【一部ずつ】と【一部づつ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「いちぶずつ」という読み方の「一部ずつ」と「一部づつ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「一部ずつ」と「一部づつ」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの言葉によって使い方には少し違いがあります。




「一部ずつ」と「一部づつ」の違い

「一部ずつ」と「一部づつ」の意味の違い

「一部ずつ」と「一部づつ」の違いを分かりやすく言うと、「一部ずつ」とは現代仮名遣い、「一部づつ」とは歴史的仮名遣いという違いです。

「一部ずつ」と「一部づつ」の使い方の違い

一つ目の「一部ずつ」を使った分かりやすい例としては、「各世帯に一部ずつお取りください」「一部ずつ複写しました」「この本とあの本を一部ずつください」「一部ずつ取って次の人に渡してください」などがあります。

二つ目の「一部づつ」を使った分かりやすい例としては、「各戸一部づつお取りください」「パンフレットがこちらにあるので一部づつお取りください」「複数のページを一部づつに仕分けて印刷する」などがあります。

「一部ずつ」と「一部づつ」の使い分け方

「一部ずつ」と「一部づつ」は、どちらも書物や新聞などのひとまとまりのことという同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあります。

「一部ずつ」と「一部づつ」の一番の違いは「一部ずつ」が現代仮名遣いで、「一部づつ」が歴史的仮名遣いということです。

どちらも正しい日本語なのですが、現代においては内閣告示の現代仮名遣いである「ずつ」の方を使うのが一般的になっています。そのため、法令、新聞、公的な書類などでは「一部ずつ」の方を使うようにしましょう。それ以外の場面では好きな方を使っても問題ありません。

「一部ずつ」と「一部づつ」の英語表記の違い

「一部ずつ」も「一部づつ」も英語にすると「one each」となり、例えば上記の「一部ずつ取って次の人に渡してください」を英語にすると「Please take one each and pass it along」となります。

「一部ずつ」の意味

「一部ずつ」とは

「一部ずつ」とは、書物や新聞などのひとまとまりのことを意味しています。

表現方法は「一部ずつお取りください」「コピー一部ずつお願いします」

「一部ずつお取りください」「コピー一部ずつお願いします」「一部ずつ取ってください」「各戸一部ずつお取りください」などが、「一部ずつ」を使った一般的な言い回しになります。

「一部ずつ」の使い方

「一部ずつ」を使った分かりやすい例としては、「上司からコピーを一部ずつ刷るようにお願いされました」「一部ずつ注文可能なっています」「こちらから資料を一部ずつお取りください」などがあります。

「一部ずつ」は書物や新聞などのひとまとまりのことを表す現代仮名遣いになります。現代仮名遣いとは、1986年7月1日に昭和61年内閣告示第1号として公布された日本語の仮名遣いのことです。

現代仮名遣いにおいて、歴史的に表記されてきた「づ」も「ず」に統一するとされています。そのため、法令、新聞、公的な書類などでは「ずつ」を用いた「一部ずつ」を使うようにしましょう。

「一部ずつ」の類語

「一部ずつ」の類語・類義語としては、本や帳面などの一綴りのことを意味する「一冊ずつ」があります。

「一部づつ」の意味

「一部づつ」とは

「一部づつ」とは、書物や新聞などのひとまとまりのことを意味しています。

表現方法は「一部づつ取ってください」「各戸一部づつお取りください」

「一部づつ取ってください」「各戸一部づつお取りください」「一部づつお取りください」「コピー一部づつお願いします」などが、「一部づつ」を使った一般的な言い回しになります。

「一部づつ」の使い方

「一部づつ」を使った分かりやすい例としては、「この機械は一部づつまとめて印刷することが可能です」「一部づつ印刷できなくて困っています」「コピーを一部づづお願いします」「本三種類を一部づづ希望します」などがあります。

「一部づつ」は書物や新聞などのひとまとまりのことを表す歴史的仮名遣いになります。

歴史的仮名遣いとは、明治時代から第二次世界大戦終結直後までの公文書や学校教育において用いられたもので、平安時代初期までの実際の綴りを基盤としている言葉です。

歴史的仮名遣いは間違った日本語ではないのではないのですが、現代にはおいては「づつ」を使うよりも「ずつ」の方を使うのが推奨されています。また、法令、新聞、公的な書類などでは「づつ」を用いた「一部づつ」は使えないと覚えておきましょう。

「一部づつ」の類語

「一部づつ」の類語・類義語としては、一ずつ割り当てることを意味する「一つずつ」があります。

「一部ずつ」の例文

1.このコピー機は古いので複数部印刷したくも、一部ずつしかできません。
2.建築計画概要書と建築工事届は、一部ずつ提出してくださいと案内がありました。
3.我が社の社員は優秀なので、一部ずつ確実にポストに投函します。
4.学校の先生が資料を配る際に、一部ずつ取って次の人に渡してくださいと言っていました。
5.各自一部ずつ取って、開演までお席でお待ちください。
6.部下にはちゃんと会議資料を一人ひとりに一部ずつ配るように言ったのに、ちゃんと配られていないものだから、部下を呼び出して注意するに至った。
7.むかしの映画の復刻版のチラシが無料で配られるというのでたくさんもらおうと考えていたが、おひとり様一部ずつということなので、どれか選ばざるを得なかった。
8.このパーソナライズ印刷サービスは、従来ならDMを同じ内容のものしか印刷できなかったものを一部ずつ違う内容を印刷できるので、顧客満足度もアップできるだろう。
9.このようにビラを一部ずつポストの投函していくのは思いのほか骨の折れる作業で、炎天下の中、わたしは汗をかきながら町中を駆け巡っていた。
10.町内の回覧板ではとくに大事なお知らせの資料については資料を一部ずつ取るスタイルにすると、内容を忘れずに済むので、ぜひ試してみてください。

この言葉がよく使われる場面としては、書物や新聞などのひとまとまりのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、書物や新聞などのひとまとまりを表わす場合に使うので、とても限定的な場面で使う言葉になっています。

「一部づつ」の例文

1.在校生も新入生も資料を一部づつ取って、好きな席に着席してしばらくお待ちください。
2.手数料400円の収入印紙を一部づつ貼って、ご提出くださいと案内されました。
3.注意点として、綺麗な状態でコピーしたい場合は一部づつコピーしてください。
4.こちらのソート機能を使えば、一部づつまとめて印刷してくれるので、印刷した後に、一部づつまとめ直す必要がありません。
5.自治体の回覧板に各戸一部ずつお取りくださいと書いてあったので、配布物を取り次の人へ回しました。
6.よく学校で先生がプリントを配るときに一部づつとって後ろに回すことがあるが、わたしはいつも周りと競って配っていたなとふと思い出がよみがえったのだ。
7.劇団公演のパンフレットを500人に観客に一部づつ行きわたらせるにはあと何回印刷して綴じなければいけないのかと考えてみたが、すこしうんざりした気持ちになった。
8.大学の図書館の書庫に入ってみたことがあったが、書籍ばかりではなく雑誌や新聞などが一部づつ丁寧に保管されていてとても驚いたことを覚えている。
9.新人の最初の仕事と言えばコピー取りだが、資料を一部づつお願いしますと言われてコピーしたのはいいが、ページが抜けてしまったなんてことはよくある失敗の一つだ。
10.今月は気になる同人イベントが目白押しで、好きな作家さんたちの新刊と既刊を一部づつ購入したいところなのだが、そうすると懐具合が厳しくなるので悩みどころだ。

この言葉がよく使われる場面としては、書物や新聞などのひとまとまりのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、書物や新聞などのひとまとまりを表わす場合に使うので、とても限定的な場面で使う言葉になっています。

「一部ずつ」と「一部づつ」という言葉は、どちらも書物や新聞などのひとまとまりのことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、現代仮名遣いである「一部ずつ」を使うようにしましょう。

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