【いきなり】と【突然】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「いきなり」と「突然」(読み方:とつぜん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「いきなり」と「突然」という言葉は、どちらも何の前触れもなく急に事が起きることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「いきなり」と「突然」の違い

「いきなり」と「突然」の意味の違い

「いきなり」と「突然」の違いを分かりやすく言うと、「いきなり」は順番が狂った場面でも使える、「突然」は順番が狂った場面では使えないという違いです。

「いきなり」と「突然」の使い方の違い

一つ目の「いきなり」を使った分かりやすい例としては、「彼がいきなり怒鳴り始めました」「彼女はいきなり立ち上がりました」「いきなり会社から解雇を言い渡されてしまいました」「彼女はいきなり部屋から飛び出しました」などがあります。

二つ目の「突然」を使った分かりやすい例としては、「彼らは突然大きな声で叫び始めました」「突然電車が停車したのでびっくりしてしまいました」「突然のお話で戸惑っています」「突然の招集に一抹の不安を覚えた」などがあります。

「いきなり」と「突然」の使い分け方

「いきなり」と「突然」はどちらも何の前触れもなく急に事が起きることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「いきなり」は「テレビが届いたからっていきなり使うのは無理だよ。まずは配線が必要です」のように、順番が狂う場面でも使うことができます。

一方、「突然」は「テレビが届いたからって突然使うのは無理だよ。まずは配線が必要です」のように、順番が狂った場面では使えないというのが違いです。

ただし、「両親がいきなり部屋に入ってきた」「両親が突然部屋に入ってきた」のように、何の前触れもなく急に事が起きるニュアンスで使う場合には、「いきなり」と「突然」どちらも使うことができると覚えておきましょう。

「いきなり」と「突然」の英語表記の違い

「いきなり」を英語にすると「suddenly」「without warning」となり、例えば上記の「彼女はいきなり部屋から飛び出しました」を英語にすると「She dashed out of the room suddenly」となります。

一方、「突然」を英語にすると「sudden」「unexpected」「abrupt」となり、例えば上記の「突然の招集に一抹の不安を覚えた」を英語にすると「The unexpected summons made us slightly uneasy」となります。

「いきなり」の意味

「いきなり」とは

「いきなり」とは、何の前触れもなく急に事が起きることを意味しています。

「いきなり」の漢字表記

「いきなり」を漢字にすると、「行き成り」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「いきなり」を使うようにしましょう。

「いきなり」の使い方

「いきなり」を使った分かりやすい例としては、「路地からいきなり子供が飛び出してきたので急ブレーキを踏みました」「いきなり指名されて面をくらってしまう」「準備運動をしないでいきなりプールに入るのは危険です」などがあります。

「いきなり」は何の前触れもなく急に事が起きることを意味する副詞です。副詞とは、品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。

「いきなり」の特徴

「いきなり」は「いきなり席を立つ」「いきなり前の車が急ブレーキをかける」のように、予想や予期しないことが起こるというニュアンスで使います。

また、「受付も通さずいきなり社長に会いに行くなんて失礼だ」「準備運動をしないでいきなり走ると怪我するよ」などのような手順を踏まないでや途中を飛ばしてという、順番が狂ったというニュアンスでも使うことができると覚えておきましょう。

「いきなり」の類語

「いきなり」の類語・類義語としては、思いがけないことを意味する「不意」、予期しないことが起こることを意味する「出し抜け」などがあります。

「突然」の意味

「突然」とは

「突然」とは、予期しないことが急に起こることを意味しています。

「突然」の使い方

「突然」を使った分かりやすい例としては、「突然バスが急停車しました」「突然大声を出したので何事かと思いました」「突然のお誘いに戸惑っています」「突然の指名に面をくらってしまいました」「突然声をかけられて驚きました」などがあります。

「突然」は予期しないことが急に起こることを意味する副詞です。

「突然」の特徴

「突然」は前触れなしに急に何かが起こるという部分に重きを置いてる言葉になります。そのため、「パソコンが届いたからといって突然使うのは無理だよ」のように、順番が狂った場面で使うことはできません。

「突然」の対義語

「突然」の対義語・反対語としては、動きがゆったりしてのろいことを意味する「緩慢」、順を追ってゆっくりと変化してゆくさまを意味する「だんだん」などがあります。

「突然」の類語

「突然」の類語・類義語としては、急に物事が行われるさまを意味する「急遽」、にわかなさまや突然ある状態が生じるさまを意味する「俄然」、思いがけないことを意味する「不意」、何の前触れもなく急に事が起きるさまを意味する「いきなり」などがあります。

「いきなり」の例文

1.準備運動をしないでいきなり海に入ると危険なので、きちんとストレッチをしてから入るようにしましょう。
2.目の前にいきなり子供が飛び出してきたので、急ブレーキを踏みました。
3.彼は係長からいきなり部長になったので、何か裏があるのではないだろうか。
4.いきなり解雇通知を渡されたので、会社に抗議することにしました。
5.幼稚園がいきなり閉鎖されることが決まり、とても困っています。

この言葉がよく使われる場面としては、何の前触れもなく急に事が起きることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「いきなり」は様々な場面で使うことができる言葉です。

「突然」の例文

1.突然水が出なくなったので、焦って管理会社に電話しました。
2.突然雨が降ってきたので、近くの喫茶店で雨宿りすることにしました。
3.目の前で突然人が倒れたので、すぐに救急車を呼ぶことにしました。
4.知らない人に突然声を掛けられたので、びっくりして逃げてしまいました。
5.突然の出来事であり、彼はショックを隠せない様子でした。

この言葉がよく使われる場面としては、予期しないことが急に起こることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「突然」は様々な場面で使うことができる言葉です。

「いきなり」と「突然」はどちらも何の前触れもなく急に事が起きることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、順番が狂った場面でも使えるのが「いきなり」、順番が狂った場面では使えないのが「突然」と覚えておきましょう。

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