似た意味を持つ「お目通し」(読み方:おめとおし)と「ご一読」(読み方:ごいちどく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「お目通し」と「ご一読」という言葉は、どちらも一通り見たり読んだりすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「お目通し」と「ご一読」の違い
「お目通し」と「ご一読」の意味の違い
「お目通し」と「ご一読」の違いを分かりやすく言うと、「お目通し」とはさらっと見る場合にしか使えない、「ご一読」とはじっくり読む場合にも使えるという違いです。
「お目通し」と「ご一読」の使い方の違い
一つ目の「お目通し」を使った分かりやすい例としては、「明日までにこちらの資料をお目通しいただければ幸いです」「来週の会議までにこちらの資料にお目通しをお願いいたします」「明日までに書類にお目通しください」などがあります。
二つ目の「ご一読」を使った分かりやすい例としては、「ご一読いただきありがとうございます」「ご一読のほどよろしくお願いいたします」「お手すきの際にご一読いただければ幸いです」「会議の要点をまとめたのでご一読ください」などがあります。
「お目通し」と「ご一読」の使い分け方
「お目通し」と「ご一読」は似た意味を持っていて、ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、使い方に少し違いがあります。
どちらの言葉も一通り見たり読んだりする場合に使いますが、「お目通し」はさっと見る場合にしか使えないのに対して、「ご一読」はじっくり読んで欲しい場合にも使うことができます。
「お目通し」と「ご一読」の英語表記の違い
「お目通し」を英語にすると「look through」「look over」となり、例えば上記の「明日までに書類にお目通しください」を英語にすると「Please look through the documents by tomorrow」となります。
一方、「ご一読」を英語にすると「pleae read」となり、例えば上記の「会議の要点をまとめたのでご一読下さい」を英語にすると「I have gathered the important points of the meeting,Please read」となります。
「お目通し」の意味
「お目通し」とは
「お目通し」とは、初めから終わりまで一通り見ることを意味しています。
「お目通し」の使い方
「お目通し」を使った分かりやすい例としては、「当日までに提出した資料にお目通しのほどよろしくお願いいたします」「お手すきの際にこちらの資料にお目通しいただきたく存じます」「こちらお手続きに必要な書類ですのでお目通しくだされば幸いです」などがあります。
「お目通し」は目を通すことや初めから終わりまで一通り見ることを意味する「目通し」(読み方:めどおし)に丁寧語の「お」がついた敬語です。敬語表現なので、上司や取引先などの目上の人に対しても使うことができます。
「お目通し」はメールやビジネス文書で使われることが多い
ビジネスシーンにおいて頻繁に使われていますが、対面で話し言葉として使用するよりも、メールやビジネス文書などの書き言葉として使用することが多いです。
「お目通し」は熟読して欲しい場合は使わない
「お目通し」はあくまでもざっと見る場合に使う言葉なので、熟読して欲しい場合には使わないようにしましょう。
表現方法は「お目通しいただければ幸いです」「お目通しいただけましたでしょうか」
「お目通しいただければ幸いです」「お目通しいただけましたでしょうか」「お目通しいただきますようお願い申し上げます」「お目通しください」などが、「お目通し」を使った一般的な言い回しになります。
「お目通し」と「お目通り」と「お見通し」は意味が違う
「お目通し」と間違えやすい言葉として、貴人にお目にかかることを意味する「お目通り」、相手の心の中をすっかり見抜いていることを意味する「お見通し」があります。どちらの言葉も読み方や漢字が似ているのですが、意味は異なっているので間違わないように注意しましょう。
「お目通し」の類語
「お目通し」の類語・類義語としては、一通り目を通すことを意味する「一覧する」、全体にわたって一通り目を通すことを意味する「通覧する」、全体にわたって目を通すことを意味する「総覧する」などがあります。
「ご一読」の意味
「ご一読」とは
「ご一読」とは、一通り読むことを意味しています。
「ご一読」の使い方
「ご一読」を使った分かりやすい例としては、「こちらの資料をお手すきの際にご一読いただければ幸いです」「ご一読されましたらご連絡願います」「早速ご一読いただきありがとうございます」「配布した資料をご一読くださいますようお願いいたします」などがあります。
「ご一読」は、一度読むことや一通り読むことを意味する「一読」に、接頭語の「ご」がついた敬語になります。敬語表現なので、上司や取引先などの目上の人に対しても使うことができます。
ただし、相手を敬って使う言葉なので自分が何か読む場合には「ご一読」は使えません。自分が読んだことを丁寧に伝えたい場合は「拝読いたしました」などを使うといいでしょう。
表現方法は「ご一読いただければ幸いです」「ご一読くださいますようお願いいたします」
「ご一読いただければ幸いです」「ご一読くださいますようお願いいたします」「ご一読くださいませ」「ご一読いただくありがとうございます」「ご一読いただきますようお願い申し上げます」などが、「ご一読」を使った一般的な言い回しになります。
「ご一読」の類語
「ご一読」の類語・類義語としては、相手を敬ってその人が見ることをいうことを意味する「ご高覧」、相手が確認することを丁寧に言うことを意味する「ご確認」、金銭や書類などをよく調べて受け取ることを意味する「ご査収」などがあります。
「お目通し」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一通り見ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のようにビジネスシーンで頻繁に使われている言葉です。
「ご一読」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一通り読むことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のようにビジネスシーンで頻繁に使われている言葉です。
「お目通し」と「ご一読」という言葉は、どちらも一通り読むこと表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「お目通し」よりもじっくり読むことを表現したい場合には、「ご一読」を使うようにしましょう。