【吃驚】と【喫驚】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「きっきょう」という読み方の「吃驚」と「喫驚」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「吃驚」と「喫驚」という言葉は同義語で、どちらも「驚くこと」という同じ意味を持ちますが、それぞれの言葉の使い方には少し違いがあります。




吃驚と喫驚の違い

吃驚と喫驚の意味の違い

吃驚と喫驚の違いを分かりやすく言うと、吃驚は常用漢字表に載っていない、喫驚は常用漢字表に載っているという違いです。

常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。現行の常用漢字表は、2010年11月30日に平成22年内閣告示第2号として告示され、2136字で成り立っています。

吃驚と喫驚の使い分け方

喫驚は文化庁が定める常用漢字表に記載されているため法令や新聞などで使用できますが、吃驚は常用漢字表に記載されていないため法令や新聞などの公用文では使用できません。そのため、公的な書類などに記載する際には「喫驚」を使う方が良いでしょう。

また、常用漢字はあくまで目安であり制限ではないので、個人で使う場合は「吃驚」と「喫驚」どちらの漢字を使っても問題ありません。使いやすい方の漢字を使って良いものなので、好みに合わせて使い分けることが可能です。

吃驚と喫驚は「きっきょう」の他に、「びっくり」と読むことも可能です。「びっくり」という読み方は当て字ではあるものの、一部の辞書には記載されていたり、パソコンの変換などでも出てくるため一般的な読み方になっています。

吃驚と喫驚の使い方の違い

一つ目の吃驚を使った分かりやすい例としては、「急に肩を叩かれて吃驚した」「突然の停電に吃驚しました」「彼女の言動にはいつも吃驚させられる」「甲子園が中止というお知らせを聞いて吃驚した」「彼は吃驚して何も言えなかった」などがあります。

二つ目の喫驚を使った分かりやすい例としては、「急に子供が飛びしたきたので喫驚した」「突然の落雷に喫驚する」「彼の大胆な行動にはいつも喫驚させられる」「大人気グループが解散と聞いて喫驚した」などがあります。

吃驚と喫驚の英語表記の違い

吃驚も喫驚も英語にすると「surprise」となり、例えば上記の「彼は吃驚して何も言えなかった」を英語にすると「He was too surprised to say anything」となります。

吃驚の意味

吃驚とは

吃驚とは、驚くことやびっくりすることを意味しています。

吃驚の使い方

吃驚を使った分かりやすい例としては、「不意のことで吃驚してしまった」「急に腕を掴まれて吃驚する」「山道を歩いていたら熊に遭遇して吃驚した」「大物俳優が突然引退を発表したため世間は吃驚している」などがあります。

吃驚は物事の良し悪しに関係なく、予想以上の出来事に対して驚いたりびっくりした場合に使う言葉です。

吃驚の読み方は「きっきょう」と「びっくり」

吃驚は「きっきょう」と読むのですが、当て字として「びっくり」と読むことも可能です。そのため、漢字で吃驚と書くよりも、平仮名で「びっくり」と書くことの方が一般的になっており、吃驚という漢字に馴染みが無い人も多いでしょう。

表現方法は「吃驚した」「吃驚する」「吃驚仰天」

「吃驚した」「吃驚する」「吃驚仰天」「吃驚の声」などが、吃驚を使った一般的な言い回しになります。

吃驚の類語

吃驚の類語・類義語としては、素晴らしい出来事や思いも及ばない物事に接して驚き感心することを意味する「驚嘆」(読み方:きょうたん)、非常に驚くことを意味する「驚愕」(読み方:きょうがく)、驚くことを意味する「一驚」(読み方:いっきょう)などがあります。

喫驚の意味

喫驚とは

喫驚とは、驚くことやびっくりすることを意味しています。

喫驚の使い方

喫驚を使った分かりやすい例としては、「あまりの値段の高さに喫驚する」「彼女は喫驚して逃げていきました」「寝ていたら突然地震がきたので喫驚する」「日本代表の選手が突然引退表明をして喫驚しました」などがあります。

吃驚の「吃」が常用外漢字であるため、代用字として、常用漢字の「喫」を用いた喫驚が使われるようになりました。

この代用字というのは、他の単語でも使用されるものです。例えば、本来は「然様」であるところを「左様」と表記するのが代用字です。本来の字が難しい字面であったり、常用漢字ではない場合に代用字が使われます。

喫驚は物事の良し悪しに関係なく、予想以上の出来事に対して驚いたりびっくりした場合に使う言葉です。

喫驚の読み方は「きっきょう」と「びっくり」

喫驚は「きっきょう」と読むのですが、当て字として「びっくり」と読むことも可能です。そのため、漢字で喫驚と書くよりも、平仮名で「びっくり」と書くことの方が一般的になっており、喫驚という漢字に馴染みが無い人も多いでしょう。

表現方法は「喫驚した」「喫驚する」「喫驚仰天」

「喫驚した」「喫驚する」「喫驚仰天」「喫驚の声」などが、吃驚を使った一般的な言い回しになります。

喫驚の類語

喫驚の類語・類義語としては、非常に驚くことを意味する「愕然」(読み方:がくぜん)とてもびっくりすることを意味する「仰天」、全く考えていなかったことを意味する「意表」、非常に驚くことを意味する「たまげる」などがあります。

吃驚の例文

1.住宅街で車を運転していたら、物陰から子供が飛びしたきたので吃驚して急ブレーキを踏んだ。
2.世界一怖いというホラー映画を観ていたら、心臓が止まりそうなくらい吃驚してしまった。
3.ダイエットに成功したという友人と久々に再会したら、その変わりように吃驚仰天した。
4.この部屋には誰も居ないはずなのに、急に肩を叩かれたので吃驚してしまった。
5.友人の悪口を言っていたら、突然目の前に現れたので吃驚してしまいました。
6.夜中に小腹が空いたので冷蔵庫のなかを漁っていたら、娘に泥棒と間違われ吃驚されてしまい、翌朝朝食時に何かバツが悪い感情に苛まれた。
7.深夜に友達とパニック系のホラー映画を観たのだが、悲鳴をあげる友達の傍でわたしはというと、もはや吃驚しすぎて声も出ないくらい怖かったのだ。
8.YouTubeで有名になってからは忙殺の日々で、あこがれの人に会えることに吃驚している間もなく、次々とスケジュールをこなさなくてはいけなかった。
9.まわりの先輩方があまりに仕事が出来るものだから、口を開けてみていたら、上司からそんなことに吃驚していたら仕事は勤まらないよと言われてしまった。
10.友人に誕生日のサプライズを仕掛けてみるも、リアクションもなく飄々としている様子だったが、あとでその友人はとても吃驚していたと聞いてそっちに吃驚してしまったのだ。
11.家に返ってくる夫を驚かしてやろうと幽霊の格好をして出迎えると、夫は吃驚して腰を抜かしたものだからわたしはその場で大笑いしてしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、驚くことやびっくりすることを表現したい時などが挙げられます。

例文3の吃驚仰天とは非常に驚くことを意味する言葉です。「吃驚」と「仰天」という似た意味を持つ言葉を重ねて意味を強調しています。読み方は「びっくりぎょうてん」になり、この場合は「きっきょう」とは読むことは少ないので注意しましょう。

また、常用漢字である「喫」を使った「喫驚仰天」という言葉を使うこともありますが、辞書にも記載されていないこともあり、あまり一般的ではありません。

喫驚の例文

1.日本一怖いと言われるお化け屋敷に足を運んだが、突然腕を掴まれ喫驚してしまった。
2.仲が良かった異性の友達が来月結婚することを聞いて喫驚しました。
3.高級イタリアンで食事をしたが、あまりの美味しさに喫驚してしまいました。
4.山道を車で運転していたら、木の陰から鹿が飛びしてきたので喫驚する。
5.今年大ブレイクした若手俳優が突然引退する知らせを聞いて喫驚しました。
6.バスケットボールの試合終了間際にも互いに怒涛のシュートを繰り返して観客らは喫驚という感情では収まりきらず、もはや感動の涙がこぼれていた。
7.新人社員にはいつも喫驚させられることばかりだが、それが世代の差であってわたしたちもそれらの差を受け入れることが大事だと社長は説いていた。
8.夫は何か悪夢にうなされていたので、手を握ってあげたのだが、夫は叫び声を上げて勢い良く起き上がったものだからわたしも喫驚して声を上げてしまった。
9.わたしはバックパッカーで世界中を旅していたが、当初は文化の違いに喫驚の連続で戸惑ったこともあったが、それを克服すると肯定的に捉えることが出来るようになった。
10.齢五十を過ぎるともはや喫驚することもなくなったが、今思えば子どもの頃は見るもの見るものに喫驚していたし、そんな幼い季節がふと懐かしくなったりもした。
11.経営者になった知り合いが、店員から驚愕の値段を提示されても、喫驚することなくカードでと言っていたのが妙にかっこよくて惚れ惚れしてしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、驚くことやびっくりすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように物事の良し悪しには全く関係がなく、驚いたことやびっくりしたことに対して使う言葉になります。

吃驚と喫驚どちらを使うか迷った際は、公的な書類などに記載する場合は常用漢字である「喫」を使った喫驚とする方が良いでしょう。その他の場合には、個人の好みによって好きな方の表記を使うことができます。

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