似た意味を持つ「豪奢」(読み方:ごうしゃ)と「豪華」(読み方:ごうか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「豪奢」と「豪華」という言葉は、どちらも「贅沢で派手なさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
豪奢と豪華の違い
豪奢と豪華の意味の違い
豪奢と豪華の違いを分かりやすく言うと、豪奢とは贅沢な暮らしぶりを表す文語的表現、豪華とは贅沢で派手な様子を表す口語的表現という違いです。
豪奢と豪華の使い方の違い
一つ目の豪奢を使った分かりやすい例としては、「王侯貴族は豪奢な城で暮らしていました」「豪奢な調度品を買い揃える」「大富豪は豪奢を極めた生活を送っている」「豪奢なつくりの和風建築であった」などがあります。
二つ目の豪華を使った分かりやすい例としては、「この夏は豪華客船で日本一周する予定です」「豪華絢爛なウエディンドレスに憧れる」「豪華クルーズ船の楽しみ方を教えます」「クイズに応募して豪華賞品を当てよう」などがあります。
豪奢と豪華の使い分け方
豪奢と豪華という言葉は、どちらも金銭を惜しまずに贅を尽くして派手な様子を表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
豪奢とは、はなはだ贅沢で派手なさまを意味します。主に、暮らしぶりが非常に贅沢で派手であることを表し、生活全般や住んでいる場所などに対して使用されています。日常会話などの話し言葉にはあまり用いられず、文章を書くときに用いられる書き言葉です。
豪華とは、贅沢で華やかなこと、きらびやかで派手なことを意味します。豪華という言葉は、日常的な話し言葉であり、「豪華客船」「豪華賞品」などのように、暮らしぶりとは関係のない物事に対しても使用される言葉です。
つまり、豪奢とは暮らしぶりが贅沢であるさまの意味で用いられる文章語であり、豪華とは贅沢で派手なことを意味する話し言葉です。二つの言葉を比べると、豪奢よりも豪華の方が、さまざまなシーンで幅広く使える表現だと言えるでしょう。
豪奢と豪華の英語表記の違い
豪奢も豪華も英語にすると「luxury」「extravagance」「gorgeous」となり、例えば上記の「豪奢にふける」を英語にすると「roll in luxury」となります。
豪奢の意味
豪奢とは
豪奢とは、非常に贅沢で派手なことを意味しています。
豪奢の読み方
豪奢の読み方は「ごうしゃ」です。誤って「こうしゃ」「ごうちょ」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「豪奢品」「豪奢な」
「豪奢品」「豪奢な」などが、豪奢を使った一般的な言い回しです。
豪奢の使い方
豪奢を使った分かりやすい例としては、「豪奢なホテルに滞在しました」「豪奢な長椅子に腰を掛ける」「豪奢な生活を続けていては破産してしまう」「マティスの作品に中では豪奢、静寂、逸楽が好きです」などがあります。
その他にも、「元大統領は豪奢な生活を送っている」「豪奢な旅行をして優雅に暮らす」「資産家は豪奢な館で暮らしている」「豪奢なドレスに着替えてパーティーに向かう」「宝石が散りばめられた豪奢な鍵を拾いました」などがあります。
豪奢の「豪」は並はずれているさま、能力や財力などが抜きんでているさまを表す漢字です。「奢」は訓読みで「おごる」と読み、贅沢をすることを表します。豪奢とは、おごって派手なこと、非常に贅沢な様子を意味する言葉です。
豪奢という言葉は、基本的に暮らしぶりが贅沢であることについて用いられます。生活全般について贅を尽くしている様子を表します。そのため、一点豪華主義のような特定の贅沢や、暮らしぶりとは関係がない贅沢について、「豪奢」と表現することはほとんどありません。
「豪奢、静寂、逸楽」の意味
上記の例文にある「豪奢、静寂、逸楽」とは、フランスの画家「アンリ・マティス」制作した油彩画の作品名です。フォーヴィスムの出発点となったマティスの作品の基礎であり、芸術史の中でも中心的な作品と言われています。
豪奢の対義語
豪奢の対義語・反対語としては、贅沢でなくつつましくて倹約なことを意味する「質素」、地味で質素であることを意味する「つましい」などがあります。
豪奢の類語
豪奢の類語・類義語としては、並み外れて贅沢なことを意味する「豪勢」、華やかで美しいことを意味する「華美」、きらびやかなさまを意味する「絢爛」、華やかで贅沢なさまを意味する「ゴージャス」などがあります。
豪華の意味
豪華とは
豪華とは、贅沢で、派手なことを意味しています。
表現方法は「豪華なもの」「豪華な食事」「豪華さ」
「豪華なもの」「豪華な食事」「豪華さ」「豪華なもの」「豪華な食事」「豪華さ」などが、豪華を使った一般的な言い回しです。
豪華の使い方
豪華を使った分かりやすい例としては、「いつか豪華客船で世界一周してみたい」「豪華客船の値段は部屋のグレードにより違います」「全室スイートの豪華列車で旅をする」「豪華絢爛な美術品を鑑賞しました」などがあります。
その他にも、「彼はドラマで見るような豪華な家に住んでいる」「豪華なフレームに写真を入れる」「世界の豪華客船ランキングをチェックする」「英語の教室に豪華な設備は必要ないでしょう」などがあります。
豪華とは、華やかで立派なこと、派手で贅沢なことを意味します。きらびやかさや華やかさを感じさせる物事について用いられる言葉です。贅沢な食事から、派手な装飾を施し贅を尽くした列車や船まで、さまざまな事物に対して使用されています。
「豪華絢爛」の意味
豪華を用いた四字熟語には「豪華絢爛」(読み方:ごうかけんらん)があります。豪華絢爛とは、贅沢できらびやかであること、きらきら輝いて派手なことを意味します。「豪華」と「絢爛」を入れ替えて「絢爛豪華」とも言います。
豪華の対義語
豪華の対義語・反対語としては、飾りけがなく質素なことを意味する「簡素」、華やかさがなく目立たないことを意味する「地味」などがあります。
豪華の類語
豪華の類語・類義語としては、華やかで美しいことや派手やかなことを意味する「華麗」、華やかで輝くばかりに美しいさまを意味する「きらびやか」、豪華なさまや高級で贅沢なさまを意味する「デラックス」などがあります。
豪奢の例文
この言葉がよく使われる場面としては、大いに贅沢で、派手なことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、豪奢の慣用的な慣用的な表現には「豪奢な暮らし」「豪奢な生活」「豪奢品」などがあります。「豪奢品」とは、非常に贅沢で派手な品物を意味します。
豪華の例文
この言葉がよく使われる場面としては、華やかで立派なこと、派手で贅沢なこと、驕奢、奢侈を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、豪華という言葉は、対象となるものを選ばずに広く使用できます。例文3の「豪華メンバー」とは、構成するメンバーが豪華な顔ぶれであることを意味し、人気がある人物や優れた人物から成る集団を表します。
豪奢と豪華という言葉は、どちらも贅沢で派手な様子を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、非常に贅沢な暮らしぶりを書き言葉で表現したい時は「豪奢」を、贅沢で華やかなさまを話し言葉で表現したい時は「豪華」を使うようにしましょう。