【無粋】と【不粋】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「ぶすい」という読み方の「無粋」と「不粋」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「無粋」と「不粋」という言葉は同音同義語の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




無粋と不粋の違い

無粋と不粋は意味の違いがない同音同義語

無粋と不粋の違いを分かりやすく言うと、無粋とは「ぶすい」と読み、不粋とは「ぶすい」だけでなく「ぶいき」とも読むという違いです。

無粋と不粋の使い方の違い

一つ目の無粋を使った分かりやすい例としては、「無粋な質問をされ嫌な気分になった」「無粋なことを言うな」「金儲けしか能がない無粋な男だ」「無粋なことを聞くものではありません」などがあります。

二つ目の不粋を使った分かりやすい例としては、「不粋なことを聞かれて嫌な気分になった」「彼は不粋な発言ばかりする人だ」「噂好きでつい不粋なことを考えてしまう」「不粋な対応をされた」などがあります。

無粋と不粋は「ぶすい」と読み、人情や男女の機微に疎いこと、面白味のないことを意味する同音同義語の言葉です。全く同じ意味の言葉なので、上記の例の無粋と不粋は、互いに置き換えることができます。この二つの言葉は、粋でないことを表し、ビジネスシーンよりも日常生活で使われています。

無粋と不粋の読み方の違い

無粋と不粋の違いは、不粋には別の読み方があることです。不粋は「ぶいき」とも読み、粋でないことや垢抜けしていないことという「ぶすい」と同じ意味を持ちます。「ぶいき」は漢字表記で、不粋のほかに、不意気、無意気とも書きます。粋は意気から転じた言葉なのです。

ただし、不粋は「ぶすい」と読むことが一般的です。不粋は「ぶいき」と訓読みが出来ますが、普通「ぶすい」と読むことを覚えておきましょう。

無粋と不粋の英語表記の違い

無粋も不粋も英語にすると「boorish」「inelegant」「tactless」となり、例えば上記の「無粋な質問」を英語にすると「tactless question」となります。

無粋の意味

無粋とはわかりやすく

無粋とは、世態・人情、特に男女の間の微妙な情のやりとりに通じていないこと、遊びの分からないさま、面白味のないさまを意味しています。

表現方法は「無粋な質問」「無粋な人」「無粋な真似」

「無粋な質問」「無粋な人」「無粋な真似」「無粋なことを聞く」などが、無粋を使った一般的な言い回しです。

無粋の使い方

無粋を使った分かりやすい例としては、「父は冗談が通じない無粋な人だ」「プライベートを邪魔するなんて無粋な真似はやめなさい」「無粋なことを言って軽蔑された」「蕎麦屋に長居するのは無粋だろう」などがあります。

その他にも、「無粋ではございますが質問させて頂きます」「無粋なことを言うな」「夫婦の問題に首を突っ込むなんて無粋だろう」「ずいぶんと無粋なもてなしだな」「つい無粋な表現をしてしまう」などがあります。

無粋の読み方

無粋は「ぶすい」と読みます。不粋のように「ぶいき」とは読みません。

無粋の語源

無粋という言葉の「無」は存在していないことを表し、無粋は粋っぽさが無いことを意味します。粋とは、服装や態度などが洗練されていることや、人や男女間の機微を理解していること、世の中に通じていることを意味するので、無粋は、それらが無いこと意味する言葉です。

無粋の対義語

無粋の対義語・反対語としては、身なりや振る舞いが洗練されていることを意味する「粋」、洗練されていることを意味する「お洒落」などがあります。

無粋の類語

無粋の類語・類義語としては、人情の機微に通じないことを意味する「野暮」、風流でないことや趣味を解さないことを意味する「無風流」などがあります。

無粋の無の字を使った別の言葉としては、論じる必要のないほどはっきりしているさまを意味する「無論」、行いが人の道にそむいていることを意味する「無道」、はかることができないほど多いことを意味する「無量」などがあります。

不粋の意味

不粋とはわかりやすく

不粋とは、世態・人情、特に男女の間の微妙な情のやりとりに通じていないこと、遊びの分かならいさま、面白味のないさまなどを意味しています。

表現方法は「不粋なこと」「不粋な性分」「不粋者」

「不粋なこと」「不粋な性分」「不粋者」などが、不粋を使った一般的な言い回しです。

不粋の使い方

不粋を使った分かりやすい例としては、「ジョークが通じない不粋な人だ」「不粋な真似はやめなさいと注意された」「不粋な性分をなおしたい」「つい不粋な疑問が湧いてくる」などがあります。

その他にも、「不粋者の私には恋愛を語る資格はない」「野暮で不粋な質問はお断りだよ」「不粋と気付く余裕もなかった」「不粋な文章しか書けない」「不粋なことを言って注意された」などがあります。

不粋の読み方

不粋は「ぶすい」のほかに「ぶいき」とも読みます。どちらも、粋でないことを意味しますが、一般に「ぶいき」よりも「ぶすい」と読まれています。

不粋の語源

不粋という言葉の「不」は否定を表し、不粋は粋ではないことを意味します。人や男女の情に疎いこと、遊びの分からないさま、面白味のないさまを表すため、文脈により意味を捉える必要があります。上記の例の「不粋な人」とは、ジョークが分からない面白味のない人を意味しています。

不粋の対義語

不粋の対義語・反対語としては、人柄や趣味などを垢抜けのした優雅なものにすることを意味する「洗練」、洗練されていることを意味する「垢抜け」などがあります。

不粋の類語

不粋の類語・類義語としては、 洗練されていないことを意味する「無骨」、あかぬけない感じを意味する「野暮ったい」、無作法であったり無風流であることを意味する「むくつけし」などがあります。

不粋の不の字を使った別の言葉としては、人として守るべき道にはずれることを意味する「不義」、物事をするのを面倒くさがることを意味する「不精」、業績などがふるわないことを意味する「不振」などがあります。

無粋の例文

1.結末が気になるからといってネタばれを読むなど、無粋な真似をするのはどうかと思う。
2.他人の恋愛に対して、とやかく無粋なことを言うのは止めた方がいいよ。
3.かしこまったレストランでお料理の写真を撮るのは無粋な気がする。
4.彼の服装や振る舞いを見る限り、無粋な人なんだと思う。
5.答えが分かりきっていることなのに、無粋なことを聞く人だな。

この言葉がよく使われる場面としては、人情や男女の機微に疎いこと、面白味のないことを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「不粋な真似」とは、面白味のない、無作法な振る舞いを意味します。真似とは、模倣すること以外に、行動や振る舞いを意味する言葉です。例文5では、答えが分かりきっているつまらないことの意味で無粋が使われてます。

不粋の例文

1.周りの人達から野暮で不粋な奴だとは思われたくないので、お洒落には気をつけている。
2.漫才のオチのおもしろさを説明するなんて、不粋なことはやめなさい。
3.上司がデートの最中に声をかけてきて、不粋な人だと思った。
4.不粋な人に、自分自身が不粋だという自覚がある人はいないと思う。
5.この歌詞の良さが分かならいなんて、彼は色恋沙汰に疎い不粋者だと思う。

この言葉がよく使われる場面としては、人情や男女の機微に疎いこと、面白味のないことを表現したい時などが挙げられます。

例文1のように、野暮と不粋は似た意味の言葉で、並列の関係で使われることがあります。例文5にある「不粋者」とは、男女の間の微妙な情のやりとりに通じていない人のことを意味します。「ぶすいもの」だけでなく「ぶいきもの」とも読まれている言葉です。

無粋と不粋という言葉は、どちらも「ぶすい」と読み、粋でないことを意味する同音同義語の言葉です。不粋には「ぶいき」との読み方もありますが、一般的には「ぶすい」と読まれていることを覚えておきましょう。

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