【方言】と【訛り】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「方言」(読み方:ほうげん)と「訛り」(読み方:なまり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「方言」と「訛り」という言葉は、どちらもある特定の地域の言語体系のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「方言」と「訛り」の違い

「方言」と「訛り」の意味の違い

「方言」と「訛り」の違いを分かりやすく言うと、「方言」とは標準語とは異なる言い回しのこと、「訛り」とは標準語とは異なる発音のことという違いです。

「方言」と「訛り」の使い方の違い

一つ目の「方言」を使った分かりやすい例としては、「北海道の方言を勉強することにしました」「彼は怒ると方言が出てきます」「上京してきて30年経つので方言を忘れてしまった」「彼は田舎の方言で話す」などがあります。

二つ目の「訛り」を使った分かりやすい例としては、「言葉の訛りを直したいです」「彼はとても訛りが強い人です」「彼女から土地の訛りは一切感じられませんでした」「彼女の日本語は外人なまりがある」などがあります。

「方言」と「訛り」の使い分け方

「方言」と「訛り」はどちらもある特定の地域の言語体系のことを意味していますが、使い方に少し違いあるので注意が必要です。

結論から言うと、「訛り」は「方言」を特徴づける要素なので、「訛り」のことを「方言」と言っても間違いではありません。

「方言」は共通語や標準語に対してある地方で用いられる特有の言葉のことを指しており、発音から言い回しまで含んでいます。一方、「訛り」は共通語や標準語に対してある地方で用いられる特有の発音のことを指しており、発音の要素しか指していないのが特徴です。

つまり、「なまら」や「おいでやす」のように標準語とは異なる言い回しを使ってる場合は「方言」を使い、標準語と異なるアクセントやイントネーションを使っている場合は「訛り」を使うと覚えておきましょう。

「方言」と「訛り」の英語表記の違い

「方言」を英語にすると「dialect」となり、例えば上記の「彼は田舎の方言で話す」を英語にすると「He speak in a local dialect」となります。

一方、「訛り」を英語にすると「accent」となり、例えば上記の「彼女の日本語は外人なまりがある」を英語にすると「She speaks Japanese witha foreign accent」となります。

「方言」の意味

「方言」とは

「方言」とは、共通語や標準語に対してある地方で用いられる特有の言葉のことを意味しています。

表現方法は「方言を話す」「方言を直す」「方言が出る」

「方言を話す」「方言を直す」「方言が出る」などが、方言を使った一般的な言い回しです。

「方言」の使い方

「方言」を使った分かりやすい例としては、「沖縄の方言を勉強することにしました」「彼女が話す方言はとても可愛らしい」「会社ではなるべく方言を言わないように心掛けています」「彼は方言ばかり使うので何を言ってるか分からない」などがあります。

「方言」は博多弁、関西弁、東北弁などを指す

「方言」とは共通語や標準語に対してある地方で用いられる特有の言葉のことを意味しています。つまり、博多弁、関西弁、東北弁などのように〇〇弁と言われている言葉のことです。

「方言」はその地域に住んでいる人たちによって育まれてきた独特の言語体系になります。そのため、標準語とは異なる言い回しが多く、理解するのが難しい言葉があるのも特徴です。

「方言」の類語

「方言」の類語・類義語としては、その土地特有の単語や言い回しのことを意味する「俚言」(読み方:りげん)、その人の故郷で使われている言葉のことを意味する「国言葉」などがあります。

「訛り」の意味

「訛り」とは

「訛り」とは、ある地方特有の発音のことを意味しています。

表現方法は「訛りがある」「訛りが強い」「訛りを直す」

「訛りがある」「訛りが強い」「訛りを直す」などが、「訛り」を使った一般的な言い回しです。

「訛り」の使い方

「訛り」を使った分かりやすい例としては、「この地域に住んでる人々は訛りがとても強い」「彼女の言葉聞いているとどこか関西訛りがある」「来月から上京するので訛りを無くす努力をしている」などがあります。

「訛り」はアクセントやイントネーションの違いを指す

「訛り」はある地方特有の発音のことを意味しています。つまり、標準語で使わている言葉であってもアクセントやイントネーションが標準語と異なっている場合は「訛り」と言います。

「訛り」の特徴としては、発音の部分だけに着目している点です。特定の地域でのみ使われており、標準語で使われていない言い回しであれば、それは「訛り」ではなく「方言」になると覚えておきましょう。

「訛り」の類語

「訛り」の類語・類義語としては、訛りのある発音のことを意味する「訛音」(読み方:かおん)、その地方特有のアクセントや発音のことを意味する「国訛り」(読み方:くになまり)などがあります。

「方言」の例文

1.どげんしよったやなんしよーとは、所謂博多弁で方言になります。
2.今年の夏は秋田県に旅行へ行く予定なので、方言の勉強をしている。
3.高度経済成長期後になると、方言に対する意識に変化が見られるようになりました。
4.私は田舎から上京してきたことを隠すために、方言を一切話さないように心掛けています。
5.上京してきたばかりで方言しか喋れないので、何かと困ることが多いです。

この言葉がよく使われる場面としては、共通語や標準語に対してある地方で用いられる特有の言葉のことを表現したい時などが挙げられます。

例文1のように「方言」は○○弁と置き換えることができます。

「訛り」の例文

1.私は声優を目指しているので、言葉の訛りを直そうと努力しています。
2.彼女は東北地方出身で、とても訛りが強い話し方をします。
3.上京して知り合った友人と漫才コンビを組んだものの、お互い訛りが強かったため上手くいかず解散になりました。
4.彼は普段は普通に話すが、お酒が入って酔っ払うと訛りが凄いです。
5.同じ日本語でも訛りがあるように、英語でも地方によって違いがあります。

この言葉がよく使われる場面としては、ある地方特有の発音のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように「訛り」はビジネスシーンにおいてあまり認められていません。

「方言」と「訛り」はどちらもある特定の地域の言語体系のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、標準語と異なる言い回しを表現したい時は「方言」を、標準語と異なる発音を表現したい時は「訛り」を使うと覚えておきましょう。

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