似た意味を持つ「皆勤」(読み方:かいきん)と「精勤」(読み方:せいきん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「皆勤」と「精勤」という言葉は、どちらも「仕事や学業によく励むさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
皆勤と精勤の違い
皆勤と精勤の意味の違い
皆勤と精勤の違いを分かりやすく言うと、皆勤とは1日も休まずに励むことを表し、精勤とは真面目によく励むことを表すという違いです。
皆勤と精勤の使い方の違い
一つ目の皆勤を使った分かりやすい例としては、「一年の終わりに皆勤賞の授与が行われます」「皆勤賞の賞状をテンプレートを使って作成する」「皆勤手当は時代遅れだと思います」「皆勤手当を支給しないことは違法ですか」などがあります。
二つ目の精勤を使った分かりやすい例としては、「高校生の時に精勤賞をもらいました」「何日休んだら精勤賞がもらえないのだろう」「有給休暇を取得しても精勤手当はもらえますか」「日頃のご精勤に感謝申し上げます」などがあります。
皆勤と精勤の使い分け方
皆勤と精勤という言葉は、どちらも仕事や勉強などによく励むさまを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
皆勤とは、ある一定の期間、1日も休まずに出勤もしくは出席することを意味します。上記例文にある「皆勤賞」とは、職場や学校などに欠席や遅刻あるいは早退などすることなく、すべて出席した者に対する賞のことです。
精勤とは、仕事や学業などに熱心につとめることを意味します。「精勤賞」とは、ほぼ完全に出席し、早退や遅刻もほとんどしない者に対して授与される賞です。欠席が全くない「皆勤賞」に比べると、やや緩い条件に設定されています。
つまり、皆勤は1日も休まずに仕事や学業に励むことであり、精勤は仕事や学業に真面目に励むことを意味します。一度休んでしまうと皆勤とは言えませんが、精勤と認められる可能性はあります。
皆勤と精勤の英語表記の違い
皆勤を英語にすると「perfect attendance」となり、例えば上記の「皆勤賞」を英語にすると「a prize for perfect attendance」となります。
一方、精勤を英語にすると「diligence」「good attendance」となり、例えば上記の「精勤賞」を英語にすると「a prize for good attendance」となります。
皆勤の意味
皆勤とは
皆勤とは、一定期間内を、指定の休日以外は1日も休まずに出席・出勤することを意味しています。
皆勤の読み方
皆勤の読み方は「かいきん」です。同じ読み方をする熟語に「解禁」や「開襟」がありますが、意味が異なるので書き間違いに注意しましょう。
皆勤の使い方
皆勤を使った分かりやすい例としては、「英語教室で皆勤賞の表彰がありました」「皆勤賞をとることのメリットは何ですか」「皆勤賞を廃止する学校が増えています」「インフルエンザで早退しても皆勤賞は狙えますか」などがあります。
その他にも、「毎月、皆勤手当として一万円支給されています」「皆勤手当を設けている企業は減っています」「精皆勤手当は最低賃金の計算に含みません」「有給休暇を取ると皆勤手当が出ないのでしょうか」などがあります。
皆勤の「皆」は、訓読みで「みな」と読み、全部にわたってその状態であることを表します。「勤」は、訓読みで「つとめる」「いそしむ」と読み、力を尽くしてつとめ励むことを表す漢字です。皆勤とは、学校や会社などにおいて、一日も休まずに出席や出勤することを意味する言葉です。
「皆勤手当」の意味
皆勤を用いた日本語には「皆勤手当」(読み方:かいきんてあて)があります。皆勤手当とは、所定の期間内に1日も欠かさず出勤し続けた従業員を称えるために支給する手当です。一般的には、月単位で支給されます。会社の就業規則によりますが、有給を取得しても受給できることがほとんどです。
皆勤の対義語
皆勤の対義語・反対語としては、ある期間の全部を休むことを意味する「全休」などがあります。
皆勤の類語
皆勤の類語・類義語としては、ある一定の期間に欠勤をしないことを意味する「無欠勤」、欠席したことがないことを意味する「無欠席」、勤務先へでかけることを意味する「出勤」、授業を受けるためまたは勤務するために学校へ行くことを意味する「登校」などがあります。
精勤の意味
精勤とは
精勤とは、仕事や学業などにまじめに励むことを意味しています。
精勤の読み方
精勤の読み方は「せいきん」です。誤って「しょうきん」「せいごん」などと読まないようにしましょう。
精勤の使い方
精勤を使った分かりやすい例としては、「学校で皆勤賞と精勤賞の表彰式がありました」「精勤賞の規準を教えてください」「陸上自衛隊にも精勤賞はありますか」「自衛隊の精勤章をメルカリで購入する」などがあります。
その他にも、「精勤手当の相場はどれぐらいですか」「今年度から精勤手当が廃止されました」「全社員の前で精勤者を表彰します」「精勤手当と皆勤手当の違いがわかりません」「精勤手当は割増賃金の基礎額に含めますか」などがあります。
精勤の「精」は、念入りに手を加えること、ひたすらに励むことを表します。心を込めてつとめ励むことを表す「勤」と結びつき、精勤とは、休んだり怠けたりしないで、仕事や学業によく励むことを意味します。
「精勤手当」の意味
精勤を用いた日本語には「精勤手当」(読み方:せいきんてあて)があります。精勤手当とは、社員の出勤奨励を目的として、無欠勤もしくは欠勤がごく少ない場合に支給される手当のことです。法律によって支給が義務づけられている手当ではなく、その条件は会社の就業規則によって異なります。
精勤の対義語
精勤の対義語・反対語としては、怠けておろそかにすることを意味する「怠慢」、怠けてだらしないことを意味する「怠惰」などがあります。
精勤の類語
精勤の類語・類義語としては、仕事や勉強などに一生懸命に励むことを意味する「勤勉」、ある目的のために力を尽くして励むことを意味する「努力」、精力をつくしてつとめ励むことを意味する「精進」などがあります。
皆勤の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一日も休まずに出勤あるいは出席することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、皆勤の慣用的な言い回しには「皆勤を続ける」「皆勤手当」「皆勤賞」などがあります。
精勤の例文
この言葉がよく使われる場面としては、真面目に勤務して努力することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、精勤の慣用的な言い回し、慣用的な表現には「精勤手当」「精勤賞」「精勤章」などがあります。例文2にある「精勤章」とは、勤務に精励した自衛官に付与される記章のことです。
皆勤と精勤という言葉は、どちらも「仕事や学業によく励むさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一日も休まずに励むことを表現したい時は「皆勤」を、真面目によく励むことを表現したい時は「精勤」を使うようにしましょう。