【天邪鬼】と【ひねくれ者】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「天邪鬼」(読み方:あまのじゃく)と「ひねくれ者」(読み方:ひねくれもの)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「天邪鬼」と「ひねくれ者」という言葉は、どちらも素直ではない人のことを表現するという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




天邪鬼とひねくれ者の違い

天邪鬼とひねくれ者の意味の違い

天邪鬼とひねくれ者の違いを分かりやすく言うと、天邪鬼というのは意地悪だと自覚した上で相手に逆らうことを意味していて、ひねくれ者というのは本来の性格であり、無自覚に曲がった考え方をしてしまうという違いです。

天邪鬼とひねくれ者の使い分け方

天邪鬼とは、元々は仏教用語であったり神話の世界の話であったりしたものが、現代で転用されているものです。現代社会では、相手の思想が正しいことを理解した上で、あえてそれとは逆の意見を言ったりすることを天邪鬼と表現しています。

天邪鬼というのは、本人が自覚をしている上での言動であることが多く、簡単な言葉で言えば、素直になれない裏返しであったり、単純な意地悪であったりします。自覚がありながらのことなので、自制することが出来るものであるとも言えます。

対するひねくれ者というのは、漢字で書くと「捻くれ者」と表記するもので、考え方や性格の本質が曲がっているような人のことを指して表現する言葉です。一般的には短所と捉えられるものであり、素直ではない人のことを言います。

ひねくれ者というのは、天邪鬼と違って、元々の性格についての表現です。性格を変えることは難しいものであり、ひねくれ者というのは簡単になおせるものではありません。また、本人が無自覚である場合も多くあります。

天邪鬼という表現も、ひねくれ者という表現も、マイナスの意味を持つ言葉です。使用する際には不必要に他者を傷つけないように注意をする必要があります。

天邪鬼の意味

天邪鬼とは

天邪鬼とは、他者の思想が正しい事を理解した上で、あえてそれに逆らうような言動をするような人のことを意味しています。本来は日本の妖怪の一種であり、人の心を読み取って悪戯を仕掛ける小鬼のことを「天邪鬼」と呼んでいました。

天邪鬼の由来

天邪鬼というのは、仏教用語としては、人間の煩悩を表す象徴として表現されることの多いものです。四天王や金剛神によって踏みつけられている鬼のことを「天邪鬼」と呼んだりしています。

また、神話の世界では、天の神様である天照大神(読み方:アマテラスオオミカミ)に遣わされた天稚彦(読み方:アメノワカヒコ)や女神の天探女(読み方:アメノサグメ)に由来しているとも言われています。

これらの神は天から遣わされたのにも関わらず、務めを忘れて「天(天照大神)の邪魔」をしたことから、本来は神様であるにも関わらず「天邪鬼」と呼ばれるようになったと言われています。

このように、由来については様々ですが、現代では、天邪鬼というのは、人に逆らうばかりで素直ではない人のことや、相手の言動が正しいと理解した上で、あえてこれに逆らうような言動を取るような人のことを指して使用します。

天邪鬼の使い方

この天邪鬼な態度というものは、意地悪であることを自覚した上で行う場合もあれば、状況によってつい天邪鬼なことを言ってしまうような場合もあります。例えば、恥ずかしさから好きな人に対して意地悪をしてしまう場合も、天邪鬼であると言えます。

表現方法は「天邪鬼な男性」「天邪鬼な女性」「天邪鬼な彼氏」

「天邪鬼な男性」「天邪鬼な女性」「天邪鬼な彼氏」などが、天邪鬼を使った一般的な言い回しです。

天邪鬼の類語

天邪鬼の「邪」という字は、よこしまであり正しくないという意味を持ちます。この字を使った単語としては、本筋から外れたやり方を意味する「邪道」や、他人の心意を悪く推量することを意味する「邪推」などがあります。

ひねくれ者の意味

ひねくれ者とは

ひねくれ者とは、性格や性質がねじれていて、素直でないような人のことを意味しています。ひねくれ者というのは、漢字で「捻くれ者」と表記し、この「捻くれる」というのは、ねじる、よじるなどの意味を持つものです。

ひねくれ者というのは、感情が素直ではない人、曲がった考えを持っている人のことを意味する言葉です。

ひねくれ者の漢字表記

素直という言葉に「直」という字が入っていることから考えても、対局にあるのが「捻」という字を持つ「捻くれ者」であるとわかります。

ひねくれ者の使い方

ひねくれ者というのは、元々の性格に由来することの多い言葉です。最初から物事を考える時に捻くれた捉え方しか出来ない場合や、卑屈な性格の人などに対して使われる言葉であり、性格なので治すことは難しいものです。本人が無自覚な場合もあります。

天邪鬼のように、反射的に意地の悪いことを言ってしまうのとは違い、元来の性格に由来していて変えることが難しい場合を「ひねくれ者」と表現するのだと覚えておくと分かりやすいでしょう。

表現方法は「ひねくれ者の彼氏」「ひねくれ者の女性」

「ひねくれ者の彼氏」「ひねくれ者の女性」などが、ひねくれ者を使った一般的な言い回しです。

ひねくれ者の類語

真っ直ぐではないことから「へそ曲がり者」や「つむじ曲がり」などの表現で言い表されることもあります。

ひねくれ者を漢字で表記した際の「捻」という字を使った単語としては、手や足などの関節に無理な力がかかり損傷した状態を意味する「捻挫」、知恵をしぼって考え出すことを意味する「捻出」などがあります。

天邪鬼の例文

1.息子はクラスに好きな子がいるらしいけれど、つい天邪鬼な態度を取ってしまうようだ。
2.会議でせっかく結論が出た計画を、天邪鬼な上司がひっくり返してしまった。
3.口論になった際、つい天邪鬼なことを口走ってしまって反省している。
4.天邪鬼の語源というのは、「天」の神様の「邪魔」をしたという意味だったんだね。
5.彼は基本的には良い人なんだけれど、たまに天邪鬼なところがある。
6.私は先生から言われたことを聞かずに、逆のことをやってしまうので皆から天邪鬼だと言われる。
7.この新人社員はやっぱり非常識なのであろうか、それとも天邪鬼なのだろうか。
8.本当は彼のことが好きなのに、つい天邪鬼な態度を取っては彼のことを困らせてしまう。
9.皆でバラエティ番組を観ていても、私だけはこれはヤラセだろうと突っ込んでしまうほどに天邪鬼な性格です。
10.上司から少し休んだほうが良いと言われると、私は天邪鬼だからもっと働けますと言ってしまう。

この言葉がよく使われる場面としては、その人が正しいことを言っていると理解した上で、あえてそれに逆らうようなことを言ったりする人のことを表現したい時などが挙げられます。

天邪鬼という言葉は、元々は仏教用語であったり、神話の世界の話を由来としたものです。現代では、天邪鬼という言葉は人の性格を表す際のマイナスの表現として使われているものです。

天邪鬼というのは、集団行動の輪を乱すような発言をしたり、多数派の意見に逆らうような発言をしたりするような人のことを表現する言葉であると覚えておくようにしましょう。

ひねくれ者の例文

1.私の兄は小さいころからひねくれ者だったようです。
2.クラスに一人くらいはちょっとひねくれ者みたいな人がいるものだよね。
3.「どうしてそういうひねくれ者みたいなことを言うの?」と怒られてしまった。
4.彼女のことをひねくれ者だと思っていたけれど、ただ単に恥ずかしがり屋なだけみたいだ。
5.相手のことをひねくれ者だと思っていたけれど、どうやらひねくれていたのは僕みたいだ。
6.彼に対してひねくれ者のような態度で接してしまうのは、多分気を引きたいからだと思う。
7.この研究室はまさにひねくれ者の天才の集まりといった感じで、相手にするのも大変だろうな。
8.おじさんはひねくれ者で口も悪いが、なんだかんだで人がいいところがあるので憎めない。
9.彼氏はひねくれ者なので、クリスマスの時には、あえて和食レストランでデートなんてこともありました。
10.俺は底辺で育ったから、医者や政治家のような恵まれた環境で育った奴らが嫌いなひねくれ者なのさ。

この言葉がよく使われる場面としては、性格や性質がねじれていて、素直ではない人のことを表現したい時などが挙げられます。ひねくれ者と同じような意味合いの言葉としては「へそ曲がり」や「つむじ曲がり」などがあります。

素直という言葉が曲がっていないことを表す「直」という字を使っているのに対し、ひねくれ者というのは、ねじる、よじるなどの意味を持つ「捻」という字を使って「捻くれ者」と表記します。

このように漢字からも、真っ直ぐではないことを表現する言葉であると理解することが出来ます。考え方や行動が素直ではない人を表現するもので、マイナスの言葉であり、周囲に扱い辛い人間であるという印象を与えるものだと覚えておくようにしましょう。

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