【全容】と【全貌】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「全容」(読み方:ぜんよう)と「全貌」(読み方:ぜんぼう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「全容」と「全貌」という言葉は、どちらも「全体の姿や内容」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




全容と全貌の違い

全容と全貌の違いを分かりやすく言うと、全容と全貌は意味や使い方の違いはなく、どちらを使っても同じです。

一つ目の全容を使った分かりやすい例としては、「事件の全容が少しずつ明らかになってきました」「巨大噴火の全容を明らかにする」「犯行の全容が明るみに出た」「警察は全容の解明に全力を挙げています」などがあります。

二つ目の全貌を使った分かりやすい例としては、「新政権の全貌を詳しく解説します」「事件の全貌が解明されていない」「導入プロジェクトの全貌が公開されました」「大規模再開発の全貌が見えてきました」などがあります。

全容と全貌という言葉は、どちらも物事の全体の姿や内容のすべてを意味する同義語です。そのため、上記の例文にある「事件の全容」は「事件の全貌」に、「新政権の全貌」は「新政権の全容」に置き換えることができます。

二つの言葉の相違点である「容」は姿かたちや入れた中身を表し、一方の「貌」は容姿や外観を表します。言葉のニュアンスに違いはありますが、「全容」と「全貌」という言葉は区別されずに使用されていることを覚えておきましょう。

全容も全貌も英語にすると「whole aspect」「whole picture」となり、例えば上記の「事件の全容」を英語にすると「the whole picture of the case」となります。

全容の意味

全容とは、全体の姿や形、また、内容のすべてを意味しています。

全容を使った分かりやすい例としては、「速やかに被害の全容を明らかにする」「システムの全容を見える化する」「いつまで経っても全容が見えない」「沈没した船が3年ぶりに全容を現した」などがあります。

その他にも、「全容解明には時間がかかるでしょう」「全容がわからないので何も言えません」「このたびの騒動の全容がやっと見えてきました」「全員から話を聞かなければ全容が見えないだろう」などがあります。

全容の「全」は訓読みで「すべて」と読み、ある範囲内のすべてにわたるさまを表し、「容」は訓読みで「いれる」「すがた」と読み、入れた中身や姿かたちを表します。全容とは、物事の全体の姿や内容を意味します。

全容を用いた日本語には「全容ピペット」があります。全容ピペットとは、「ホールピペット」とも言い、中央部にふくらみをもつピペットのことです。上方に線が一本あり、その線まで液を入れると一定の正確な体積で採取できます。

全容の対義語・反対語としては、一部分を意味する「一端」などがあります。

全容の類語・類義語としては、ある物事のすべてを意味する「全部」、物事の全体を意味する「総体」、ある事柄の全体を意味する「全般」、あらゆることを意味する「万事」、残らず全てのものを意味する「一切合切」などがあります。

全貌の意味

全貌とは、全体の姿、物事の全体のありさまを意味しています。

全貌を使った分かりやすい例としては、「建物の全貌が見えるスポットを探しています」「足場が外されてマイホームの全貌が出現した」「オリンピックの全貌を徹底取材しました」「5年間の英語学習の全貌を告白した」などがあります。

その他にも、「プロジェクトの全貌が明らかになる」「ついに事件の全貌がわかりました」「クリニック経営の全貌を把握する」「いまだ被害の全貌が見えないままです」「裁判で非道の全貌を明らかにすべきです」などがあります。

全貌の読み方は「ぜんぼう」です。誤って「せんぼう」「ぜんほう」などと読まないようにしましょう。

全貌の「貌」は訓読みで「かたち」と読み、顔だちや容姿、物のすがたを表す漢字です。ある範囲内のすべてにわたるさまを表す「全」と結び付き、全貌とは、その物や事の全体の形やありさまを意味します。

全貌という言葉は、一部だけではない全体を強調する言葉です。「全貌が明らかになる」とは、ある事象の隠れた部分を含め、全体像が明らかになった状態を表現しています。「全容」とほぼ同義で使われています。

全貌の対義語・反対語としては、全体をいくつかに分けたものの一つを意味する「部分」などがあります。

全貌の類語・類義語としては、すべての方面やある物事の全体を意味する「全面」、全体のありさまや物事の全部を意味する「全豹」、そっくり全部であるさまを意味する「丸ごと」、成り行きの初めから終わりまでを意味する「一部始終」などがあります。

全容の例文

1.被災地は混乱を極めており、被害の全容をつかむには時間がかかりそうです。
2.首都圏で相次ぐ強盗事件について、警察は全容解明に向けて捜査を進めています。
3.遺産の全容が分からないのに、相続するか放棄するかを決めることはできません。
4.外国からのお客様を連れて、富士山の全容が見えるビュースポットにやってきました。
5.調査の全容を把握していないので、コメントは差し控えさせていただきます。

この言葉がよく使われる場面としては、全体の姿、全体の内容を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、全容の慣用的な言い回し、慣用的な表現には「全容をつかむ」「全容解明」「全容が見える」などがあります。「全容解明」とは、全体の姿を細かい部分まで徹底的に調査して明らかにすることを意味します。

全貌の例文

1.工事中の商業施設は、足場が解体されて建物の全貌が見えるようになりました。
2.政治とカネの問題は全貌がわからないままであり、国民の政治不信は深刻化しています。
3.短期間で英語をマスターした学習方法の全貌を、包み隠さずご紹介します。
4.話題のアミューズメントパークがオープンし、その全貌が明らかになりました。
5.彼女はまどろっこしい言い方をするので、いつまで経っても話の全貌が見えません。

この言葉がよく使われる場面としては、全体の様子、全体のすがたを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「話の全貌」とは、話の部分的なところではなく、始まりから終わりまでの詳細を含んだ全体像を指しています。

全容と全貌という言葉は、どちらも「全体の姿や内容」を表します。意味や使い方に違いはないので、どちらの言葉を使うか迷った場合は好みや語呂の良さにより選べば良いでしょう。

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