似た意味を持つ「匹敵」(読み方:ひってき)と「同等」(読み方:どうとう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「匹敵」と「同等」という言葉は、どちらも「同じくらいであるさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
匹敵と同等の違い
匹敵と同等の違いを分かりやすく言うと、匹敵とは相対的に力や規模などが同じであること、同等とは客観的にレベルや内容が同じであることという違いです。
一つ目の匹敵を使った分かりやすい例としては、「成長期の子供に匹敵する量のご飯を食べている」「AI翻訳はプロ翻訳者に匹敵するほど正確だ」「SNSにはマスメディアに匹敵するパワーがあります」などがあります。
二つ目の同等を使った分かりやすい例としては、「あらゆる場面で男性と女性を同等に扱うべきです」「特定技能外国人の待遇を日本人と同等以上にする」「エクセルを用いて同等性検定を行うことができます」などがあります。
匹敵と同等という言葉は、どちらも優劣なく同じくらいであるさまを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
匹敵とは、能力や価値あるいは規模などが同程度であることを意味します。おもに「~に匹敵する」の使い方で、競い合う相手に対抗できる力があることを相対的に表現します。何かと比べた時に、見劣りしないことを示す際に使われることが多い言葉です。
同等とは、二つ以上の物事が、同じ程度であったり同じレベルであることを意味します。同じくらいであることを客観的に示す言葉であり、「同等性検定」とは、2つの製品の性能がほぼ同じであることを証明する手法です。
つまり、匹敵とは比較すると能力や規模などが同じであることを表し、同等とはレベルや内容が同じであることを客観的に表します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
匹敵を英語にすると「equalling」「compare」「parallel」となり、例えば上記の「匹敵する量」を英語にすると「comparable amount」となります。
一方、同等を英語にすると「equally」「equivalence」「parity」となり、例えば上記の「同等に扱う」を英語にすると「treat equally」となります。
匹敵の意味
匹敵とは、比べてみて能力や価値などが同程度であること、肩を並べることを意味しています。
匹敵を使った分かりやすい例としては、「世界の難民数は日本の人口に匹敵する」「王室に匹敵する勢力が台頭してきた」「今の僕にはあの人と匹敵するほどの力があります」「彼の英語の能力に匹敵する人はいません」などがあります。
その他にも、「彼女の料理の腕前は一流シェフに匹敵する」「新興国は先進国と匹敵する経済力をつけてきた」「去年の優勝チームと匹敵するほどの実力をつけた」「業界のトップとも匹敵するほどの実力者です」などがあります。
匹敵の読み方は「ひってき」です。誤って「ひきてき」「ひつてき」などと読まないようにしましょう。
匹敵の「匹」は対になる相手を表し、「敵」は争いの相手や対等に張り合うことを表す漢字です。匹敵とは、競争相手としてちょうど同じぐらいであることを意味し、同じような勢いや力をもつことを表します。
匹敵という言葉の語源は、「匹」と「敵」の漢字に由来します。「匹」は、馬の尻の形から対を数える意味で使われ、それが転じて「対等であること」を示し、「敵」は同等に戦える相手であるライバルを表します。これらが合わさり、対等な相手と肩を並べるという意味で使われるようになりました。
匹敵の対義語・反対語としては、二つの間に大きな差違のあるたとえを意味する「雲泥」などがあります。
匹敵の類語・類義語としては、肩を並べることや同等であることを意味する「比肩」(読み方:ひけん)、双方の力量が同じ程度で優劣の差がないことを意味する「互角」、力がつりあっていて優劣のつけがたいことを意味する「伯仲」、双方とも優劣がないことを意味する「五分五分」などがあります。
同等の意味
同等とは、程度・等級などが同じであることを意味しています。
その他にも、「数学で、二つの命題が同一の内容を言い表わしていること」の意味も持っています。
「同等品認定の方法を教えてください」「同等性検定のやり方を確認する」「同等比較の構文を使って英語の文章を作りなさい」などの文中で使われている同等は、「程度・等級などが同じであること」の意味で使われています。
一方、「同等性を証明する方法は大きく2通りあります」「与えられた論理式を同等な別の論理式に置き換える」などの文中で使われている同等は、「数学で、二つの命題が同一の内容を言い表わしていること」の意味で使われています。
同等とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「程度や等級などが同じであること」の意味で用いられています。同等の「同」は二つ以上の物事が共通性を持っていることを表し、「等」は物事の格付けを指す漢字です。
同等を用いた日本語には「現金同等物」があります。現金同等物とは、容易に換金でき、価格の変動によるリスクの少ない短期投資を意味する金融用語です。満期が3か月以内の定期預金、譲渡性預金、公社債投信などがこれにあたります。
同等の対義語・反対語としては、資格や等級などの違いを意味する「格差」などがあります。
同等の類語・類義語としては、相対する双方の間に優劣や高下などの差のないことを意味する「対等」、地位や待遇などが同じであることを意味する「同列」、階級や等級が同じであることを意味する「同級」、二つのものがほとんど同じで差がないさまを意味する「とんとん」などがあります。
匹敵の例文
この言葉がよく使われる場面としては、同程度であること、つりあうことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にある「匹敵する」とは、能力や価値あるいは実力などが相手と同じくらいで、互角に渡り合えることを意味します。
同等の例文
この言葉がよく使われる場面としては、等級が同じであること、程度が同じであること、数学で同値を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4の同等は、「等級や程度が同じであること」の意味で用いられています。例文5の同等は、「数学における同値」の意味で使われています。
匹敵と同等という言葉は、どちらも「同じであるさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、能力や規模などが同じであることを相対的に表現したい時は「匹敵」を、レベルや内容が同じであることを客観的に表現したい時は「同等」を使うようにしましょう。