【この後に及んで】と【この期に及んで】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「このごにおよんで」という読み方の「この後に及んで」と「この期に及んで」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「この後に及んで」と「この期に及んで」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「この後に及んで」と「この期に及んで」の違い

「この後に及んで」は「この期に及んで」の間違い

「この後に及んで」と「この期に及んで」の違いを分かりやすく言うと、「この後に及んで」とは「この期に及んで」の間違った使い方、「この期に及んで」とはいよいよ物事が決まる段階になってのことです。

「この後に及んで」は誤字

一般的には「この後に及んで」という言葉は存在しません。読み方が同じなことから、「この期に及んで」のことを間違えて「この後に及んで」を使っている人がほとんどです。

「この期に及んで」は正しい日本語

正しい言葉である「この期に及んで」を使った分かりやすい例としては、「この期に及んで言い訳するなんて見苦しいです」「あなたはこの期に及んでまだそんなことを言っているのですか」「この期に及んで辞めるだなんてどういうことだ」などがあります。

「この期に及んで」という言葉はあっても、「この後に及んで」という言葉は存在しません。同時に「この期に及んで」という単語の意味について「いよいよ物事が決まる段階になってのこと」と覚えておきましょう。

「この期に及んで」の英語表記

「この期に及んで」を直訳した英語はありませんが、近い表現として「at the last moment」「at this point in time」などがあります。

「この後に及んで」の意味

「この後に及んで」とは

「この後に及んで」とは、「この期に及んで」の間違った使われ方です。

「この後に及んで」が間違っている理由

「この後に及んで」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が同じなため、「この期に及んで」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「この後に及んで」と「この期に及んで」を間違ってしまう理由としては、「この後」と「この期」の読み方が同じなのが原因です。ただし、「この後に及んで」は間違った表現なので使わないように注意しましょう。

ではなぜ「この後に及んで」が間違った言葉かというと、「この後」と「この期」の意味の違いです。「この後」とは今後のことを意味しているので、「この後に及んで」とすると、今後の段階になるという少し意味不明な言葉になってします。

一方、「この期」はいよいよという場合ということを意味しているので、「この期に及んで」とすると、いよいよ物事が決まる段階になってのことの意味で使うことができます。つまり、正しい日本語は「この期に及んで」なのです。

「この後」の使い方

間違った言葉である「この後に及んで」の「この後」を使った分かりやすい例としては、「この後はどうするつもりですか」「彼はサッカー選手になったこの後活躍するだろう」「この後は予定が入っています」などがあります。

「この期に及んで」の意味

「この期に及んで」とは

「この期に及んで」とは、いよいよ物事が決まる段階になってのことを意味しています。

「この期に及んで」の漢字表記

「この期に及んで」を漢字にすると、「此の期に及んで」と表記することができます。

「この期に及んで」の読み方

「この期に及んで」の読み方は「このごにおよんで」です。誤って「このきにおよんで」などと読まないようにしましょう。

「この期に及んで」の使い方

「この期に及んで」を使った分かりやすい例としては、「この期に及んで諦めるなんてなんということだ」「この期に及んで何を言っているんだ」「この期に及んでまだ白を切るのか」「この期に及んで仕事を投げ出すなんてありえません」などがあります。

「この期に及んで」はいよいよ物事が決まる段階になってのことを意味する慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。

「この期に及んで」はタイミング的に遅いというニュアンスがある言葉です。そのため、何か差し迫った場面においてよく使われていると覚えておきましょう。

「この期に及んで」はビジネスシーンでも使える

「この期に及んで」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉で、「この期に及んで大変申し訳ないのですが」のような言い回しで、急ぎの仕事や大変な仕事などの無理な頼み事をする際によく使われています。

「この期に及んで」の類語

「この期に及んで」の類語・類義語としては、もっと早ければともかく今となっては遅すぎることを意味する「今更」、時間に遅れた時や意外な時などにあきれた気持ちをこめて用いることを意味する「今頃になって」などがあります。

「この後に及んで」の例文

1.「この後に及んで」という言葉は存在しないので、おそらく「この期に及んで」の言い間違いだろう。
2.「この期に及んで」という言葉はいよいよ物事が決まる段階になってのことで、「この後に及んで」という言葉はない。
3.「この後に及んで」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.この後に及んで拒否されても困りますという言葉を使う人はいるが、正しくはこの期に及んで拒否されても困りますです。
5.この期に及んで引き返すことは許されませんという言葉はあるが、この後に及んで引き返すことは許されませんという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「この期に及んで」という言葉を間違えて「この後に及んで」と表現している時などが挙げられます。

「この後に及んで」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「この期に及んで」を間違えて使っている可能性が高いです。

「この後に及んで」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「この後に及んで」ではなく、「この期に及んで」と表現するのが正しい使い方になります。

「この期に及んで」の例文

1.夏休みも残り3日だというのに、息子はこの期に及んでまだ宿題をやっていない。
2.期末試験はもう明日なので、この期に及んで慌てても仕方がないだろう。
3.浮気の証拠があるのにこの期に及んでシラを切るなんて、往生際が悪いと思う。
4.この期に及んで大変申し訳ないのですが、キャッチフレーズの変更をお願いいたします。
5.面接までもう少しだが、この期に及んで対策が完璧ではないので、面接中が思いやられる。

この言葉がよく使われる場面としては、いよいよ物事が決まる段階になってのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「この期に及んで」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「この後に及んで」と「この期に及んで」どちらを使うか迷った場合は、「この後に及んで」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「この期に及んで」を使うようにしましょう。

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