似た日本語の「おっしゃられました」と「おっしゃいました」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「おっしゃられました」と「おっしゃいました」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。
「おっしゃられました」と「おっしゃいました」の違い
「おっしゃられました」は「おっしゃいました」の間違い
「おっしゃられました」と「おっしゃいました」の違いを分かりやすく言うと、「おっしゃられました」とは「おっしゃいました」の間違った使い方、「おっしゃいました」とは言うの尊敬語です。
「おっしゃられました」は誤字
一般的には「おっしゃられました」という言葉は存在しません。読み方が似ていることから、「おっしゃいました」のことを間違えて「おっしゃられました」を使っている人がほとんどです。
「おっしゃいました」は正しい日本語
正しい言葉である「おっしゃいました」を使った分かりやすい例としては、「先生は自分の好きなものを描くようおっしゃいました」「叔母様は提案があるとおっしゃいました」「あなたのお名前は何とおっしゃいますか」などがあります。
「おっしゃいました」という言葉はあっても、「おっしゃられました」という言葉は存在しません。同時に「おっしゃいました」という単語の意味について「言うの尊敬語」と覚えておきましょう。
「おっしゃいました」の英語表記
上記の「あなたのお名前は何とおっしゃいますか」を英語にすると「Could you tell me your name」「May I have your name, please」となります。
「おっしゃられました」の意味
「おっしゃられました」とは
「おっしゃられました」とは、「おっしゃいました」の間違った使われ方です。
「おっしゃられました」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「おっしゃいました」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
「おっしゃられました」は二重敬語
「おっしゃられました」がなぜ間違った言葉かと言うと、二重敬語になるからです。二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」や「謙譲語+謙譲語」のように同じ種類の敬語を重複させることを言います。
「おっしゃられました」の場合だと、「おっしゃる」が言うの尊敬語であり、「られる」が尊敬の気持ちを表わす助動詞になります。そのため、「尊敬語+尊敬語」の例に当てはまり二重敬語となってしまうので注意が必要です。
「おっしゃられました」の他にも、二重敬語として間違って使われている日本語はたくさんあります。例を挙げると、「ご覧になられました」「お越しになられる」「ご参加なされる」「お帰りになられる」「お聞きになられましたか」などがあります。
二重敬語はより丁寧な言い回しに聞こえますが、敬語の過剰表現であり、まわりくどい印象を与えてしまうため適切ではありません。特にビジネスシーンで使ってしまうと、相手に悪い印象を与える可能もあるので気を付けましょう。
「おっしゃいました」の意味
「おっしゃいました」とは言うの謙譲語
「おっしゃいました」とは、言うの尊敬語を意味しています。
「おっしゃいました」の使い方
「おっしゃいました」を使った分かりやすい例としては、「お客様がそうおっしゃいました」「叔父様は必要な時以外話さなようおっしゃいました」「社長が新年会やるぞとおっしゃいました」「会長がこうおっしゃいました」などがあります。
「おっしゃいました」は言うの尊敬語で、目上の相手が言葉を口にお出しになることを意味しています。
「おっしゃいました」はビジネスシーンでも日常生活でも使われており、自分が目上の人から受けた意見や主張、指摘などを別の人に伝える場合によく使用されています。
「おっしゃいました」の漢字表記
「おっしゃいました」を漢字にすると「仰いました」と表記することができますが、平仮名で「おっしゃいました」とするのが一般的になります。また、新聞などでも漢字表記ではなく、読みやすさを重視して平仮名で表記されていることが多いです。
表現方法は「おっしゃいました通り」「おっしゃっていた」「おっしゃっていました」
「おっしゃいました通り」「おっしゃっていた」「おっしゃっていました」「おっしゃいます」「おっしゃる通り」などが、「おっしゃいました」を使った一般的な言い回しになります。
「おっしゃいました」の類語
「おっしゃいました」の類語・類義語としては、要求や反対意見などを言うことを意味する「物申す」、言うの謙譲語を意味する「申し上げる」、言うことや述べることを意味する「弁ずる」などがあります。
「おっしゃられました」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、「おっしゃいました」という言葉を間違えて「おっしゃられました」と表現している時などが挙げられます。
「おっしゃられました」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「おっしゃられました」ではなく、「おっしゃいました」と表現するのが正しい使い方です。
「おっしゃいました」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、言うの尊敬語を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「おっしゃいました」は敬語なので目上の人に対して使うことができます。
「おっしゃられました」と「おっしゃいました」どちらを使うか迷った場合は、「おっしゃられました」は間違った日本語なので、正しい日本語である「おっしゃいました」を使うようにしましょう。