【蘊蓄】と【含蓄】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「蘊蓄」(読み方:うんちく)と「含蓄」(読み方:がんちく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「蘊蓄」と「含蓄」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




蘊蓄と含蓄の違い

蘊蓄と含蓄の意味の違い

蘊蓄と含蓄の違いを分かりやすく言うと、蘊蓄とは蓄えた深い学問や知識を意味し、含蓄とは表面に現れない深い意味や内容という違いです。

蘊蓄と含蓄の使い方の違い

一つ目の蘊蓄を使った分かりやすい例としては、「これが彼の蘊蓄を傾けて書いた造形芸術論だ」「彼は一方的に蘊蓄を語る癖がある」「ワインの蘊蓄は聞き飽きた」「花言葉の蘊蓄を本にしたい」などがあります。

二つ目の含蓄を使った分かりやすい例としては、「彼は立ち去る間際に含蓄のある言葉を放った」「含蓄のある語録で話題になったサッカー選手だ」「含蓄に富んだ文学作品を紹介します」「含蓄のあるお話をありがとうございます」などがあります。

蘊蓄と含蓄の使い分け方

蘊蓄と含蓄という言葉は、音の響きが似ており、どちらも会話に関して使われることが多く、混同して使われる傾向がありますが、意味は異なります。蘊蓄とは蓄えた深い学問や知識を意味し、含蓄とは表面に現れない深い意味や内容を意味します。

上記の例文にある「ワインの蘊蓄」とは、産地や醸造過程、味わいなど、ワインについての十分研究して蓄えた知識のことです。一方、「含蓄に富んだ文学作品」とは、読み終えた後に深く考えさせられる小説や、読めば読むほど味わい深い文学作品を指しています。

蘊蓄と含蓄の英語表記の違い

蘊蓄を英語にすると「stock of knowledge」「erudition」「extensive knowledge」となり、例えば上記の「蘊蓄を傾ける」を英語にすると「apply one’s whole stock of knowledge」となります。

一方、含蓄を英語にすると「implication」「hidden meaning」「overtones」となり、例えば上記の「含蓄のある言葉」を英語にすると「phrase pregnant with hidden meaning」となります。

蘊蓄の意味

蘊蓄とは

蘊蓄とは、蓄えた深い学問や知識を意味しています。

その他にも、物を積み蓄えておくことの意味も持っています。

蘊蓄の使い方

「長年の蘊蓄蓄を傾けて書き上げた論文だ」「お酒の席で蘊蓄を語る癖がある」「蘊蓄をしゃべりたがる人だ」「設計技術の蘊蓄を披露する」「お前の蘊蓄は聞きたくない」などの文中で使われている蘊蓄は、「蓄えた深い学問や知識」の意味で使われています。

一方、「土間に薪を蘊蓄する」「納戸に防災備品を蘊蓄している」「蘊蓄している不用品を片付けよう」などの文中で使われている蘊蓄は、「物を積み蓄えておくこと」の意味で使われています。

蘊蓄は薀蓄とも書く

蘊蓄は薀蓄とも書きます。「蘊」「薀」どちらの漢字を使っても問題ありませんが、一般的に「蘊蓄」と書き表されています。

蘊蓄の語源

蘊蓄という言葉は、積むことを表す「蘊」と、多くのものを一所に集めてたくわえることを表す「蓄」が組み合わさった熟語です。蘊蓄とは物などを積みたくわえることです。転じて、十分研究してたくわえた学問や深い知識を意味となり、現在ではこの意味で使われることが多くあります。

「蘊蓄を傾ける」が一般的な言い回し

蘊蓄を用いた言い回しには「蘊蓄を傾ける」があり、自分の持っている知識や技能のすべてを出し尽くすことを表します。「傾ける」には、力や注意などをいちずにその方へ向けることの意味があります。

「蘊蓄を垂れる」は間違った言い回し

蘊蓄の誤った言い回しには「蘊蓄を垂れる」があります。「垂れる」は教えや訓示などを、目上の人から目下の人に与えるものです。ただし、相手が望んでいないのに得意げに蘊蓄を語り、受け手側がうんざりしている様子を表す意味で、俗に「蘊蓄を垂れる」と表現することもあります。

蘊蓄の対義語

蘊蓄の対義語・反対語としては、学問や知識のないことを意味する「無学」、知らないことや知識がないことを意味する「無知」、学問とは関係のない雑多な知識を意味する「雑学」などがあります。

蘊蓄の類語

蘊蓄の類語・類義語としては、学問上の知識と見識を意味する「学識」、その分野についての広く深い知識や理解を意味する「造詣」、社会生活を営む上で必要な文化に関する広い知識を意味する「教養」などがあります。

含蓄の意味

含蓄とは

含蓄とは、内に含み持っていることを意味しています。

その他にも、「言葉などの表面に現れない深い意味や内容」の意味も持っています。

表現方法は「含蓄のある」「含蓄がある」「含蓄に富む」

「含蓄のある」「含蓄がある」「含蓄に富む」などが、含蓄を使った一般的な言い回しです。

含蓄の使い方

「鉄分を含蓄している錠剤だ」「酸化チタンを含蓄する繊維を使用しています」「遺伝子は大量の情報を含蓄している」「この条約が含蓄する要求は深い」などの文中で使われている含蓄は、「内に含み持っていること」の意味で使われています。

一方、「創業者の含蓄に富む言葉である」「上司は含蓄のある人で尊敬できる」「情緒豊かで含蓄がある映画だった」「含蓄あふれる名言名句を収録した本だ」などの文中で使われている含蓄は、「言葉などの表面に現れない深い意味や内容」の意味で使われています。

含蓄の語源

含蓄という言葉は、文字通り「含み蓄えること」であり、内に含み持っていることが原義になります。この意味が転じて、意味が深くあじわいのあること、豊かな内容を含み持っていることの意味になり、現在では原義よりもこの意味で使われています。

含蓄の対義語

含蓄の対義語・反対語としては、そのものだけで混じり気がないことを意味する「単純」、深みがなくあっさりしているさまを意味する「浅はか」などがあります。

含蓄の類語

含蓄の類語・類義語としては、表面には出ないが中に込められている意味や内容を意味する「含み」、表面に現れない意味を含みもつことを意味する「含意」、ある表現の示す内容が奥深くて含みのあることを意味する「意味深長」などがあります。

蘊蓄の例文

1.教師が一方的に蘊蓄を傾けることは、能動的な学習の妨げになる。
2.料理人としては、一皿を前にして蘊蓄を語るのではなく、一心に美味しさを堪能して欲しいのです。
3.ワインの蘊蓄なのか雑学なのか分からないが、彼はいちいち解説したがる。
4.蘊蓄はなぜ草冠か問題を出されたが、そんな雑学は持ち合わせていないので答えられなかった。
5.カウンター席は、大将と女将さんの蘊蓄話が聞ける最高の席なのです。
6.「能ある鷹は爪を隠す」と同じで、真に蘊蓄が深い人というのは、必要な時必要最小限のことしか語らないものだ。
7.社内の勉強会のテーマが自分の得意なものだったので、ここぞとばかりに蘊蓄を披露しようとしたら、新入社員にもっと詳しい人がいて私の出る幕は無かった。
8.上司主催の飲み会では、最初は部下たちも上司の蘊蓄をありがたがっていたが、度々聞かされるものだから次第に敬遠されるようになった。
9.ワインが好きな人はビールが好きな人やウイスキーが好きな人とは違っていちいち蘊蓄を語りたがるのは一体どうしてだろうか。
10.博識のある老人はさまざまな蘊蓄を披露してくれるので、一緒に食事をしていてもあっという間に時間が過ぎてしまう。

この言葉がよく使われる場面としては、蓄えた深い学問や知識、物を積み蓄えておくことを表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「蘊蓄」と「雑学」ですが、蘊蓄は特定分野について深く研究して身につけたの学問や知識のことですが、雑学は雑多な知識を意味します。似た言葉には「豆知識」があり、実用的知識のことを表します。

含蓄の例文

1.彼女は、稲妻を含蓄するパワーストーンをあしらった指輪に目を奪われてた。
2.流行りのJ-POPでも、歌詞に耳を傾けると含蓄のある歌があるものだ。
3.含蓄がない美辞麗句は、耳障りが良いだけで心に響かないものだ。
4.教授は労働慣行と生活習慣の関係性について、実に含蓄に富むお話をしてくださった。
5.暇な時間には、宴会で使えるような含蓄があるダジャレを考えている。
6.祖母は特に学歴があるわけでは無いが、厳しい時代を生き抜いてきたせいか、時折驚くほど含蓄のあることを言う。
7.昔話や童話は含蓄に富んだものが殆どで、最近の絵本を読み慣れた子どもたちからすると、少し説教臭いのかもしれない。
8.日本の昔話やグリム童話など子供向けといわれているお話には含蓄のあるエピソードにあふれていて大人でも考えさせられる。
9.詩というのは判然・明白からは縁遠いものではあるが、その中に含蓄された暗示や象徴が見え隠れてしていて飽きることがない。
10.あの二人の会話はいつも含蓄にあふれていて、私もいつかその会話に加わりたいがためにリベラルアーツを学び直している。

この言葉がよく使われる場面としては、内部に取り入れてたくわえること、豊かな内容や深い意味を含みもっていることを表現したい時などが挙げられます。

例文1の含蓄は内部に取り入れてたくわえることの意味で使われ、例文2から例文5にある含蓄は豊かな内容を含みもっていることの意味で使われています。例文4にある「含蓄に富む」とは、深い内容や意味がたくさんあることを表します。

蘊蓄と含蓄という言葉は、どちらも会話に関して使われますが、意味は異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、蓄えた深い学問や知識を表現したい時は「蘊蓄」を、表面に現れない深い意味や内容を表現したい時は「含蓄」を使うようにしましょう。

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