【御一方】と【御二方】と【御三方】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「御一方」(読み方:おひとかた)と「御二方」(読み方:おふたかた)と「御三方」(読み方:おさんかた)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「御一方」と「御二方」と「御三方」という言葉は、相手の人数によって変動する敬語表現という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




御一方と御二方と御三方の違い

御一方と御二方と御三方の意味の違い

御一方と御二方と御三方の違いを分かりやすく言うと、御一方は相手の一人を表現する時に使い、御二方は相手の二人を表現する時に使い、御三方は相手の三人を表現する時に使うという違いです。

御一方と御二方と御三方の使い方の違い

御一方という言葉は、「もう御一方はお車でお待ちになられています」「御一方による多量購入はお断りさせて頂く場合がございます」などの使い方で、一人に対する敬語表現として使われます。

御二方という言葉は、「御二方はこちらへどうぞと案内された」「帽子を被られている御二方は帽子を外してから中へお入りください」などの使い方で、二人に対する敬語表現として使われます。

御三方という言葉は、「御三方とも出身が同じだと伺いました」「袴姿の女学生御三方を写真に収めさせてもらう」などの使い方で、三人に対する敬語表現として使われます。

上の表現は、単に一人、二人、三人を意味することもありますが、相手の集団の中の一人、二人、三人を表す時にも使います。

4人の敬語表現の御四方という言葉はない

相手の集団の四人を敬う時に使う「御四方」(読み方:およんかた)を使う人も稀にいるようですが、四人以上を敬う表現は基本的にはありません。

そのため、四人以上の場合には「皆様」「皆々様」であったり、「四名様」「五名様」など人の数に合わせて変えられることがほとんどです。

御一方の意味

御一方とは

御一方とは、一人を敬っていう語を意味しています。

御一方の読み方

御一方は「おひとかた」という読み方をしますが、「ごいっぽう」や「ごひとかた」という読み方はしません。

御一方の使い方

元となった「一方」(読み方:ひとかた)という言葉には、程度が普通である様子や、一つの方向に偏り様子と言った意味がありますが、「御一方」は一人の相手や、もう片方の人など人数に使われることがほとんどです。

そのため、「一人一人」や「一方一方」(読み方:ひとかたひとかた)という表現を「御一方御一方」に変えることができます。

この表現は、一人一人、それぞれといった意味であるため、「一人一人」や「一方一方」と同じように使うことができますが敬語表現のため通常の会話ではほとんど使われません。

御二方の意味

御二方とは

御二方とは、二人を敬っていう語を意味しています。

御二方の読み方

御二方は「おふたかた」という読み方をしますが、「ごふたかた」や「ごじほう」などの読み方はしません。

表現方法は「御二方ともよろしく」「御二方のご都合」

「御二方ともよろしく」「御二方のご都合」「御二方ともありがとうございます」などが、御二方を使った一般的な言い回しです。

御二方の使い方

元となった「二方」(読み方:ふたかた)という言葉には、二つの方面や両方と言った意味がありますが、「御二方」は二人の相手に使われることがほとんどです。

御二方は相手の二人を敬う表現となるため、相手をしている対象が三人以上である場合は、「女性御二方」「眼鏡を掛けた御二方」などのように、どんな二人なのかを明示しなければなりません。

目上の人にも使うことができる敬語表現ではありますが、上の例のように対象が明確になっていない状態で複数人に送信したメールでは「御二方」が誰を指しているのかわからなくなり、失礼に当たることもあります。

ビジネスシーン以外では御二方ではなくお二人

敬語表現であるため、日常生活でも使うことはできるものの、目下の人や子どもに対して使うにはふさわしくない言葉であるため、その場合には「お二人」などの言い方に変える方が好ましいです。

御二方の類語

御二方の類語・類義語としては、両方の人を意味する「両名」、関係する者の両方を意味する「双方」があります。

御三方の意味

御三方とは

御三方とは、三人を敬っていう語を意味しています。

御三方の読み方

御三方は「おさんかた」という読み方をしますが、「ごさんかた」や「ごさんぼう」などの読み方はしません。

表現方法は「御三方、どうもありがとうございました」

「御三方、どうもありがとうございました」などが、御三方を使った一般的な言い回しです。

御三方の使い方

相手の三人を敬う表現となるため、相手をしている対象が四人以上であり、そのうちの三人を表したい場合は、「男性御三方」「手伝ってくれた御三方」などのように、どんな三人なのかを明示する必要があります。

目上の人にも使うことができる敬語表現ではありますが、対象が明確になっていない状態で複数人に送信したメールでは「御三方」が誰を指しているのかわからなくなるため、失礼に当たる場合があります。

御三方の類語

御三方の類語・類義語としては、大勢の人を対象にしてその一人ひとりを敬っていう言葉である「各位」(読み方:かくい)、ある方面で有力であったり有名な三人を意味する「御三家」(読み方:ごさんけ)があります。

御一方の例文

1.本日も御一方、ご予約を頂いているため時間までに準備を済ませておく。
2.複数人でのご参加は可能ですが、御一方が取り止めとなる場合にはキャンセル料を頂きます。
3.御一方、御一方のご要望の声に合わせた商品を作らせて頂くシステムが好評である。
4.もう御一方まだ到着されていないようなので、大変申し訳ありませんが、皆さまもう少しお待ちください。
5.お店では人気商品のために御一方による大量購入は禁止されていたので、わたしたちは仲間を集い大量購入をしようとたくらんでいたのだ。
6.番組ではゲストが御一方いらっしゃるということで、皆誰かと期待していたのだが、いつものメンバーが扮装しているだけだったのでブーイングが飛び交った。

この言葉がよく使われる場面としては、一人に対する敬語表現を意味する時などが挙げられます。

例文3の「御一方、御一方」は「一人一人」の敬語表現です。

御二方の例文

1.ご予約頂いた御二方はすぐお入り頂けますので、ご案内致します。
2.私個人としては、是非御二方のご意見を伺いたく思います。
3.今挙げた候補のうち、御二方の作品を選出し、展示会の作品として加えようと考えています。
4.続きましてゲストの御二方よりご挨拶と、今回の舞台にゲスト出演しての感想を伺いたいと思います。
5.広報担当者に御二方はこちらへどうぞと会議室に案内されたのだが、こんなだだっ広い会議室に二人だけで座っているのはどうも居心地が悪かった。
6.結婚式の打ち合わせに関しては、プランナーさん曰く御二方のご都合もありますので、すぐにはとは言いませんが、一度こちらへいらして対面でしてほしいということだった。

この言葉がよく使われる場面としては、二人に対する敬語表現を意味する時などが挙げられます。

会話をする対象の二人でなくとも、例文3のように選択肢が明確であれば、「うち二人」のような使い方をすることもできます。

御三方の例文

1.司会者が、ゲストの御三方に話を伺ってみましょうと言った瞬間に、カメラがゲストを写した。
2.一人では勇気が出なかったため、ここまで支えてくれた御三方には頭が上がらない。
3.御三方とも同じ意見を主張したが、そこに至るまでの過程が違っており面白いと感じた。
4.御三方とも出身地が同じと聞きましたが、よく集まったりしているのですかと伺うと、それぞれ仕事が忙しくてなかなか会えないと嘆いていた。
5.先日鑑賞した演劇は舞台の臨場感に加え、役者の御三方の名演に飲み込まれてしまい、完全に作品の世界観に没頭してしまうほど素晴らしいものだった。
6.番組では大御所の声優の御三方に同じキャラクターを演じてもらっていたが、それぞれが個性的でしっかりと魅力的なキャラクターを演じられていてすごいと感心してしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、三人に対する敬語表現を意味する時などが挙げられます。

どの例文の「御三方」もこの状態が敬語表現であるため、「御三方様」など他の敬称は基本的には付けずに使います。

御一方と御二方と御三方どれを使うか迷った場合は、相手の一人を表す場合は「御一方」を、相手の二人を表す場合は「御二方」を、相手の三人を表す場合は「御三方」を使うと覚えておけば間違いありません。

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