を取り払って酒を酌み交わす宴席を設けました。これらが転じて、身分や地位の差や礼儀作法を無視して行う宴会のことを「無礼講」と言うようになりました。

「無礼講」の対義語

「無礼講」の対義語・反対語としては、参会者が礼儀正しさを崩さない集会のことを意味する「慇懃講」(読み方:いんぎんこう)があります。

「無礼講」の類語

「無礼講」の類語・類義語としては、堅苦しい態度を捨てて打ち解けることを意味する「裃を脱ぐ」(読み方:かみしもをぬぐ)、人と打ち解けた付き合いをすることを意味する「城府を設けず」、思っていることをすっかり打ち明けることを意味する「胸襟を開く」などがあります。

「タメ口」の意味

「タメ口」とは

「タメ口」とは、年下の者が年長者に対等の話し方をすることを意味しています。

「タメ口」の読み方

「タメ口」の読み方は「ためぐち」です。誤って「ためくち」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「タメ口でいいよ」「タメ口をきく」「タメ口をたたく」

「タメ口でいいよ」「タメ口をきく」「タメ口をたたく」などが、「タメ口」を使った一般的な言い回しになります。

「タメ口」の使い方

「タメ口」を使った分かりやすい例としては、「タメ口で話す相手はきちんと見極める必要があります」「職場でタメ口を使うのは絶対に辞めた方がいいだろう」「先輩にタメ口を使ったら注意されました」「彼女とはタメ口で話すくらい仲が良い」などがあります。

「タメ口」とは年下の者が年長者に対等の話し方をすることを意味する言葉ですが、現代では、親しい人同士での話し方や仲間同士の話し方などの親しさを表現する言葉として使われていることが多いです。

「タメ口」の語源

「タメ口」の語源は賭博のサイコロです。「タメ」は元々、サイコロ賭博で二つの目が同じになるゾロ目のことを意味する言葉でした。「同じ目」のことを「どうめ」と言い、それが「とうめ」→「ため」と変化し、「タメ」という言葉が生まれた言われています。

また、「タメ口」は1960年代に相手と対等、または同等であることを意味する隠語として不良たちの間で広まり、1980年代には一般人の間でも使われるようになりました。

「タメ口」の類語

「タメ口」の類語・類義語としては、遠慮がなさすぎることを意味する「馴れ馴れしい」、友達のような話し方をすることを意味する「友達口調」などがあります。

「無礼講」の例文

1.今日の飲み会は無礼講と言われたが、ハメを外し過ぎないように気を付けよう。
2.今夜は無礼講なので緊張しなくてもいいよと、上司から言われました。
3.無礼講と言われたので好き勝手やったら、後日上司に呼び出されて叱られました。
4.無礼講だったのでハメを外したが、今思うと少し調子乗りすぎていたような気がします。
5.無礼講で行なわれた忘年会は、普段できないような話でとても盛り上がりました。
6.どうも無礼講と無節操を履き違えている者が年齢を問わずいるようで、今夜は無礼講でというと、セクハラまがいのことをする輩が必ずいる。
7.上司の言う「今日は無礼講でいいよ」とは、敬語を使わないでいいという意味では決してないことを忘れてはならない。
8.上司は今日は無礼講でいいからと言っていたが、周りの部下たちはその発言を信じることなく警戒していました。
9.社長が忘年会は無礼講でと言ったのである社員が調子に乗って社長の名前を呼び捨てで呼んだら、半年後に人事異動させられていました。
10.7月に行われた納涼会は社長たっての要望で無礼講で行われて、社員一同、飲めや食えやの大騒ぎで非常に盛り上がりました。

この言葉がよく使われる場面としては、身分や地位の差や礼儀作法を無視して行う宴会のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「無礼講」はビジネスシーンでよく使われる言葉です。

「タメ口」の例文

1.初対面なのにタメ口で話す人とは、あまり仲良くなれそうにありません。
2.彼女とは年齢は少し違うが同期入社なので、話す時はいつもタメ口です。
3.職場でもタメ口が多い部下に、マナー講座を行なうことにしました。
4.先輩芸人にもタメ口で話すという若手芸人が、最近のテレビやネット上でとても人気です。
5.入社当時はタメ口しか話せなかった彼は、今では部長になって部下を指導している。
6.彼は誰にでもタメ口で話すのでハラハラしてしまうが、偉い人の中にはおもしろがる人もいて、いつの間にかかわいがられているのを見ると少しうらやましく思ってしまう。
7.最近の若者は距離を置きたい人には敬語で、年上でも仲良くなりたい人にはタメ口で話す傾向があると聞き、なるほどと納得してする部分もあった。
8.転職先の調子が同い年で、暫くしてタメ口でいいよと言われたが、おいそれと出来ることではなかった。
9.同級生が後輩がタメ口を叩いてきたからという理由で殴る蹴るの暴行を加えたが、それはあまりにやり過ぎではないかと思いました。
10.同僚は年上とみられる社員にタメ口をきいているので、私が厳しく注意したら、あれは今度入った新人だと言われて呆気に取られてしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、年下の者が年長者に対等の話し方をすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「タメ口」は友人と接する時と同じような話し方をする人に対して使う言葉です。

「無礼講」と「タメ口」は似ていますが少し意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、身分や地位の差や礼儀作法を無視して行う宴会のことを表現したい時は「無礼講」を、年下の者が年長者に対等の話し方をすることを表現したい時は「タメ口」を使うと覚えておきましょう。

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