似た意味を持つ「湯船」(読み方:ゆぶね)と「浴槽」(読み方:よくそう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「湯船」と「浴槽」という言葉は、どちらも「入浴用のお湯をためる容器」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
湯船と浴槽の違い
湯船と浴槽の違いを分かりやすく言うと、湯船とは古くから使われてきた表現、浴槽とは現代的な表現という違いです。
一つ目の湯船を使った分かりやすい例としては、「毎晩必ず湯船に浸かるようにしています」「湯船に浸かる理想的な時間は何分ですか」「湯船にじっくり浸かるのが苦手です」「湯船は江戸中の水路や運河を通って移動しました」などがあります。
二つ目の浴槽を使った分かりやすい例としては、「祖父のために浴槽用手すりを設置しました」「我が家の浴槽の栓はプッシュ式です」「浴槽に滑り止めマットを敷いています」「どうしても浴槽の黄ばみが取れません」などがあります。
湯船と浴槽という言葉は、どちらも入浴のためにお湯を溜める容器を意味する同義語ですが、使い方には違いがあります。
湯船とは、入浴で人がつかる湯を入れた大きな容器を意味し、古くから使われてきた表現です。この言葉は江戸時代から用いられ、船に風呂を設置した移動式銭湯のことでした。そのため、風情のあるお湯に浸かる場所というニュアンスを伴います。
浴槽とは、入浴のための湯を入れる大きな容器を意味する現代的な表現です。形態は和風・洋風・和洋折衷タイプがあり、材質はホーロー・人工大理石・ステンレス・木製などがあります。住宅設備や建築用語として一般的に使用される言葉です。
つまり、湯船とは古くから使われてきた言葉であり、浴槽とは現代的な言葉です。二つの言葉は同じものを指しますが、ニュアンスや使い方には違いがあるので区別して使うようにしましょう。
湯船も浴槽も英語にすると「bathtub」「bath」となり、例えば上記の「湯船に浸かる」を英語にすると「soak in the bathtub」となります。
湯船の意味
湯船とは、入浴用の湯を入れ、人がその中に入る大きな箱または桶、浴槽を意味しています。
その他にも、「江戸時代、船内に浴槽を設け、停泊中の船を回り、料金を取って船乗りや客を入浴させた船」の意味も持っています。
「湯船の効果の一つに血行促進があります」「湯船の水道代を節約したいです」「あなたの家の湯船は何リットルに設定してますか」などの文中で使われている湯船は、「入浴用の湯を入れ、人がその中に入る大きな箱または桶」の意味で使われています。
一方、「湯船は移動式の御風呂屋さんでした」「江戸時代の町人たちも湯船を利用していました」などの文中で使われている湯船は、「江戸時代、船内に浴槽を設け、停泊中の船を回り、料金を取って船乗りや客を入浴させた船」の意味で使われています。
湯船は「湯槽」とも書きますが、一般的には「湯船」と表記されています。
湯船の読み方は「ゆぶね」です。誤って「ゆせん」「とうせん」などと読まないようにしましょう。
湯船とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、現代では「入浴用の湯を入れ、人がその中に入る大きな箱または桶」の意味で用いられています。湯船の「湯」は水を沸かして熱くしたものを表し、「船」は人や荷物をのせて水上を進む交通機関を表します。
湯船の語源は、江戸時代の移動式銭湯に由来します。運河の多い江戸で、小さい船に浴槽を設置して、銭湯が少ない地域を巡回する商売がありました。その移動式銭湯から「湯船」という言葉が生まれたと言われています。
湯船の対義語・反対語としては、浴室でからだを洗う所を意味する「洗い場」などがあります。
湯船の類語・類義語としては、入浴するための部屋を意味する「湯殿」、入浴料を取って一般の人を入浴させる浴場を意味する「銭湯」、湯銭を取って入浴させる浴場を意味する「風呂屋」、かまどの上に鉄釜を据え下から火をたいて直接に沸かす風呂を意味する「五右衛門風呂」などがあります。
浴槽の意味
浴槽とは、湯船や風呂桶を意味しています。
浴槽を使った分かりやすい例としては、「浴槽の黒ずみが気になる」「うちの浴槽が何リットルの容量かを計算する」「オキシクリーンで浴槽をきれいにする」「浴槽の配管丸洗浄をやってもらいました」などがあります。
その他にも、「浴槽のエプロンの外し方を調べています」「浴槽の排水溝掃除は週に一度やっています」「浴槽の掃除は子ども達の仕事にしています」「ゴム製の浴槽台をネットで注文しました」などがあります。
浴槽の読み方は「よくそう」です。誤って「よくおけ」「あびおけ」などと読まないようにしましょう。
浴槽の「浴」は訓読みで「あびる」と読み、水や湯などに体をひたすことを表す漢字です。たらいのような容器を表す「槽」と結び付き、浴槽とは、入浴のための湯を入れる槽を意味し、入浴用の湯船や風呂桶を指す言葉です。
浴槽を用いた日本語には「気泡浴槽」があります。気泡浴槽とは、浴槽内に設けた噴出口から気泡と循環湯が噴出してマッサージ効果をもたらす浴槽を意味します。現在使用している浴槽にも気泡浴槽機能を取り付けられる後付タイプのものもあります。
浴槽の対義語・反対語としては、じょうろ状の噴出口から湯や水を注ぎかける装置を意味する「シャワー」などがあります。
浴槽の類語・類義語としては、風呂場やバスルームを意味する「浴室」、入浴するための場所を意味する「浴場」、据え風呂などの焚口の部分を意味する「風呂釜」、浴槽や湯船を意味する「バスタブ」などがあります。
湯船の例文
この言葉がよく使われる場面としては、 入浴用の湯をたたえておく大きな箱や桶、風呂場を設けた小船で船乗りや旅客から金をとって入浴させた移動式の風呂屋を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4の湯船は、入浴用の湯をたたえておく大きな箱を意味し、「浴槽」という言葉に置き換えても問題ありません。例文5にある湯船は、江戸時代に普及した風呂場を設けた小船を意味します。
浴槽の例文
この言葉がよく使われる場面としては、湯をはって入浴するための箱や桶を表現したい時などが挙げられます。
例文3にある「介護浴槽」とは、寝たきりや障害を持つ人などが、安全かつ負担なく入浴できるよう設計された特殊な浴槽のことです。
湯船と浴槽という言葉は、どちらも「入浴用のお湯をためる容器」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、古くからの言葉で表現したい時は「湯船」を、現代的な言葉で表現したい時は「浴槽」を使うようにしましょう。