【レジュメ】と【アジェンダ】と【サマリー】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「レジュメ」と「アジェンダ」と「サマリー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「レジュメ」と「アジェンダ」と「サマリー」という言葉は、概略という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




レジュメとアジェンダとサマリーの違い

レジュメとアジェンダとサマリーの意味の違い

レジュメとアジェンダとサマリーの違いを分かりやすく言うと、レジュメは内容を簡素化したものを表現する時に使い、アジェンダは検討課題のまとめを表現する時に使い、サマリーは内容の要約を表現する時に使うという違いです。

レジュメとアジェンダとサマリーの使い方の違い

レジュメという言葉は、「授業で配られたレジュメのすき間が埋まるほどメモをしていた」「レジュメに色を付けすぎて何がなんだかわからなくなってきた」などの使い方で、研究報告や演説などの内容を手短にまとめたものを意味します。

アジェンダという言葉は、「無事にアジェンダ通りに会議を終えた」「簡単なものでもアジェンダは必要である」などの使い方で、検討課題や議事日程、行動計画を意味します。

サマリーという言葉は、「先の授業のサマリーを作成して提出しなければならない」「サマリーとしてまとめたものを参加できなかった人たちに配布する」などの使い方で、論文などの要約を意味します。

レジュメとアジェンダとサマリーの使い分け方

レジュメとサマリーはどちらも要約されたものを指す言葉ですが、前者は情報を簡潔にして箇条書きなどでまとめる時に使い、後者は演説などの話を要約してまとめる時に使うため、使い方に若干違いがあります。

一方、アジェンダという言葉は、話し合いの内容ではなく話し合う項目や題材をまとめたものを指す言葉です。そのため、レジュメやサマリーと比較しても、アジェンダの中では内容に関する記載がありません。

これが、レジュメ、アジェンダ、サマリーの明確な違いです。

レジュメの意味

レジュメとは

レジュメとは、研究報告や演説などの内容を手短にまとめたものを意味しています。

レジュメの語源

レジュメはフランス語で「résumé」と表記される言葉をカタカナ読みで使っており、「レジメ」という読み方もなされます。

本来は文書の要点を簡単にまとめたものを指す言葉として使われますが、就職活動や転職活動において使われるレジュメは履歴書や職務経歴書を指します。英語で書かれた履歴書はそのまま英文レジュメと言います。

このことからもわかるように、英語圏では「resume」という言葉は、日本で言う内容を簡潔にまとめた配布物という意味にはならず履歴書などを指すため、「print」や「handouts」といった言葉を使います。

表現方法は「レジュメを切る」「レジュメに書き込む」「レジュメに沿って」

「レジュメを切る」「レジュメに書き込む」「レジュメに沿って」などが、レジュメを使った一般的な言い回しです。

レジュメの類語

レジュメの類語・類義語としては、図表などを使って要点をまとめ見やすくした文書を意味する「要覧」、述べられていることの主要な点を意味する「要旨」、重要な箇所を抜き書きすることを意味する「摘要」などがあります。

アジェンダの意味

アジェンダとは

アジェンダとは、検討課題や議事日程を意味しています。

アジェンダを使った言葉として、「アジェンダ21」「アジェンダ設定」があります。

「アジェンダ21」の意味

一つ目の「アジェンダ21」とは、1992年に開催された地球サミットで採択された、21世紀に向けて持続可能な開発を実現するための行動計画がまとめられたものです。

「環境と開発に関するリオ宣言」に基づいて採択され、その他にも5つの文書が国際的に合意されることとなりました。アジェンダ21は条約ではないため法的拘束力はありませんが、各国内では「ローカルアジェンダ21」が地域規模で策定されています。

「アジェンダ設定」の意味

二つ目の「アジェンダ設定」とは、報道でどのくらい言及されるか、どの程度取り上げられるかなどによってそのテーマの重要性が決定づけられることを意味する言葉です。

また、世間一般で注目されたり、政治家らが目を向けるような議題を設定するほどの影響力がマスメディアにあるという説を指します。

表現方法は「アジェンダを組む」「アジェンダを作成する」「アジェンダを送付します」

「アジェンダを組む」「アジェンダを作成する」「アジェンダを送付します」などが、アジェンダを使った一般的な言い回しです。

アジェンダの類語

アジェンダの類語・類義語としては、会議にかけて討議する問題を意味する「議題」、仕事や行事などの予定を意味する「日程」、論ずる主題を意味する「論題」、ある状態になるまでの時間を意味する「道程」などがあります。

サマリーの意味

サマリーとは

サマリーとは、論文などの要約を意味しています。

株価や投資などにおいては文章やデータを集約したものを指し、FX用語としては市場の動向などをまとめたものを指します。

また、医療や介護業界でいうサマリーは、患者の病歴、検査や治療に関する記録をまとめた文書を指します。

表現方法は「サマリーを作る」「サマリーを送ります」

「サマリーを作る」「サマリーを送ります」などが、サマリーを使った一般的な言い回しです。

「サマる」の使い方

サマリーを変化させた「サマる」という言葉は、ビジネスシーンにて使われることがあります。これは、サマリーを作成することを一語に省略した言葉で、「サマっておく」「サマる必要がある」などの使い方をしますが、目上の人に対して使うのは不向きです。

サマリーの類語

サマリーの類語・類義語としては、要点以外を省略して書くことを意味する「略筆」、物事の大体のところを意味する「大筋」、全体のあらましを要約して述べることを意味する「概論」、個々のものを一つにまとめることを意味する「総括」などがあります。

レジュメの例文

1.会議のレジュメを作らなければ今日は仕事を終わることができないため、他のメンバーに一部ページの作成を頼むことにした。
2.レジュメを確認しながら講義を聞き、必要だと感じた部分はその都度メモしていくのがいつもの授業の聞き方だ。
3.ウェブ上に掲載されたレジュメを事前に印刷して、授業に臨んでくれる生徒はあまりおらず、端末で確認している姿をよく見る。

この言葉がよく使われる場面としては、研究報告や演説などの内容を手短にまとめたものを意味する時などが挙げられます。

例文1のレジュメという言葉は、サマリーという言葉に置き換えて使うことができますが、例文2と例文3は未来に講義や授業が予定されていることからまとめるものがないためサマリーに置き換えて使う場合意味合いが変わってきます。

アジェンダの例文

1.アジェンダに沿って会議が進んだものの、質疑応答の時間が延びたため、終了予定時刻を大幅に超えて会議は終えた。
2.今回のアジェンダを作成したのは初めてだったが、いざアジェンダ通りに事が無事に運んだと思うと達成感を感じる。
3.前回アジェンダ無しに会議が始まったのを受けて今回自主的に作成し配布したら、上司に大喜びされた。

この言葉がよく使われる場面としては、検討課題や議事日程、行動計画を意味する時などが挙げられます。

レジュメやサマリーという言葉に置き換えてしまうと、話し合う議題とそれに掛ける時間などが書かれた表ではなく、会議の内容を表すこととなるため、置き換えて使うことはできません。

サマリーの例文

1.会議の録画や当日の資料を見ながらサマリーを作っているが、大事な箇所のメモを取り損ねていたため同僚に泣きついた。
2.報告書の冒頭にサマリーを付けておいてほしいと言われていたのをすっかり忘れていたため急いでこしらえた。
3.気になっている本のサマリーを読んでさらに興味が湧いたため、帰りに本屋に寄って帰ろうと思っている。

この言葉がよく使われる場面としては、論文などの要約を意味する時などが挙げられます。

どの例文のサマリーも、簡素化するわけではなく、重要な文言をまとめている文書であるため、レジュメという言葉に置き換えて使うことはできません。

レジュメとアジェンダとサマリーどれを使うか迷った場合は、内容を簡素化したものを表す場合は「レジュメ」を、検討課題のまとめを表す場合は「アジェンダ」を、内容の要約を表す場合は「サマリー」を使うと覚えておけば間違いありません。

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