【遅滞なく】と【速やかに】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「遅滞なく」(読み方:ちたいなく)と「速やかに」(読み方:すみやかに)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「遅滞なく」と「速やかに」という言葉は、どちらも物事をすぐ行うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「遅滞なく」と「速やかに」の違い

「遅滞なく」と「速やかに」の意味の違い

「遅滞なく」と「速やかに」の違いを分かりやすく言うと、「遅滞なく」よりも「速やかに」の方が早く行う必要があるという違いです。

「遅滞なく」と「速やかに」の使い方の違い

一つ目の「遅滞なく」を使った分かりやすい例としては、「親権者だった者は遅滞なく子の財産の管理の計算をしなければならない」「該税務申告後遅滞なく提出する必要がある」「遅滞なく回答してください」などがあります。

二つ目の「速やかに」を使った分かりやすい例としては、「当該変更の内容を速やかに報告するものとする」「危険が迫っているので速やかに移動してください」「速やかに始末書を提出してください」「速やかにご連絡ください」などがあります。

「遅滞なく」と「速やかに」の使い分け方

「遅滞なく」と「速やかに」はどちらも物事をすぐ行うことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「遅滞なく」よりも「速やかに」の方が早く行う必要があるという点です。

したがって、急性や切迫性の度合いは「遅滞なく」よりも「速やかに」の方が大きいと覚えておきましょう。

また、類語に「直ちに」という表現がありますが、「速やかに」よりも早く行動することが求められています。イメージとしては「直ちに」>「速やかに」>「遅滞なく」となります。

「遅滞なく」と「速やかに」の英語表記の違い

「遅滞なく」を英語にすると「without delay」となり、例えば上記の「遅滞なく回答してください」を英語にすると「Please answer without delay」となります。

一方、「速やかに」を英語にすると「promptly」「quickly」となり、例えば上記の「Please contact me quickly」を英語にすると「速やかにご連絡ください」となります。

「遅滞なく」の意味

「遅滞なく」とは

「遅滞なく」とは、事情の許す限り早く行うことを意味しています。

「遅滞なく」の使い方

「遅滞なく」を使った分かりやすい例としては、「遅滞なく行われているか調査する必要があります」「遅滞なく前進することができました」「適切な活動が遅滞なく実行されるべく保証する必要があります」「外部サービスのため遅滞なく削除いたします」などがあります。

「遅滞なく」は、物事が滞ることを意味する「遅滞」に、否定形の「なく」が合わさり、事情の許す限り早く行うことの意味で使われている言葉です。

「遅滞なく」は法律用語として使われており、当事者に迅速な行動を促す条文上として使われています。基本的には素早く行うこととなっていますが、合理的な理由があれば、行動するまでにある程度時間がかかっても問題ないとされています。

「遅滞なく」はどれくらいか

「遅滞なく」はどれくらいだろうと思う方もいると思いますが、結論からいうと明確な期間は決まっていません。なぜなら、行動の障害となる事情の内容によって異なるからです。ただし、基本的には数日から週間、状況によっては数か月になると覚えておきましょう。

「遅滞なく」の類語

「遅滞なく」の類語・類義語としては、差し支えなく行うことを意味する「支障なく」、物事が支障なく滑らかに運ぶことを意味する「すむーズに」、物事がうまくまとまるように処理することを意味する「首尾よく」などがあります。

「速やかに」の意味

「速やかに」とは

「速やかに」とは、可能な限り早く行うことを意味しています。

「速やかに」の使い方

「速やかに」を使った分かりやすい例としては、「御客様への対応は速やかにお願いします」「請求書の処理を速やかに行いました」「速やかに大統領を辞任させる必要があるだろう」「速やかに医者に診てもらった方がいいだろう」などがあります。

「速やかに」は可能な限り早く行うことを意味する「速やか」に、助動詞の「に」が合わさった言葉です。

「速やかに」は「速やかに準備してください」「速やかにバッテリーを交換してください」などような一般的な使い方だけではなく、法律用語として、当事者に迅速な行動を促す条文上として使われています。

基本的には素早く行うこととなっていますが、合理的な理由があれば、行動するまでにある程度時間がかかっても問題ないとされています。

「速やかに」はどれくらいか

「速やかに」はどれくらいだろうと思う方もいると思いますが、結論からいうと明確な期間は決まっていません。なぜなら、行動の障害となる事情の内容によって異なるからです。ただし、基本的には数日から週間、状況によっては数か月になると覚えておきましょう。

「速やかに」の類語

「速やかに」の類語・類義語としては、すぐに行う必要があることを意味する「直ちに」、その瞬間にのことを意味する「咄嗟に」、すぐのその場で行なう必要があることを意味する「即座に」などがあります。

「遅滞なく」の例文

1.毎事業年度に係る税務申告書の写しを、当該税務申告後遅滞なく提出する必要があります。
2.今回の資料は公式の場で発表後、遅滞なくホームページに掲載しております。
3.乗客輸送を遅滞なく能率良く行うことができるのは、航空会社の教育がいいからだろう。
4.本件の資料は遅滞なく情報開示者に対して返還し、又は破棄若しくは消去しなければならない。
5.当該当事者は相手方に対して、当該変更の内容を遅滞なくに報告するものとする。

この言葉がよく使われる場面としては、事情の許す限り早く行うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「遅滞なく」は法律用語として使われています。

「速やかに」の例文

1.その受け取った前項の郵便物等で成年後見人の事務に関しないものは、速やかに成年被後見人に交付しなければならない。
2.息子が風邪を引いてしまったので、速やかに病院へ行くことにしました。
3.リコールに関しては、速やかに事案を公表することとしています。
4.データの不具合に関しては、速やかに修正いたします。
5.大津波警報発令時には速やかに、3階より上へ避難してください。

この言葉がよく使われる場面としては、可能な限り早く行うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「速やかに」は法律用語として使われています。

「遅滞なく」と「速やかに」はどちらも物事をすぐ行うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「遅滞なく」よりも「速やかに」の方が早く行う必要があると覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター