似た意味を持つ「封鎖」(読み方:ふうさ)と「閉鎖」(読み方:へいさ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「封鎖」と「閉鎖」という言葉は、どちらも「出入り口を閉ざすこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
封鎖と閉鎖の違い
封鎖と閉鎖の違いを分かりやすく言うと、封鎖とは物理的に出入り口をふさぐこと、閉鎖とは出入り口をふさいで機能を停止することという違いです。
一つ目の封鎖を使った分かりやすい例としては、「港を封鎖することは国民に深刻な影響を与えます」「上海の封鎖区域から男が脱走しました」「封鎖人口の推計を一覧表にしました」「戦時封鎖は第三国船舶通航も阻止できます」などがあります。
二つ目の閉鎖を使った分かりやすい例としては、「資金繰りが苦しくて工場を閉鎖することにしました」「実は閉鎖神経痛を患っています」「閉鎖孔ヘルニアのため治療を受けています」「法務局で閉鎖事項証明書を取得する」などがあります。
封鎖と閉鎖という言葉は、どちらも出入り口を閉ざし人や物の往来をなくすことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
封鎖とは、出入りできないように閉ざすことを意味します。物理的に入れないようにする措置に使用されることが多い言葉であり、「封鎖区域」とは特定の目的のために立ち入りが禁止になったエリアのことです。
閉鎖とは、閉じて出入りできないようにすること、閉じて機能を停止することを意味します。「学級閉鎖」「工場閉鎖」のような使い方で、施設などを閉じて機能を止めることを表すことが多くあります。「閉鎖事項証明書」とは、解散や移転などで閉鎖された会社の登記記録を記載した書類です。
つまり、封鎖とは物理的にふさぐことのニュアンスが強い言葉であり、閉鎖とはふさいで機能を停止することのニュアンスが強い言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
封鎖を英語にすると「barrier」「blockade」「seal」となり、例えば上記の「港を封鎖する」を英語にすると「blockade a port」となります。
一方、閉鎖を英語にすると「choke」「closing」「shutdown」となり、例えば上記の「工場を閉鎖する」を英語にすると「close down a factory」となります。
封鎖の意味
封鎖とは、出入りまたは出し入れをできないように封じ閉ざすことを意味しています。
その他にも、「国際法で、海軍力によって相手国の港や海岸への海上交通を遮断すること」の意味も持っています。
「国勢調査と封鎖人口から純移動率を計算する」「レインボーブリッジは封鎖できません」「封鎖された殺人マンションからの脱出を成功させる」などの文中で使われている封鎖は、「出入りまたは出し入れをできないように封じ閉ざすこと」の意味で使われています。
一方、「平時封鎖は対象国船舶のみを妨害します」「自衛権の行使としてホルムズ海峡を封鎖した」などの文中で使われている封鎖は、「国際法で、海軍力によって相手国の港や海岸への海上交通を遮断すること」の意味で使われています。
封鎖の読み方は「ふうさ」です。誤って「ほうさ」「ふさ」などと読まないようにしましょう。
封鎖とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。封鎖の「封」は出入り口をふさぐことや閉じ合わせること、「鎖」はくさりや鍵をかけることを表す漢字です。
封鎖を用いた日本語には「封鎖経済」があります。封鎖経済とは、輸出入などの国際経済取引の自由が制限された状態の国民経済を意味し、「開放経済」に対する概念です。日本の江戸時代の鎖国体制は、一種の封鎖経済とみることができます。
封鎖の対義語・反対語としては、制限されたりしているものを解き放して自由にすることを意味する「解放」などがあります。
封鎖の類語・類義語としては、中のものが外に出ないようにかたく閉じふさぐことを意味する「封印」、国をとざし外国との交際を断つことを意味する「鎖国」、行く手に物を置くなどして通行や流れをさまたげることを意味する「塞ぐ」などがあります。
閉鎖の意味
閉鎖とは、出入り口などを閉ざすことを意味しています。
その他にも、「組織体がその活動や機能を停止すること」「内にこもって他のものの立ち入りを許さないこと」の意味も持っています。
「精神病を患っている伯父は閉鎖病棟に入院しています」「閉鎖神経の走行には個人差があります」「エレベーターのような閉鎖的な空間が苦手です」などの文中で使われている閉鎖は、「出入り口などを閉ざすこと」の意味で使われています。
一方、「工場を閉鎖するための手続きを教えてください」の文中で使われている閉鎖は「組織体がその活動や機能を停止すること」の意味で、「閉鎖している彼は他人と関わろうとしません」の文中で使われている閉鎖は「内にこもって他のものの立ち入りを許さないこと」の意味で使われています。
閉鎖の読み方は「へいさ」です。誤って「へさ」「とさ」などと読まないようにしましょう。
閉鎖とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を判断する必要があります。閉鎖の「閉」は訓読みで「とじる」「しまる」と読み、出入り口をとじることや終わりにすることを表します。
閉鎖を用いた日本語には「閉鎖病棟」があります。閉鎖病棟とは、主に精神科病院において、病棟の出入り口が常に施錠され、入院患者や面会者が自由に出入りできない病棟のことです。患者の安全確保と治療を目的として運用されています。
閉鎖の対義語・反対語としては、門や戸などを開け放すことを意味する「開放」などがあります。
閉鎖の類語・類義語としては、通路や出入り口を閉じてふさぐことを意味する「閉塞」、流れをさえぎって止めることを意味する「遮断」、戸や門をしめて錠じょうをおろすを意味する「閉ざす」などがあります。
封鎖の例文
この言葉がよく使われる場面としては、閉ざして出入りさせないこと、国際法上において海上からの交通を遮断すること、交戦国または対立国の対外的経済交流を遮ることを表現したい時などが挙げられます。
例文4や例文5にある「海上封鎖」は、海軍力を用いて他国の海上交通を遮断することを意味し、「戦時封鎖」と「平時封鎖」があります。
閉鎖の例文
この言葉がよく使われる場面としては、閉じて出入りのできないようにすること、閉じて機能を停止することを表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「閉鎖会社」とは、少数の株主によりその株式が保有され,その株式が市場において流通しない会社のことです。例文5の「政府閉鎖」とは、政府機関が業務を停止することを意味します。
封鎖と閉鎖という言葉は、どちらも「出入り口を閉ざすこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、物理的に出入り口をふさぐことを表現したい時は「封鎖」を、出入り口をふさいで機能を停止することを表現したい時は「閉鎖」を使うようにしましょう。