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【的を射る】と【的を得る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「的を射る」(読み方:まとをいる)と「的を得る」(読み方:まとをえる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「的を射る」と「的を得る」という言葉は、どちらも上手く要点を掴むことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「的を射る」と「的を得る」の違い

「的を射る」と「的を得る」の意味の違い

「的を射る」と「的を得る」の違いを分かりやすく言うと、「的を射る」は辞書に載っている、「的を得る」は辞書に載っていないという違いです。

「的を射る」と「的を得る」の使い方の違い

一つ目の「的を射る」を使った分かりやすい例としては、「彼の指摘は的を射たものでした」「社長の的を射ない発言に憤りを覚えました」「彼女の発言は的を射ている」などがあります。

二つ目の「的を得る」を使った分かりやすい例としては、「この質問は的を得ている」「新商品のコンセプトは的を得ている」「彼の意見はいつも的を得ている」などがあります。

「的を射る」と「的を得る」の使い分け方

「的を射る」と「的を得る」はどちらも上手く要点を掴むことを意味する言葉ですが、あえて違いを挙げるならば、「的を射る」は辞書に載っている、「的を得る」は辞書に載っていないという違いです。

元々、的は「射る」ものであり「得る」ものではないという考えだったので、「的を得る」は誤用だという解釈がされていました。しかし、近年では捉えるなどの意味で「得る」を使うのも間違えではないとされ、誤用ではない説が一般的になっています。

「的を射る」と「的を得る」についての文化庁が発表した平成15年度に行われた国語に関する世論調査では、正しい使い方である「的を射る」を使う人が38.8%、誤用であるとされている「的を得る」を使う人が54.3%という逆転した結果が出ています。

また、文化庁が発表した平成24年度に行われた国語に関する世論調査では、正しい使い方である「的を射る」を使う人が52.4%、誤用であるとされている「的を得る」を使う人が40.8%という結果に変化しています。

平成24年度の調査結果では、本来正しいとされている「的を射る」を使っている人が多いものの、「的を得る」を使っている人が一定数おり、やはり誤用ではないと言えるのが現状です。

スピーチやメディアなどの公的な場面では正しい言葉である「的を射る」を使うのが推奨されていますが、日常生活などでは、「的を得る」を使っても問題ないと覚えておきましょう。

「的を射る」と「的を得る」の英語表記の違い

「的を射る」も「的を得る」も英語にすると「have a point」となり、例えば上記の「彼は的を得ている」を英語にすると「He has a point」となります。

「的を射る」の意味

「的を射る」とは

「的を射る」とは、上手く要点を掴むことを意味しています。

表現方法は「的を射た質問」「的を射たアドバイス」「的を射た回答」

「的を射た質問」「的を射たアドバイス」「的を射た回答」「的を射たことを言う人」などが、「的を射る」を使った一般的な言い回しになります。

「的を射る」の使い方

「的を射る」を使った分かりやすい例としては、「彼女の的を射る批評には感心する」「的を射た発言は周りの表情を一気に変えました」「彼の意見は非常に的を射ていると思います」などがあります。

「的を射る」は上手く要点を掴むことを意味し、褒め言葉として使うことが多いプラスのイメージを持っている慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。

「的を射る」の由来

「的を射る」の「的」とは弓や銃砲などの発射の練習の目標にする道具のことを意味しており、元々は弓の矢や鉄砲の弾を目標に上手く当てるという意味で使われている言葉でした。現代ではこの意味が転じて、上手く要点を掴むことの意味で使うのが一般的になっています。

「的を射る」の類語

「的を射る」の類語・類義語としては、心に強く感じることを意味する「胸に応える」、物事の本質や重要な部分に触れることを意味する「核心を突く」、物事の急所を正確に突くことを意味する「正鵠を射る」(読み方:せいこくをいる)などがあります。

「的を得る」の意味

「的を得る」とは

「的を得る」とは、上手く要点を掴むことを意味しています。

表現方法は「的を得たアドバイス」「的を得た回答」「的を得たことを言う人」

「的を得たアドバイス」「的を得た回答」「的を得たことを言う人」「的を得ない質問」などが、「的を得る」を使った一般的な言い回しになります。

「的を得る」の使い方

「的を得る」を使った分かりやすい例としては、「彼女の指摘は的を得ている」「彼女の意見は非常に的を得ていると思います」「話の大筋は的を得ている」「彼は非常に的を得た指摘をしてくる」などがあります。

「的を得る」は誤用説があるので使用時に注意

「的を得る」は上記の違いの所でも書いたように、「的を射る」の誤用とされている言葉でした。しかし、「得る」には理解するや捉えると意味も含んでおり、間違えとは一概には言えなくなってきています。

また、「射る」よりも「得る」の方が発音しやすいため、多くの人が「的を得る」の方を使っていたというのも誤用ではないと言われるようになった要因の一つです。

ただし、「的を得る」は一部の辞書にしか載っておらず、広く認められた言葉ではないので、スピーチやメディアなどの公的な場面では使わないようにしましょう。日常生活においては使っても何も問題はありません。

「的を得る」の類語

「的を得る」の類語・類義語としては、予測や見当などがあたることを意味する「的中する」、物事の真相や裏面を見抜くことを意味する「看破する」、表に現れない真実や本質を知ることを意味する「見抜く」、物事の急所を正確に突くことを意味する「正鵠を得る」などがあります。

「的を射る」の例文

1.あなたはあまり喋らないが、喋れば的を射るので高く評価しています。
2.的を射る発言をされてしまったので、私は反論することができませんでした。
3.この政策はかなり的を射ていると思うので、成功すると確信しています。
4.生徒からの的を射た質問によって、教場の緊張感が高まりました。
5.的を射る発言を毎回するので、彼には逆らわない方がいいだろう。
6.授業では生徒は的を射た質問をしたら、「いい質問ですね!」と褒めてくれるので、生徒たちは的を射た質問をしようと毎日いろいろ考えているのだそうだ。
7.先輩から弓道でしっかり的を射るためには的を射ることへの執着を捨てることが重要で、そうでなければきっとつらく厳しいものになるだろうと言われた。
8.傍からみていたら彼女の回答はとても的を射ていたが、それを受け取る側の能力が高くなかったので、どの意見はうやむやにされてしまったのだった。
9.友達は成績も優秀で、頭の回転が速く、いつも的を射たアドバイスをしてくれるので、なにか悩み事や困り事があるときは、いつも相談してしまうほどだ。
10.あいつは常に的を射ることをいうのはいいのだが、それによって自身が的にされているリスクには無頓着で、非常に危なっかしいところがあるな。

この言葉がよく使われる場面としては、上手く要点を掴むことを表現したい時などが挙げられます。

「的を射る」は辞書に載っている言葉なので、様々な場面で使うことができます。

「的を得る」の例文

1.彼女は発言は毎回的を得ているので、とても信頼しています。
2.的を得た解釈ではあるが、もう少し議論する必要がありそうです。
3.生徒の的を得た質問に、長年教師をやっている私も脱帽です。
4.新たな企画書を提出したが、部長の意見は的を得ていたので作り直しだ。
5.先生が言うことはいつも的を得ているので、心から尊敬しています。
6.記者会見ではどこかの記者が不遜な態度で的を得ない質問ばかりしているので、視聴者たちはいったい誰があんな質問をしているのかと憤っていたのだ。
7.会社の事業を引き継ぐ際に先代から口を酸っぱくしていってきたことは、イエスマンだけを置くのではなく、的を得たことをいう人を大事にしたほうがいいとのことだった。
8.このプロジェクトはすぐにやめるべきだという指摘は的を得ていたが、すでに手遅れで誰も男の発言を真に受けようとせずにそのままプロジェクトは進んでしまった。
9.彼は年下にもかかわらず誰に対しても歯に衣着せぬことをいうのだが、ただ発言は的を得ているので誰も彼の発言には反発できないのだ。
10.たしかに男の話の大筋は的を得ているが、なにかしらの証拠が見つからないことにはその話の信ぴょう性はまったくないということになってしまうだろうよ。

この言葉がよく使われる場面としては、上手く要点を掴むことを表現したい時などが挙げられます。

「的を得る」は辞書に載っていない言葉なので、使う場面は選ぶようにしましょう。

「的を射る」と「的を得る」どちらも上手く要点を掴むことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、スピーチやメディアなどの公的な場面では辞書に載っている「的を射る」を、それ以外の場合は「的を射る」「的を得る」どちらを使っても問題ないと覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
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