【内訳】と【内約】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「内訳」(読み方:うちわけ)と「内約」(読み方:ないやく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「内訳」と「内約」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




内訳と内約の違い

内訳と内約の意味の違い

内訳と内約の違いを分かりやすく言うと、内訳とは金銭や物品の総高に対してその内容を項目別に分けること、内約とは表立てないで約束することという違いです。

内訳と内約の使い方の違い

一つ目の内訳を使った分かりやすい例としては、「経費の内訳を教えてください」「電気料金の内訳はこちらになります」「この内訳グラフはとても見やすくて良い」「水道料金の内訳は以下の通りです」などがあります。

二つ目の内約を使った分かりやすい例としては、「室長への昇進を内約してもらいました」「来月業務提携することを内約しました」「取引を内約していた会社が倒産してもうどうしていいか分からない」「社長と内約する」などがあります。

内訳と内約は似た日本語のため間違いやすいですが、意味は全く異なっているので注意してください。金銭や物品の総高に対してその内容を項目別に分けることが「内訳」、表立てないで約束することが「内約」と覚えておきましょう。

どちらの言葉も、ビジネスシーンと日常生活の両方で使えますが、ビジネスシーンで使う機会が多いです。

内訳と内約の英語表記の違い

内訳を英語にすると「breakdown」「details」となり、例えば上記の「経費の内訳を教えてください」を英語にすると「Please tell me the breakdown of expenses」となります。

一方、内約を英語にすると「private agreement」となり、例えば上記の「社長と内約する」を英語にすると「Make a private agreement with the President」となります。

内訳の意味

内訳とは

内訳とは、金銭や物品の総高に対してその内容を項目別に分けることを意味しています。

内訳の使い方

内訳を使った分かりやすい例としては、「一ヶ月の生活費の内訳はこれになります」「昨日提出した領収書の内訳を教えてください」「内訳は以下の通りです」「こちらのグラフは一ヶ月の入場者数の内訳を表しています」などがあります。

内訳は金銭や物品の総高に対してその内容を項目別に分けることを意味しており、簡単に言うと明細のことです。

表現方法は「生活費の内訳」「経費の内訳」「領収書の内訳」

内訳という言葉は、「生活費の内訳」「経費の内訳」「領収書の内訳」「携帯電話代金の内訳」などと表現することができ、日常生活でもビジネスシーンでも使うことができます。

内訳の類語

内訳の類語・類義語としては、種類ごとに区別することを意味する「類別」、種類や種目によって区別することを意味する「種別」、事物を種類や性質などによって分けることを意味する「分別」、区切って分けることを意味する「区分」などがあります。

内訳の訳の字を使った別の言葉としては、事の次第のことを意味する「事訳」、物事を区別して行うことを意味する「仕訳」、申し開きや言い訳のことを意味する「申し訳」、そうせざるおえなかった事情を説明して了解を求めることを意味する「言い訳」などがあります。

内約の意味

内約とは

内約とは、表立てないで約束することを意味しています。

内約の使い方

内約を使った分かりやすい例としては、「副社長へ推薦すると内約してもらいました」「先方と内約を結ぶことができた」「業務提携が内約していた会社が倒産したと聞いて驚きを隠せない」「子会社になることを内約したのでうちの会社も一安心です」などがあります。

内約は表立てないで約束することを意味しており、内輪やその当事者の間で約束した時に使う言葉になります。そのため、ビジネスシーンと日常の両方で使える言葉なのですが、ビジネスシーンの方が使う機会が多いです。

内約の類語

内約の類語・類義語としては、密かに契約を結ぶことを意味する「密約」、当事者の間で暗黙のうちに取り決めた約束のことを意味する「黙約」、無言のうちに合意が成り立つことを意味する「黙契」(読み方:もっけい)などがあります。

内約の約の字を使った別の言葉としては、契約や約束などに背くことを意味する「違約」、約束を取り交わすことを意味する「契約」、当事者の間で取り決めることを意味する「約束」、協議した上で約束を取り結ぶことを意味する「協約」などがあります。

内訳の例文

1.新型コロナウイルスの感染者数の内訳は、男性の方が女性よりも2倍の数いることが判明した。
2.明日までに、内訳項目付きの支給明細書を購入しとくように社長に言われました。
3.大学で過ごす時間の内訳をみてみると、授業への出席が一番多いことが判明した。
4.東日本大震災復興支援財団への寄付の内訳は以下の通りになります。
5.利用料金の内訳を知りたいので、カスタマーサービスセンターへ電話した。
6.チケット代の内訳を見てみると、よくわからない手数料の項目がたくさんあってちょっと損をしているような気になった。
7.新商品の売り上げが芳しくなかったので、その内訳を分析し、販売戦略を見直す必要がある。
8.今年一年の家計簿の内訳を見た結果、携帯料金を見直すことが必要という結論に至る。
9.今後の人事戦略の立案に向けて、社員のスキルの内訳を詳細に把握する必要がある。
10.我が家はお小遣い制ではなかったが、何に使ったのかの内訳をすべて妻に報告しなければならない。

この言葉がよく使われる場面としては、金銭や物品の総高に対してその内容を項目別に分けることを表現したい時などが挙げられます。

例文5のように、「内訳を知りたい」はよく使われる使い方になります。「経費の内訳を知りたい」「領収書の内訳を知りたい」「利用料金の内訳を知りたい」などと表現することができ、ビジネスシーンでも日常生活でも使える言葉です。

内約の例文

1.次期の昇進を内約してもらったので、この人に一生ついて行くと決めました。
2.不正な内約が行われていないか、調査するよう社長から言われました。
3.来週コンペが行われる予定だが、先方が弊社を選ぶと内約してくれているため、安心して臨むことができる。
4.私の仕事ぶりが評価されたのか、次の取締役会で専務に推薦してくれることを内約してくれました。
5.他の業界の最大手と、業務提携することが内約しました。
6.彼は契約社員だったが、真面目な働きぶりなので、まもなく正社員に昇格する内約ができていた。
7.私は他の会社にスカウトされたが、もう先方と内約ができていたので丁重に断った。
8.来週コンペが行われる予定だが、先方が弊社を選ぶと内約してくれているため、安心して臨むことができる。
9.私の仕事ぶりが評価されたのか、次の取締役会で専務に推薦してくれることを内約してくれました。
10.会社では表立った約束とは別に、不正な内約が常態化していたので、私は信用なりませんでした。

この言葉がよく使われる場面としては、表立てないで約束することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、表立てないで当事者や内輪だけで約束する場合に使う言葉になります。そのため、ビジネスシーンで使われることが多いです。

内訳と内約は似た日本語ですが、意味が異なっているため間違って使わないようにしてください。内訳は銭や物品の総高に対してその内容を項目別に分ける時に使い、内約は表立てないで約束する時に使う言葉と覚えておいてください。

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