【論じる】と【論ずる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「論じる」(読み方:ろんじる)と「論ずる」(読み方:ろんずる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「論じる」と「論ずる」という言葉は、道筋を立てて述べることを意味するという共論点があり、使う場面は少し違いますが混同して使われる傾向があります。



論じると論ずるの違い

論じると論ずるの意味の違い

論じると論ずるの違いを分かりやすく言うと、辞書に載っている現代風の読み方か、古い読み方かの違いです。「論じる」と「論ずる」は、どちらも同じ意味を持つ言葉で、現代では「論じる」の方を一般的な読み方として使用しています。

論じると論ずるの使い方の違い

一つ目の論じるを使った分かりやすい例としては、「この大学では課題やレポートの提出などで論じる場合が多い」「上手に比較して論じる方法を知りたい」「今回のレポートでは十分に論じることができなかった」「あなたの考えを自由に論じなさい」「市長の役割とは何かについて論じなさい」「いつも小論文の書き出しをうまく論じることができない」などがあります。

二つ目の論ずるを使った分かりやすい例としては、「論ずるより産むがやすし」「話にならず論ずるに値しない」「自由に論ずるレポートが一番難しい」などがあります。

論じると論ずるの2つが存在する理由

なぜ、論「じる」と論「ずる」という二種類の語尾が存在するのか。これは、日本語の口語文法と文語文法の決まりによる違いがあるからです。口語文法とは、しゃべり言葉のことで、文語文法とは、文章で書く際の言葉という意味です。

これらの日本語文法には「活用法」という考え方があります。活用法とは、文章の流れによって単語の語尾を違和感のないように変えることを意味します。

まさしく「論じる」「論ずる」のように、最初の言葉は同じであっても語尾が違う言葉が存在するのは、活用法によって文脈に合うかたちで語尾が変えられているからです。

論じる、論ずるという言葉は「サ行変格活用」という活用法によって、語尾を変えています。サ行変格活用では、文章の流れによって語尾をサ行の言葉である「さしすせそ」を元にして変えていきます。

「論じる」「論ずる」という言葉の場合、「論」という先頭の言葉はそのままに、語尾を「未然形:じ」「連用形:じ」「終止形:じる・ずる」「連体形:じる・ずる」「仮定形:じれ・ずれ」「命令形:じろ・じよ・ぜよ」という風に変化させます。

語尾の変化の形である未然形や連用形などの名称は、その言葉がどのような文脈で使われているかの形のことを指しています。例えば「未然形」というのは「まだそうなってはいない」という意味を持ち、否定形と一緒に使われます。

つまり、論じるの未然形の表現は「論じない」となります。変化しない先頭の「論」に未然形の「じ」をつけて、最後に否定形の「ない」を付けた形です。

このように、日本語には、様々な文法上の決まりがあります。「論じる」「論ずる」というのは、両方ともこの文法で言うところの「終止形」です。

終止形というのは、言い切りの形という意味があります。文章ではなく、ひとつの単語として使う際には終止形を使います。

論じると論ずるの使い分け方

「論」の終止形には「じる」と「ずる」の二種類があります。これが「論じる」と「論ずる」の違いです。二種類の語尾がある場合、どちらを使っても間違いではありませんが、どちらか一方が、一般的に使われているものであることがほとんどです。

「論」の場合、辞書に記載されているのは「論じる」という言葉です。こちらが、現代では一般的に使用されている言葉であり、「論ずる」というのは古い言い方になります。

しかし、意味に違いはありませんし、どちらも文法的には使えるものですので、個々人の好みや文章の前後の文脈などを考えて、自由に使い分けが出来るものであると言えます。

論じるの意味

論じるとは

論じるとは、道筋を立てて述べることを意味しています。

論じるの使い方

論じるを使った分かりやすい例としては、「論じることを難しく考えている学生が多い」「日本の文化については論じることができる」「憲法についてあなたの考えを自由に論じなさい」「自分の意見で論じることが大切」「小論文の語尾はである調で論じるルールとなっている」などがあります。

その他にも、「学生には文献や資料を見ずに論じるように伝えている」「論じるまでもなく明らかである」「今回は論じる価値もない」「ここに至るまであらゆる方法で論じた」「論じる対象が誰なのかをまずは考える」などがあります。

論じるの類語

論じるの類語・類義語としては、集まって意見を交わすことを意味する「議する」、複数人で会話することを意味する「話し合う」などがあります。

論じるの論の字を使った別の言葉としては、論じ述べることを意味する「論述」、言い争うことを意味する「論争」、根拠がしっかりした議論を意味する「確論」、両者の意見を述べるを意味する「議論」、最終的な判断を意味する「結論」などがあります。

論ずるの意味

論ずるとは

論ずるとは、論じるという言葉の少し古い言い方を意味しています。論ずるというのは「論ず」という言葉のサ行変格活用の終止形です。

論ずるの使い方

論ずるを使った分かりやすい例としては、「是非を論ずる」「演劇を論ずる」「これからの日本を論ずる」などがあります。

論ずるは辞書に載っていない

意味としては、論じると全く同じものであり、文章の前後の文脈などによって使い分けることが出来るものです。辞書には「論じる」は載っていても、「論ずる」という言葉は載っていないことが多く、論ずるは現代語よりも少し古い表現です。

しかし、意味は同じであるので、「論じる」「論ずる」のどちらを使っても間違いではありません。古風な雰囲気を出したい時などには、あえて「論ずる」という言葉を使うのも良いでしょう。

他にも、例えば「論ず」という言葉の命令形を考えてみると、現代風の言い方であれば「論じろ」となりますが、古風な言い回しになると「論じよ」または「論ぜよ」となります。

この「論じよ」「論ぜよ」と同じ雰囲気を持つのが「論ずる」であると考えると、わかりやすいでしょう。

論じるの例文

1.正しく論じるとは説得力を持って人に何かを伝えることである。
2.苦手な分野は事前調査に時間を掛けないと論じることができない。
3.この大学のありかたについてあなたの意見を自由に論じなさい。
4.可決すべき法案か否決すべき法案かを事前に論ずる。
5.他人の人生の是非を論じる人ほど愚かな人間はいない。

この言葉がよく使われる場面としては、道筋を立てて述べることを表現したい時などが挙げられます。

ビジネスシーンでも堅い仕事に就いている方以外は使わず、日常生活の中でも使うのは限定的で、大学のレポートや小論文を書く際に併せて使われる言葉となっています。

論ずるの例文

1.内容があまりにも無さすぎて論ずるに値しない議論となった。
2.漫画『蒼天航路』の名言「論ずるに及び申さん」「論ずるに術がござらん」が自分の中でブームだ。
3.仮に論ずるならば、予め何らかの結論を想定しておかなければならない。
4.経済を論ずるのではなく、国民の生活を論ずる必要がある。
5.変化の激しいこの時代を論ずることは困難である。

この言葉がよく使われる場面としては、論じるという言葉を少し古風な表現で表したい時などが挙げられます。

例文5のように現在や未来のことについても使うことがありますので、「論じる」の方を使わずに「論ずる」を使うと間違いというわけではありません。

「論じる」と「論ずる」の意味を知っている人からすると、古風な人間だなと思われるくらいです。

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