似た意味を持つ「思い立ったが吉日」(読み方:おもたったがきちじつ)と「善は急げ」(読み方:ぜんはいそげ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「思い立ったが吉日」と「善は急げ」という言葉は、どちらもすぐに行動した方が良いことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「思い立ったが吉日」と「善は急げ」の違い
「思い立ったが吉日」と「善は急げ」の意味の違い
「思い立ったが吉日」と「善は急げ」の違いを分かりやすく言うと、「思い立ったが吉日」とはその日が吉日だと思ってすぐに始めること、「善は急げ」とは良いことはすぐやることという違いです。
「思い立ったが吉日」と「善は急げ」の使い方の違い
一つ目の「思い立ったが吉日」を使った分かりやすい例としては、「思い立ったが吉日とお師匠さんが言っていました」「思い立ったが吉日ということで今日から禁酒を始める」などがあります。
二つ目の「善は急げ」を使った分かりやすい例としては、「善は急げだというようにすぐ行動するのが大切です」「私の座右の銘は善は急げです」「善は急げというから今から計画を立てることにします」などがあります。
「思い立ったが吉日」と「善は急げ」の使い分け方
「思い立ったが吉日」と「善は急げ」は似た意味を持つ言葉ですが、少し違いがあるので注意が必要です。
「思い立ったが吉日」は何かをしようという気持ちになったらその日が吉日と思ってすぐに始めるのが良いことを意味しており、良い行いを行なうというニュアンスがありません。
一方、「善は急げ」は良いことは躊躇わずにすぐに行えということを意味しており、その日が縁起が良いから始めるというニュアンスがないというのが違いです。
「思い立ったが吉日」と「善は急げ」の英語表記の違い
「思い立ったが吉日」も「善は急げ」も直訳した英語はありませんが、近い表現として、「Strike while iron is hot」があります。
「思い立ったが吉日」の意味
「思い立ったが吉日」とは
「思い立ったが吉日」とは、何かをしようという気持ちになったらその日が吉日と思ってすぐに始めるのが良いことを意味しています。
「思い立ったが吉日」の使い方
「思い立ったが吉日」を使った分かりやすい例としては、「思い立ったが吉日ということで今日から筋トレを始める」「思い立ったが吉日すぐに企画書を書き始める」「思い立ったが吉日という精神はとても大切だと思います」などがあります。
「思い立ったが吉日」は何かをしようという気持ちになったらその日が吉日と思ってすぐに始めるのが良いことを意味することわざです。何かを始めようと思ったら先延ばしにせず、その日から始めた方が良いことを伝えています。そのため、とても前向きな表現になります。
「思い立ったが吉日」の語源
「思い立ったが吉日」はあることをしようという考えを起こすことを意味する「思い立つ」と、祝い事など何か事をするのによいとされる日のことを意味する「吉日」で成り立っている言葉です。
また、「思い立ったが吉日」は良いと思った日を待つのではなく、行うと決心したその日が吉日になると覚えておきましょう。
「思い立ったが吉日」の言い換え語は「思い立ったら吉日」「思い立つ日が吉日」
「思い立ったが吉日」は「思い立ったら吉日」「思い立つ日が吉日」などと言い換えることも可能です。言い換えなので、意味は同じになります。
「思いついたが吉日」は誤字
ただし、「思いついたが吉日」は誤りなので間違えないようにしましょう。
「思い立ったが吉日」の類語
「思い立ったが吉日」の類語・類義語としては、良い機会に巡りあったときにはそれを取り逃してはならないことを意味する「好機逸すべからず」(読み方:こうきいっすべからず)、良い行いは早めに進めた方がよいことを意味する「旨い物は宵に食え」などがあります。
「善は急げ」の意味
「善は急げ」とは
「善は急げ」とは、良いことは躊躇わずにすぐに行えということを意味しています。
表現方法は「善は急げという」「善は急げだ」「善は急げとも言う」
「善は急げという」「善は急げだ」「善は急げとも言う」などが、「善は急げ」を使った一般的な言い回しになります。
「善は急げ」の使い方
「善は急げ」を使った分かりやすい例としては、「善は急げというけれどすぐ行動するのは難しい」「善は急げという精神は大切です」「善は急げとも言うし今日から禁煙を始める」「善は急げなので夏休みの宿題は早めに終わらせる」などがあります。
「善は急げ」は良いことは躊躇わずにすぐに行えということを意味することわざです。良いことはすぐに行わないと、せっかく訪れた好機を逃してしまうことを表しています。また、「善は急げ」は座右の銘としても人気がある言葉です。
「善は急げ」の由来
「善は急げ」の由来は、ダンマパダという仏教のお経になります。ダンマパダとは、仏教の教えを短い誌節の形で伝えたもので、日本語で「法句経」(読み方:ほっくぎょう)といいます。
ダンマパダに「善を為すのを急げ、悪から心を退けよ、善を緩くしたら心は悪事を楽しむ」という教えがあります。これは、「善いことをするのに躊躇っていると、悪い好意や楽な習慣に負けてしまう」ということを意味しています。
これが転じて、善いことは急いで行うべきだという意味で「善は急げ」という言葉が使われるようになりました。
「善は急げ」は自分の意志表明だけでなく、相手の行動を促す場合にも使うことができるのが特徴です。
「善は急げ」の類語
「善は急げ」の類語・類義語としては、物事は関係者の熱意がある間に事を運ばないとあとでは問題にされなくなることを意味する「鉄は熱いうちに打て」があります。
「思い立ったが吉日」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何かをしようという気持ちになったらその日が吉日と思ってすぐに始めるのが良いことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「思い立ったが吉日」はとても前向きな表現になります。
「善は急げ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、良いことは躊躇わずにすぐに行えということを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「善は急げ」はとても前向きな表現になります。
「思い立ったが吉日」と「善は急げ」はどちらもすぐに行動した方が良いことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、その日が吉日だと思ってすぐに始めることを表現したい時は「思い立ったが吉日」、良いことはすぐやることを表現したい時は「善は急げ」を使うと覚えておきましょう。