似た意味を持つ「豚に真珠」(読み方:ぶたにしんじゅ)と「猫に小判」(読み方:ねこにこばん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「豚に真珠」と「猫に小判」という言葉は、どちらも貴重なものを与えても本人にはその値打ちが分からないので無意味なことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「豚に真珠」と「猫に小判」の違い
「豚に真珠」と「猫に小判」の意味の違い
「豚に真珠」と「猫に小判」の違いを分かりやすく言うと、「豚に真珠」とは海外が由来の言葉、「猫に小判」とは日本が由来の言葉という違いです。
「豚に真珠」と「猫に小判」の使い方の違い
一つ目の「豚に真珠」を使った分かりやすい例としては、「引き籠って家から出ないのだから通販で服を買っても豚に真珠だ」「全く運転しないのに高価な車を買うのは豚に真珠です」などがあります。
二つ目の「猫に小判」を使った分かりやすい例としては、「高価な日本酒をいただいたが私はお酒が飲めないので猫に小判です」「ペットの子犬が高価な服を着るなんてまさに猫に小判だ」などがあります。
「豚に真珠」と「猫に小判」の使い分け方
「豚に真珠」と「猫に小判」はどちらも貴重なものを与えても本人にはその値打ちが分からないので無意味なことを意味する言葉ですが、「豚に真珠」が海外が由来の言葉なのに対して、「猫に小判」は日本が由来の言葉というのが違いです。
また、どちらも否定な印象を与える言葉ですが、「豚に真珠」の「豚」という言葉がより否定なイメージがあるので、日常的に使うなら「猫に小判」の方が適しています。
「豚に真珠」と「猫に小判」の英語表記の違い
「豚に真珠」も「猫に小判」も英語にすると「cast peals before swine」となり、例えば上記の「豚に真珠とはまさにこのことです」を英語にすると「This is like casting pearls before swine」となります。
「豚に真珠」の意味
「豚に真珠」とは
「豚に真珠」とは、貴重なものも価値の分からない者には無意味であることを意味しています。
「豚に真珠」の使い方
「豚に真珠」を使った分かりやすい例としては、「高価な日本酒を飲ませてもすぐ酔いつぶれるのなら豚に真珠だ」「高価な服を買っても家から出ないのならば豚に真珠です」「流行っているからと言って普段使わないものを買っても豚に真珠だ」などがあります。
「豚に真珠」は貴重なものも価値の分からない者には無意味であることを意味するマイナスなイメージを持つことわざです。そのため、目上の人に対して使うのは失礼に当たるので、使わないのが無難でしょう。
「豚に真珠」の由来
「豚に真珠」の由来は聖書です。新約聖書の『マタイによる福音書』でイエス・キリストは「神聖なものを犬に与えてはならず、また豚に真珠を投げてはならない」と記載しており、原文は「Cast not pearls before swine」になります。
なぜ、豚に真珠を投げてはならないのかというと、豚は食べてはいけない不浄な動物とされているため、真珠を与えても無駄な存在として扱われているからです。
「豚に真珠」を使う上で注意しなければならないのは、似合わないというニュアンスで使ってはいけないという点になります。与えたものが無駄であることを表現したい時に使うと覚えておきましょう。
「豚に真珠」の対義語
「豚に真珠」の対義語・反対語としては、ただでさえ強いものに一層の強さが加わることを意味する「鬼に金棒」があります。
「豚に真珠」の類語
「豚に真珠」の類語・類義語としては、いくら意見をしても全く効き目のないことを意味する「馬の耳に念仏」があります。
「猫に小判」の意味
「猫に小判」とは
「猫に小判」とは、貴重なものを与えても本人にはその値打ちが分からないことを意味しています。
「猫に小判」の使い方
「猫に小判」を使った分かりやすい例としては、「高価なワインをいただいたが私はお酒が飲めないので猫に小判です」「ネットサーフィーンくらいしかしないのに高価パソコンを買うなんて猫に小判だ」「全く使わないのに流行りだから購入するなんて猫に小判です」などがあります。
「猫に小判」は貴重なものを与えても本人にはその値打ちが分からないことを意味するマイナスなイメージを持つことわざです。そのため、目上の人に対して使うのは失礼に当たるので、使わないのが無難でしょう。
「猫に小判」の語源
「猫に小判」の語源は、猫に小判に与えても価値や活用法が分からないため無駄になるということが転じて、貴重なものを与えてもその値打ちが分からないので無駄なことという意味で使われるようになりました。
ではなぜ猫が選ばれたのかというと、猫は人間に身近であり、かつ思い通りに動いてはくれない動物だったからです。また、小判は貴重なものの代表なので使われています。
「猫に小判」の類語
「猫に小判」の類語・類義語としては、いくら道理を説いて聞かせても益がないことを意味する「犬に論語」(読み方:いぬにろんご)、いくら意見をしても効き目がないことを意味する「兎に祭文」(読み方:うさぎにさいもん)などがあります。
「豚に真珠」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、貴重なものも価値の分からない者には無意味であることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「豚に真珠」はマイナスなイメージで使うのが一般的です。
「猫に小判」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、貴重なものを与えても本人にはその値打ちが分からないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「猫に小判」はマイナスなイメージで使うのが一般的です。
「豚に真珠」と「猫に小判」は、どちらも貴重なものを与えても本人にはその値打ちが分からないので無意味なことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、豚という言葉は否定的な印象が強いので、柔らかい印象を与える「猫に小判」を使うといいでしょう。