【形成】と【成形】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「形成」(読み方:けいせい)と「成形」(読み方:せいけい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「形成」と「成形」という言葉は、どちらも「形づくること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




形成と成形の違い

形成と成形の意味の違い

形成と成形の違いを分かりやすく言うと、形成とはつくりあげて形にすること、成形とは決まった形にすることという違いです。

形成と成形の使い方の違い

一つ目の形成を使った分かりやすい例としては、「形成外科の診察を予約しました」「形成外科学会のホームページをチェックする」「思春期は子供から大人への人格形成過程の時期です」「女性のキャリア形成を支援します」などがあります。

二つ目の成形を使った分かりやすい例としては、「成形型で陶磁器の形をつくる」「環境に配慮した射出成形機を販売しています」「ホームセンターで成形炭を購入する」「成形炸薬弾は着弾時の速度によらず貫通力が一定です」などがあります。

形成と成形の使い分け方

形成と成形という言葉は、前後の漢字が入れ替わった熟語であり、どちらも何かを形づくることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

形成とは、「形成外科」「人格形成」のような使い方で、何かを組み立てたり、作りあげたりして形づけることを意味します。 決まった形や目指す形は統一されていないのですが、形づくることを言います。「キャリア形成」とは、その人が仕事を通してスキルや知識を高めることを指す言葉です。

成形とは、「射出成形機」「成形炭」のような使い方で、ある素材に一定の形をつけることを意味します。決まった形や目指す形があるものに使用する言葉であり、「成形炭」とは、粉炭などを一定の形状にした炭のことです。

つまり、形成とは決まった形や目指す形がないものに使用され、成形とは決まった形や目指す形があるものに用いられる言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

形成と成形の英語表記の違い

形成を英語にすると「formation」「gestation」「plastic」となり、例えば上記の「形成外科」を英語にすると「plastic surgery」となります。一方、成形を英語にすると「shaping」「molding」「forming」となり、例えば上記の「成形型」を英語にすると「forming mold」となります。

形成の意味

形成とは

形成とは、一つのまとまったものに作り上げること、形づくることを意味しています。

形成の読み方

形成の読み方は「けいせい」です。同じ読み方をする熟語に「形勢」や「形声」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。

形成の使い方

形成を使った分かりやすい例としては、「職場の近くに評判のいい形成外科があります」「形成外科と整形外科の違いを教えてください」「厚生労働省が提供するキャリア形成・リスキリング推進事業を活用する」などがあります。

その他にも、「スポーツは人格形成に役立つはずです」「栄養教育プログラムの形成的評価を行う」「人格形成のやり直しは可能でしょうか」「形成権は当事者の一方的な意思表示で完結します」などがあります。

形成の「形」は訓読みで「かたち」と読み、外に現れた姿を表し、「成」は訓読みで「なる」と読み、つくりあげることを表します。形成とは、形づくること、一つの整ったものに作り上げることを意味する言葉です。

表現方法は「形成外科」

形成を用いた日本語には「形成外科」があります。形成外科とは、身体の奇形や変形を手術によって治療する医学の一分野であり、やけどや傷あとを成形して社会生活への適応を助けることを目的としています。

「形成文字」は誤用

形成を用いた誤った表現には「形成文字」があります。正しくは「形声文字」で、意味を表す文字と音を表す文字とを組み合わせて作った文字のことです。

形成の類語

形成の類語・類義語としては、ある観念などから形をつくりだすことを意味する「造形」、形を整えて正常にすることを意味する「整形」、組み立てて築くことを意味する「構築」、いくつかの要素を一つのまとまりに組み立てることを意味する「構成」などがあります。

成形の意味

成形とは

成形とは、形づくること、また、ある形に作ること、形成を意味しています。

成形の読み方

成形の読み方は「せいけい」です。同じ読み方をする熟語に「成型」「整形」「政経」などがありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。

成形の使い方

成形を使った分かりやすい例としては、「息子は射出成形機のメーカーに就職しました」「成形機のスクリュー摩耗はトラブルの原因になります」「成形不良の主な原因と対策についてご説明します」などがあります。

その他にも、「感圧タイプの成形目地材を探しています」「キャンプ場で成形炭の使い方を教えてもらいました」「成形加工学会の秋季大会に参加しました」「成形炸薬弾は対戦車ミサイルに用いられています」などがあります。

成形とは、形づくることを意味し、一つのまとまりに形づくることを表す言葉です。「射出成形機」「成形炸薬弾」のような使い方で、素材を一定の形に加工することの意味で用いられ、ビジネスシーンで使用されることが多い言葉です。

表現方法は「成形炸薬弾」

上記例文にある「成形炸薬弾」(読み方:せいけいさくやくだん)とは、戦車を破壊するために設計された弾頭の一種であり、成形炸薬を用いた砲弾です。成形炸薬とは、成形されたくぼみのある円錐形の爆薬であり、爆発力が前方に集中するようになっています。

成形の類語

成形の類語・類義語としては、形のあるものをつくりだすことを意味する「造型」、型を用いて一定の形状に加工することを意味する「成型」、ある形ができあがることや形になることを意味する「形作る」などがあります。

形成の例文

1.この近くでおすすめの形成外科クリニックがありましたら、教えてもらえますか。
2.幼児期は人格形成の基礎が培われる重要な時期なので、よりよい家庭づくりを心がけています。
3.今の自分を形成する上で最も影響を受けたのは、やはり生まれ育った環境だと思います。
4.40代になってから資産形成を意識するようになり、NISAやiDeCoを始めました。
5.社会人として働きながらでも、十分な英語力を形成することは可能です。

この言葉がよく使われる場面としては、整った形に作りあげることを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「人格形成」とは、人の成長過程において人格が形づくられること意味します。例文4の「資産形成」とは、個人が財産を築き上げていくことです。

成形の例文

1.父は、プラスチック成形品の製造や保守サービスを行う会社で働いています。
2.精密プラスチック成形の海外研修に参加するため、先月から英語の勉強をしています。
3.いろいろと試行錯誤していますが、どうしてもパンの成形がうまくできません。
4.プラスチックの成形方法にはいくつかの種類があり、製品にあわせて使い分けられています。
5.弊社は、整形外科用部品を製造するために3Dプリントを利用した射出成形サービスを提供しています。

この言葉がよく使われる場面としては、統一のあるものに形づくること。一つの形につくりあげること、でき上がった形を表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「パンの成形」とは、パン作りの工程の一つで、最終的な形になるようパンの形状を整えることです。

形成と成形という言葉は、どちらも「形づくること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、つくりあげて形にすることを表現したい時は「形成」を、ある決まった形にすることを表現したい時は「成形」を使うようにしましょう。

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