【身近】と【手近】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文
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似た意味を持つ「身近」(読み方:みぢか)と「手近」(読み方:てぢか)の違いと使い方を分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、このページの使い方を参考にしてみて下さい。

「身近」と「手近」という言葉は、どちらも自分から近いところにある物事を意味するという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。



身近と手近の違い

身近と手近の意味の違い

身近と手近の違いを分かりやすく言うと、身近というのは、近いところにあること、慣れ親しみのあるということを意味していて、手近というのは、近いところにあること、便利であるということを意味しているという違いです。

身近も手近も、「近い」(読み方:ちかい)を含むので、ひらがな表記では「ぢか」になることに注意して下さい。国語辞書では身近も手近も、「近くにあること」程度の意味しか載せていないこともありますが、以下では細かな意味の違いを見ていくことにします。

身近と手近の使い分け方

文字通りには、身近は「身体の近く」のことで、手近は「手の近く」のことなので、身近の範囲は生活環境、手近の範囲は手の届く範囲のことです。

しかし、「手の届く」は物理的な意味を超えて、「例えば痒い所に手が届く」のような比喩的な表現としても機能しますので、「自分を中心に半径何キロ以内」のような空間的な遠近を尺度にして身近と手近を区別することは出来ません。

むしろ、手とは身体の中でどんな機能をするかを考える方が、身近と手近の意味を区別するのに役立ちます。簡単に結論だけ言うと、手とは「役に立つ」という機能と関係すると考えることが出来ます。

例えば、食事は口から摂りますが、そのために手を使います。服を着たり靴を履いたりするのは胴体と足ですが、手の補助を必要とします。また一般的に言って、人間は手で物、道具を作り、使います。つまり、手は「役に立つ」「便利」の意味と切り離せません。

そのため、「手近」は「近くにある便利なもの」という意味です。例えば近所のスーパーマーケットは「身近」で「手近」なものです。逆に、野鳥のカラスは「身近」ですが「手近」ではありません。こう考えると、身近と手近の意味の違いが分かりやすくなります。

身近の意味

身近とは

身近とは、特に生活環境の内部にある物事や、自分にとって慣れ親しみのある物事を意味しています。

表現方法は「身近に感じる」「身近な人」「身近な場所」

「身近に感じる」「身近な人」「身近な場所」などが、身近を使った一般的な言い回しです。

身近の使い方

「身近なコンビニ」と言えば、「近所にあるコンビニ」のことを意味します。ですが、「身近」という言葉に特徴的なのは、「慣れ親しみ」の意味です。例えば「身近に感じる」という表現は、物理的距離とは無関係に慣れ親しみを抱くことを意味しています。

例えば、昨今安全性の観点から公園の遊具が撤去される傾向があります。ニュースでどことはいわず、全国的な規模で遊具が撤去されていると報じられると、物寂しさを覚える人も多いかと思います。

そうした時には、物理的距離とは関係なく、公園遊具一般が「身近」なものだったと言う事が出来ます。こうして分かるように、慣れ親しみという心理的な距離感に重きを置けば、身近さは物理的な距離とは関係ないと考えることが出来ます。

また、この親しみの感情がはっきり意識されていないことも多いです。あまりに自然に生活に溶け込んでしまっていて、それに「慣れて」しまっているからです。

公園の遊具の例で考えると、撤去を寂しく思うのは、、もう何年も何十年も遊具で遊んでいない人たちが大多数です。この人たちは、親しみの感情を撤去によってはじめて意識します。また、公園に物理的に近い生活を送る今の子供たちよりも、「身近」に感じているのです。

身近の対義語

身近の対義語・反対語としては、遠くにあること、関係性が希薄なことを意味する「疎遠」、遠くの場所を意味する「遠方」、気味が悪く親しみを持てないことを意味する「不気味/無気味」などがあります。

身近の類語

身近の類語・類義語としては、自宅の近くにあるもののことを意味する「近所」「近隣」「近辺」、都市部の周辺を意味する「近郊」、あまり離れていない場所を意味する「近間」などがあります。

手近の意味

手近とは

手近とは、近くにある物事や、近くにあって便利な物事を意味しています。国語辞書では身近も手近も「近くにあるものごと」と説明されることがありますが、「手に近い」という意味合いが「便利性」を表現します。

表現方法は「手近なところ」「手近にある」「手近な場所」

「手近なところ」「手近にある」「手近な場所」などが、手近を使った一般的な言い回しです。

手近の使い方

身近と同じく、手近も「近くにあるもの」を意味します。「手近なファミレス」と言えば、「近所にあるファミレス」のことを意味します。ですが、「手近」という表現を使うことによって「便利な」という意味合いが生まれます。単に近所にあるだけではないのです。

身近という言葉が時に心理的な距離感の近さだけを表現し、物理的距離を捨象するのとは異なり、手近の方は物理的に近い距離であることが必要条件です。近くなければ不便だからです。「遠水は近火を救わず」です。

ただし昨今では、特に通信技術の加速度的発展により、何が近く何が遠いかは一概には決められなくなっています。

遠くの人にメールやSNSで頼み事をすることは造作もなくなりつつあります。とはいえ、この場合でも科学技術によって「近さ」が拡張されているのであって、心理的な距離感覚だけで物事が進んでいるわけではないことに注意しましょう。

手近の対義語

手近の対義語・反対語としては、便利でないこと、都合の悪いことを意味する「不便」、役に立たず利益のないことを意味する「無用」「無益」などがあります。

手近の類語

手近の類語・類義語としては、手の届く範囲にあることを意味する「手元/手許」、便利で心置きなく使うことが出来ることを意味する「手頃」などがあります。

身近の例文

1.身近な存在のありがたみは、無くなってから初めて分かる。
2.神社仏閣について知識はないけれど、日常の風景に溶け込んでいて、身近に感じる。
3.娘の学校の授業参観日は、グループ発表で、テーマは「身近な車の役割」だった。
4.身近なものには、売れるものが意外と沢山ある。
5.身近な草花、身近な野鳥など、おじいちゃんは驚くほど詳しかった。

この言葉がよく使われる場面としては、自分の生活圏内にある物事や、慣れ親しみを感じている物事を表現したい時などが挙げられます。

日常の風景に溶け込んでいる物事、例えば例文2の神社仏閣などは、物理的に近く、知らず知らずに慣れ親しみを感じるものの代表格です。しかし、「身近」は必ずしも物理的に近いことを必要とはしません。テレビ越しの「庶民派タレント」を考えてみてください。

手近の例文

1.今日の夕食は、手近で済ませることにした。
2.キャンプが趣味の人によると、手近にあるものでも、火を起こすことは案外簡単に出来る。
3.彼のような人はなかなかいないので、部長は手近に置いておくことにしたのだろう。
4.手近にいい相手がいないから、婚活パーティーに参加したのだという。
5.手近な場所にあって便利だったのに、移転先が少し遠くになってしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、身の回りにあって便利な物事を表現したい時などが挙げられます。

身近と違って、便利であるためには近くにある必要があります。例文4は「手近にいい相手がいない」から少し遠くに手を伸ばしてみる、という意味です。

手近も身近も、身の回りにある物事を意味することがあるという点で共通しています。なので、使い分けに困ったときは、それが便利かどうかで判断してみて下さい。

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