【監視】と【観察】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「監視」(読み方:かんし)と「観察」(読み方:かんさつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「監視」と「観察」という言葉は、どちらも「注意深く見ること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




監視と観察の違い

監視と観察の違いを分かりやすく言うと、監視とは警戒して注意深く見ること、観察とは研究や興味のために注意深く見ることという違いです。

一つ目の監視を使った分かりやすい例としては、「誰かに監視されている気がする」「屋内用の監視カメラを探しています」「監視カメラの耐用年数はそれぐらいですか」「スマホ連携タイプの家庭用監視カメラが売れています」などがあります。

二つ目の観察を使った分かりやすい例としては、「彼女は鋭い観察力の持ち主です」「家庭裁判所の審判で保護観察処分となりました」「看護師には観察力が求められます」「観察眼がある人は問題解決力に優れています」などがあります。

監視と観察という言葉は、どちらも人や事物を注意深く見ることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

監視とは、警戒して対象の人や物を継続的に見張ることを意味します。監視の目的は不正防止や異常検知などで、特定の個人や場所あるいはITシステムなどが対象になります。「監視カメラ」とは、特定の場所や人物を監視する役割で設置されるカメラのことです。

観察とは、事物のありのままの現象を注意深く見極めることを意味し、研究や学習あるいは興味のために行われるものです。人に対して行われることもあり、「人間観察」とは、人の表情や言動などを注意深く見て、その人の内面や状況を理解しようする行為です。

つまり、監視とは警戒して注意深く見ることを表し、観察とは研究や興味のために注意深く見ることを表現します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

監視を英語にすると「visual inspection」「supervising」「monitoring」となり、例えば上記の「監視されている」を英語にすると「be monitored」となります。

一方、観察を英語にすると「observation」「supervision」「view」となり、例えば上記の「鋭い観察力」を英語にすると「keen powers of observation」となります。

監視の意味

監視とは、警戒して見張ること、また、その人を意味しています。

その他にも、「旧刑法で、出獄者の再犯防止のために採用されていた付加刑」の意味も持っています。

「屋外用の監視カメラを注文する」「部屋に小型の監視カメラが設置されていました」「あれはダミーの監視カメラかもしれない」「防犯カメラ作動中のステッカーを貼っています」などの文中で使われている監視は、「警戒して見張ること、その人」の意味で使われています。

一方、「警察監視は廃止されました」「警察官が犯罪者を監視する」「罪を犯した男は監視6ヶ月の刑に処された」などの文中で使われている監視は、「旧刑法で、出獄者の再犯防止のために採用されていた付加刑」の意味で使われています。

監視とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、一般的には「警戒して見張ること、その人」の意味で用いられています。監視の「監」は見張ることや取り締まる役人を表し、「視」は気をつけてよく見ることを表す漢字です。

監視を用いた日本語には「死活監視」(読み方:しかつかんし)があります。死活監視とは、コンピューターやネットワークシステムが稼働しているかどうかを外部から継続的に監視するこを意味します。「生死監視」とも言います。

監視の対義語・反対語としては、あるものをないがごとくみなすことを意味する「無視」などがあります。

監視の類語・類義語としては、目を配って番をする人を意味する「見張り」、警官が犯人の立ち回り先などにいて見張ることを意味する「張り込み」、油断なく監視することや厳重に見張りをすることを意味する「目を光らす」などがあります。

観察の意味

観察とは、物事の状態や変化を客観的に注意深く見ることを意味しています。

その他にも、「仏語、智慧によって対象を正しく見極めること」の意味も持っています。

「彼は観察眼と分析力を備えています」「後ろ向き観察研究が始まりました」「英語の授業中に好きな子を観察していました」などの文中で使われている観察は、「物事の状態や変化を客観的に注意深く見ること」の意味で使われています。

一方、「瞑想を通して心身を観察する」「精神を集中して自己の心の中を観察する」「観察することは中道の正見に住することである」などの文中で使われている観察は、「仏語、智慧によって対象を正しく見極めること」の意味で使われています。

観察とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を判断する必要があります。観察の「観」は対象を眺めて見ることや道理を悟ること、「察」は調べて明らかにすることや推し量ることを表します。

観察を用いた日本語には「保護観察」があります。保護観察とは、犯罪者に対して、改善や更生を助けるために、社会内において国家機関による指導監督および補導援護を行う処遇です。ふつう、法務省職員の保護観察官が立てた計画に沿って保護司が処遇に当たります。

観察の対義語・反対語としては、短い時間でちらっと見ることを意味する「一瞥」(読み方:いちべつ)などがあります。

観察の類語・類義語としては、物事を観察して本質や奥底にあるものを見抜くことを意味する「洞察」、くわしく観察や考察をすることを意味する「精察」、はっきりと真相や事態を見抜くことを意味する「明察」などがあります。

監視の例文

1.自宅に設置している監視カメラは、スマホに連動しているのでいつでもチェックできます。
2.勤怠管理に課題を感じているのですが、テレワーク中の従業員を監視する方法はありますか。
3.システムなどITツールの安定した運用に、死活監視は欠かせないものになっています。
4.Windowsでのサービス監視の手順について、インターネットで調べています。
5.明日は英語のテストがあるので、息子が遊びに行かないよう監視しています。

この言葉がよく使われる場面としては、警戒して見張ること、見て取り締まることなどが挙げられます。

例文4にある「サービス監視」とは、ネットワーク上で展開しているサービスの稼働状況を監視することです。

観察の例文

1.観察力がある人が向いている仕事の一つに、心理カウンセラーが挙げられます。
2.顕微鏡を用いると、肉眼では捉えられない小さな物体を観察することができます。
3.ネイティブの口の動きを観察して真似れば、英語をきれいに発音できるようになるだろうか。
4.手術後の経過観察は、外来での定期検診を3~6ヶ月に1回を基本に行います。
5.仏さまの世界を観察することにより、自分自身の心を正しくありのままに見つめることができるようになるでしょう。

この言葉がよく使われる場面としては、事物のありのままの現象を注意深く見極め客観的な知識を得ること、智慧によって対象となるものを正しく見極めることを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「経過観察」とは、手術や治療の後に予後をみるため、定期的に診察を行うことを意味します。

監視と観察という言葉は、どちらも「注意深く見ること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、警戒して注意深く見ることを表現したい時は「監視」を、研究や興味のために注意深く見ることを表現したい時は「観察」を使うようにしましょう。

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