似た意味を持つ「イケメン」と「ハンサム」と「男前」(読み方:おとこまえ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どれを使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「イケメン」と「ハンサム」と「男前」という言葉は、どれも男性の容姿について表現しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
イケメンとハンサムと男前の違い
イケメンとハンサムと男前の意味の違い
イケメンとハンサムと男前の違いを分かりやすく言うと、流行に合わせた容姿の良い人か、女性に慣れていて見かけが良い人か、顔立ちや性格が男性らしい人かの違いです。
イケメンとハンサムと男前の語源の違い
イケメンとは、「いけているメン」という言葉の略語です。「いけている」という言葉は一般的に「イケている」と冒頭部分がカタカナで表記されることが多く、本来は「行けている」「行かす」という言葉でした。
この「行けている」「行かす」というのは、時代の最先端を行っているという意味で使われている言葉です。
服装や言動、思考などが時代の最先端である状態を「行かしている状態」と表現します。漢字の表記が堅苦しいことから、若者言葉として「イカしている」と冒頭カタカナで表現されることが多いものです。
イケメンの「メン」という言葉は顔立ちを表す「面」という漢字の意味と、英語で男性を示す「Men」を掛けた言葉です。上記のことから、イケメンとは、時代の最先端を進んでいる顔立ちの良い男性のことを指す言葉です。
イケメンというのは、同じように時代の先端にいる若い女性に好感が持たれるような男性のことを言います。年配の女性からは「最近の若い子」というような表現をされることが多いのがイケメンという言葉です。
次にハンサムという言葉を考えます。ハンサムとは、英語の表記で「Handsome」と書きます。これは、英語で手という意味を持つ「Hand」に、「~しやすい」という意味を持つ「Some」を加えることで出来た言葉です。
つまり、ハンサムというのは「(女性を)手で扱いやすい男性」という意味を持つ言葉です。顔立ちや態度が良く、女性の扱いに困らないような男性のことをハンサムと呼びます。
ハンサムな男性は、容姿だけでなく、態度や身なりも女性好みである必要があります。ここで言う女性好みというのは、年齢に関係なく、という意味があります。若い人にも年配の人にも好感が持たれて、初めてハンサムという言葉を使います。
最後に男前という言葉ですが、これは性格や態度が男らしい人のことを表す言葉です。男前の「前」というのは、人の前面からにじみ出ているという意味を持つ言葉です。男前と同じように「前」を使っている言葉として「腕前」や「一人前」があります。
上記のような理由から、男性らしさが前面に出ている状態のことを「男前」と表現します。この言葉は、イケメンやハンサムにあるような「女性好みの」という意味は含まれません。男性から見ても女性から見ても男性らしいと思わせる人を男前と表現します。
イケメンの意味
イケメンとは
イケメンとは、時代の最先端の容姿をしている、顔立ちの良い男性のことを意味しています。
イケメンとは、「時代の最先端を行けていて、恰好も顔立ちもオシャレな男性」という意味です。主に、同じように時代の先端を行く若い世代の女性から好感を持たれる男性のことを「イケメン」と呼びます。
イケメンの定義は時代により変わる
イケメンの具体的な容姿については、時代と共に移り変わります。その時代の流行りものを上手に取り込んでいるような若くて美しい男性のことを「イケメン」と表現するのだと覚えておくようにしましょう。
また、イケメンとは、「行けている面」という意味なので、顔立ちが美しくないと使えない言葉でもあります。この顔立ちの美しさというものは、具体的な数値などでわかるものではありません。人によって、好みには差があります。
イケメンとは、一般的に美しいとされている基準を満たしている、多くの人に好印象を与える男性です。若い世代に人気のアイドルなどが「イケメン」という枠に当てはまる人たちであると覚えておくと良いでしょう。
ハンサムの意味
ハンサムとは
ハンサムとは、年齢問わずに女性から好かれる容姿や態度を取る男性のことを意味しています。
ハンサムとは、「手元で女性が扱いやすくなるほどに顔立ちや容姿が素敵な男性」という意味です。年齢を問わず、女性から好感を持たれるような男性のことを「ハンサム」と呼びます。
ハンサムの容姿
ハンサムの具体的な容姿については、時代を問わずに女性から支持を得られるような条件が挙げられます。「優しい」や「一緒にいて楽しい」などの内面的な条件から、「清潔感がある」「すっきりと整っている」などの容姿的な条件まで幅広く求められます。
ハンサムの特徴
ハンサムという言葉で表現される男性の特徴としては、金銭面などでも裕福であることが含まれることもあります。特に年配の女性が言うところの「ハンサムね」という言葉には「育ちが良くて、頭も良いのね」という意味が含まれてくる場合があります。
ハンサムな男性とは、若い男性であるとは限りません。年配の男性に対してもハンサムという表現は使えます。女性の扱いに長けている顔立ちの良い男性については「ハンサム」と表現すると覚えておくと良いでしょう。
男前の意味
男前とは
男前とは、男女どちらから見ても、顔立ち、性格ともに男らしい男性のことを意味しています。
男前とは、「男性から見ても女性から見ても、男らしい人」という意味です。老若男女問わず、一般的に見て男性らしい顔つきや性格の人を「男前」と表現します。男前という言葉は、外見だけでなく性格についても使える言葉です。
「男前な性格」の意味
「あの人は男前な性格だよね」というような使われ方をし、それは男らしくサッパリしている性格であったり、頼りがいがあったり、責任感があったりする人のことを指します。この場合、容姿の良し悪しは関係ありません。
男前とは、イケメンやハンサムのような女性から好かれやすいという意味は持ちません。話しかけやすいような柔らかい印象よりも、硬派な印象のある人のことを男前と呼びます。男前という言葉は、男性から男性への誉め言葉としても使われる言葉です。
男前の容姿
男前の具体的な容姿については、がっしりとした男らしい体格であり、顔立ちについても女性的な要素が少なく、全体的にカタい印象を持たせるというような条件が挙げられます。
イケメンやハンサムは、細くシャープな体格であったり、顔立ちも女性的要素の多い人が好まれるのに対して、男前と呼ばれる人は、同性から見ても「男っぽい」と思われることが必要な条件であると覚えておきましょう。
イケメンの例文
この言葉がよく使われる場面としては、時代の先端を行くような風貌の顔立ちの良い男性に出会った時などが挙げられます。
イケメンとは、時代によって定義が変わってくるものです。時代の流行に合わせた状態で、多数の女性から「素敵だ」と感じられる場合に、イケメンという表現を使います。
例文1や4のように、テレビなどで活躍しているアイドルや若い俳優などに対して使われることが多くありますが、例文5のように、街中ですれ違う人などを指して使われることもあります。
ハンサムの例文
この言葉がよく使われる場面としては、年齢問わずに女性から好かれそうな男性に出会った時などが挙げられます。
ハンサムとは、年齢関係なく、女性から「素敵だ」と思われる男性のことを指します。女性の扱いに慣れていそうな雰囲気のある、顔立ちの良い男性のことをハンサムと表現すると覚えておきましょう。
例文2のように、家族などに対して使うこともあれば、例文3のように個人の好みを踏まえて使う場合もあります。最近では、例文5のようにクールで素敵な女性に対してもハンサムという表現を使うことがあります。
男前の例文
この言葉がよく使われる場面としては、見るからに男らしく、性格も男っぽいような人と出会った時などが挙げられます。
イケメンやハンサムに含まれる要素が美しいことであるのに対し、男前という言葉で表されるのは「寡黙」や「頼もしい」などの女性にはない男性らしさです。例文2や4のように職業柄、男前に見えるような場合も多くあります。
男らしさという言葉では具体性に欠けますが、女性が持ち得ない要素を沢山持っている人という観点で考えるとわかりやすいでしょう。同性である男性の目から見て、憧れるような男性のことを男前であると言うことも出来ます。