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【破綻】と【破産】と【倒産】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「破綻」(読み方:はたん)と「破産」(読み方:はさん)と「倒産」(読み方:とうさん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「破綻」と「破産」と「倒産」という言葉は、会社の経営が続けられなくなるという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




破綻と破産と倒産の違い

破綻と破産と倒産の意味の違い

破綻と破産と倒産の違いを分かりやすく言うと、破綻は経営が行き詰まった頃から業務停止までの期間を表す時に使い、破産は会社の経営が成立しない状態を表す時に使い、倒産は債務を返済できない状態を表す時に使うという違いです。

破綻と破産と倒産の使い方の違い

破綻という言葉は、「ブランド企業の経営破綻」「論理が破綻している文章は読みにくい」などの使い方で、修復しようがないほどうまく行かなくなることを意味します。企業経営だけに使う言葉ではありません。

破産という言葉は、「自己破産の手続きを行う」「取引先が破産したためこちらにも大きな影響が出た」などの使い方で、財産が失われ、会社の経営が成り立たなくなることを意味します。手続きを行ってようやく、法的に破産した状態になります。

倒産という言葉は、「世界恐慌にも近しい状況の中倒産が相次ぐ」「企業の倒産は徐々に増えている」などの使い方で、経営資金のやりくりが出来なくなり営業困難な状況に陥ることを意味します。

破綻と破産と倒産の使い分け方

法的な倒産には二種類あり、再生を目指す再建型と、借金を免除してもらう清算型に分かれており、破産手続きは後者の清算型に分類されます。そのため、広義的な意味を持つ順番に三つの言葉を並べると、破綻>倒産>破産の順になります。

また、破産は企業にも個人にも使うことができる言葉ですが、倒産は企業がつぶれることのみを表す言葉です。これらが、破綻、破産、倒産の明確な違いです。

破綻の意味

破綻とは

破綻とは、物事が修復することのできない程うまく行かなくなることを意味しています。その他にも、破れほころびることも意味します。

破綻の読み方

破綻は「はたん」という読み方をしますが、「はじょう」などの読み方はしません。

破綻を使った言葉として、「破綻百出」「破綻懸念先」があります。

「破綻百出」の意味

一つ目の「破綻百出」(読み方:はたんひゃくしゅつ)とは、布のほころんだ部分から糸くずがたくさん出ることが転じて、喋ればしゃべるほどぼろが出ることを意味する四字熟語です。

「破綻懸念先」の意味

二つ目の「破綻懸念先」とは、金融機関のお金を貸す相手の状態区分のひとつで、現状経営破綻の状態ではないものの、経営難であることには変わらず、経営改善計画などの進捗も芳しくなく、今後経営破綻に陥る可能性が大きい融資先を指します。

破綻の対義語

破綻の対義語・反対語としては、普通であることを意味する「正常」、物事が出来上がることを意味する「成立」、失敗や欠点を一時的に取り繕うことを意味する「弥縫」(読み方:びほう)があります。

破綻の類語

破綻の類語・類義語としては、ある一部の乱れが広がり組織全体が壊れることを意味する「瓦解」(読み方:がかい)、滅びることを意味する「破滅」、すっかりだめになってしまうことを意味する「壊滅」、崩れて壊れることを意味する「崩壊」などがあります。

破綻の破の字を使った別の言葉としては、建造物や組織などを壊すことを意味する「破壊」、事態が行き詰まって関係などが壊れてしまうことを意味する「破局」、一度取り決めた約束や相談などを取り消すことを意味する「破談」などがあります。

破産の意味

破産とは

破産とは、財産を全て失うことを意味しています。その他にも、法律上債務を完済することができなくなった状態も意味します。

破産を使った言葉として、「破産管財人」「破産宣告」があります。

「破産管財人」の意味

一つ目の「破産管財人」とは、破産手続きを行った者の財産を調査し管理する人を指す言葉です。借金を返すことができないという申請を受け、本当にこれ以上財産がないのかなどを調べます。管財人に対する説明に嘘があった場合は罰金が科されることもあります。

必要と判断されると、郵便物なども全て一度管財人を通して配達されることになり、この調査や管理は一年に及ぶこともあります。

「破産宣告」の意味

二つ目の「破産宣告」とは、破産手続きを開始することを裁判所が決定することを意味する言葉です。破産宣告を受けるには条件があり、手続きが開始されることで、債権者が破産した者に対してお金の取り立てを直接することができなくなるなどの効果があります。

また、破産宣告を受けることで借金からすぐに解放されるわけではなく、破産手続開始の決定が出された日から一か月以内に免責許可を申し立てることで、借金支払いの義務を免除してもらうことができます。

破産の類語・類義語

破産の産の字を使った別の言葉としては、前代の人が残した財産や業績を意味する「遺産」、一家の財産を意味する「家産」、一定の資産や安定した職業を意味する「恒産」、土地およびその定着物である建物を意味する「不動産」などがあります。

倒産の意味

倒産とは

倒産とは、企業の経営資金のやりくりが付かなくなり潰れることを意味しています。

倒産を使った言葉として、「倒産法」「連鎖倒産」があります。

「倒産法」の意味

一つ目の「倒産法」とは、経済的に破綻した企業や個人の財産の清算、事業や経済生活の再生などについて定めた法律の総称です。破産手続きに関して定めた破産法、借金の減額や返済条件の変更を含む企業の再生計画を認めてもらう民事再生法などが該当します。

「連鎖倒産」の意味

二つ目の「連鎖倒産」とは、取引先の倒産によって返してもらえない借金が発生した企業が、その影響で倒産することを意味する言葉です。大手企業の経営破綻により、下請けは生み出す製品の買い手が見つからず利益につながらないため、倒産につながります。

こういった倒産を防ぐために、「中小企業倒産防止共済」などに加入しておくことで、万が一取引先が倒産したとしても共済金の貸付のおかげで倒産せずに済みます。

倒産の対義語

倒産の対義語・反対語としては、新しく事業を始めることを意味する「起業」があります。

倒産の類語

倒産の類語・類義語としては、それまでの商売や職業をやめることを意味する「廃業」があります。

倒産の倒の字を使った別の言葉としては、建物などが倒れてぶつかることを意味する「倒壊」、めまいがして倒れることを意味する「昏倒」(読み方:こんとう)、打ち倒すことを意味する「打倒」、逆さまになることや倒れることを意味する「転倒」などがあります。

破綻の例文

1.日本の店舗に影響はないものの、諸外国に本拠地を置く企業が経営破綻したと聞いたら若干心配になる。
2.親族が病気で収入が減ったことでローン破綻に直面し、金融機関に相談しなければならなくなったらしい。
3.長きにわたる物語を作る人の、最初から最後まで破綻していない設定を生み出す能力が羨ましい。

この言葉がよく使われる場面としては、行き詰まりほころびが出ることを意味する時などが挙げられます。

例文1や例文2は金銭に関する破綻ですが、例文3のように企業などには関係ないほころびに関しても破綻という言葉を使うことができます。

破産の例文

1.今まで一人で抱えていたが、相談して自己破産申請をすることにしてから、心が軽くなったように感じる。
2.民事再生の状態から破産に移行する場合もあり、企業が変わったとしても社会が変わらなければどうにもならないこともある。
3.消費者の需要が減ることで企業にダメージとなり、家庭でも企業でも破産寸前な状態が見られるようになった。

この言葉がよく使われる場面としては、財産が失われ、経営が成り立たなくなることを意味する時などが挙げられます。

例文1の「自己破産」とは、自分が持っている財産や収入では借金が返済できない際、裁判所に認められれば借金を免除してもらうことができる手続きを指します。

倒産の例文

1.倒産一歩手前の企業も今できることを必死に行っており、消費者としては応援したい企業がたくさんある。
2.経済状況だけでなく自然環境によって倒産を余儀なくされてる企業もたくさんある。
3.新しい企業を取引相手にする場合は、倒産リスクを考えていかなければならない。

この言葉がよく使われる場面としては、資金繰りができず経営が困難であることを意味する時などが挙げられます。

例文3の「倒産リスク」は、倒産の前触れ、前兆、危険性といった言葉に置き換えられて使われることもあります。

破綻と破産と倒産どれを使うか迷った場合は、経営が行き詰まっている期間に使う場合は「破綻」を、経営が成り立たない状態を表す場合は「破産」を、資金繰りができず経営困難な状態を表す場合は「倒産」を使うと覚えておけば間違いありません。

言葉の使い方の例文
編集者
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