【お聞きしたい】と【お伺いしたい】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「お聞きしたい」(読み方:おききしたい)と「お伺いしたい」(読み方:おうかがいしたい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「お聞きしたい」と「お伺いしたい」という言葉は、どちらも相手に何かを聞いたり尋ねたりする場合に使う言葉を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「お聞きしたい」と「お伺いしたい」の違い

「お聞きしたい」と「お伺いしたい」の意味の違い

「お聞きしたい」と「お伺いしたい」の違いを分かりやすく言うと、「お聞きしたい」は訪ねるという意味を持っていない、「お伺いしたい」は訪ねるという意味を持っているという違いです。

「お聞きしたい」と「お伺いしたい」の使い方の違い

一つ目の「お聞きしたい」を使った分かりやすい例としては、「この件について御意見をお聞きしたいです」「お聞きしたいことがありましたのでお電話差し上げました」「昨晩の行動についていくつかお聞きしたいことがあります」などがあります。

二つ目の「お伺いしたい」を使った分かりやすい例としては、「先生のご意見をお伺いしたいです」「この件についてお伺いしたいと思います」「明日の14時頃そちらへお伺いしたいです」などがあります。

「お聞きしたい」と「お伺いしたい」の使い分け方

「お聞きしたい」と「お伺いしたい」はどちらも相手に何かを聞いたり尋ねたりする場合に使う言葉を意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「お聞きしたい」は聞くや尋ねるを丁寧に表現した言葉で、訪ねるという意味は持っていません。一方、「お伺いしたい」は聞く、尋ねる、訪ねるを丁寧に表現した言葉で、訪ねるという意味を持っているというのが違いになります。

したがって、「お聞きしたい」は「お伺いしたい」に置き換えることができますが、「お伺いしたい」は「お聞きしたい」に置き換えることができない場合もあると覚えておきましょう。

「お聞きしたい」と「お伺いしたい」の英語表記の違い

「お聞きしたい」も「お伺いしたい」も敬語表現なので直訳した英語はありませんが、近い表現として「ask」「hear」「listen」があります。

「お聞きしたい」の意味

「お聞きしたい」とは

「お聞きしたい」とは、相手に何かを聞いたり尋ねたりする場合に使う言葉を意味しています。

表現方法は「お聞きしたいのですが」「ぜひお聞きしたい」「お話をお聞きしたい」

「お聞きしたいのですが」「ぜひお聞きしたい」「お話をお聞きしたい」などが、「お聞きしたい」を使った一般的な言い回しになります。

「お聞きしたい」の使い方

「お聞きしたい」を使った分かりやすい例としては、「いただいた資料の中でいくつかお聞きしたいことがあります」「内容について一点お聞きしたいことがあります」「この件に関してお話をお聞きしたいです」などがあります。

「お聞きしたい」は話を情報として受け入れることを意味する「聞く」に、接頭語の「お」と、行いことを意味する「したい」が合わさり、相手に何かを聞いたり尋ねたりする場合に使う言葉です。

「お聞きしたい」は正しい敬語表現なので、ビジネスシーンにおいても使うことができます。また、さらに丁寧に表現したいのであれば、「お聞きしたいことがございます」「お聞きしたいことがあります」「お聞きしたいと存じます」を使うようにしましょう。

「お聞きしたい」は会話などで話し言葉としてだけではなく、ビジネスメールなどの書き言葉としても使うことが可能です。

「お聞きしたい」の類語

「お聞きしたい」の類語・類義語としては、つつしんで聞くことを意味する「拝聴する」、有識者または一定機関に意見を求めることを意味する「諮問する」(読み方:しもん)などがあります。

「お伺いしたい」の意味

「お伺いしたい」とは

「お伺いしたい」とは、相手に何かを聞いたり尋ねたりする場合に使う言葉を意味しています。その他にも、相手に訪ねたいことを伝えることの意味も持っています。

表現方法は「お伺いしたいと思います」「お伺いしたいのですがよろしいでしょうか」

「お伺いしたいと思います」「お伺いしたいのですがよろしいでしょうか」などが、「お伺いしたい」を使った一般的な言い回しになります。

「お伺いしたい」の使い方

「この件に関していくつかお伺いしたいことがあるのですがよろしいでしょうか」「あなたのご意見をお伺いしたいです」などの文中で使われている「お伺いしたい」は、「相手に何かを聞いたり尋ねたりする場合に使う言葉のこと」の意味で使われています。

一方、「今週の金曜日に改めてお伺いしたいのですがよろしいでしょうか」「ご迷惑でなければまた後日お伺いしたいです」などの文中で使われている「お伺いしたい」は、「相手に訪ねたいことを伝えること」の意味で使われています。

「お伺いしたい」は、聞く、尋ねる、訪ねるの謙譲語の「伺う」に、接頭語の「お」と、行いたいことを意味する「したい」が合わさった敬語表現です。

厳密に言えば、「お伺いしたい」は二重敬語ですが、ビジネスメールや電話において広く一般的に使われているため、許容されている表現と覚えておきましょう。

二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」のように同じ種類の敬語を重複させることです。

二重敬語はより丁寧に表現しようとして、同じ種類の敬語を重ねて使ってしまうことですが、間違った敬語の使い方なので使わないように気をつけましょう。

しかし、文化庁の敬語の指針において、二重敬語であっても習慣として定着していれば、使用しても問題はないとされています。したがって、「お伺いしたい」は習慣として定着している言葉なので、使っても問題ない言葉と覚えておきましょう。

では「お伺いしたい」の正しい敬語表現とは言うと、「伺いたい」になります。「伺う」が謙譲語表現なので、「伺いたい」だけでも問題ありません。

ただし、目上の人に対して使う場合にはやや敬意に欠けている表現なので、「伺いたいです」「伺いたく存じます」「伺いたい所存です」などを使うようにしましょう。

「お伺いしたい」の類語

「お伺いしたい」の類語・類義語としては、行く先方を敬うことを意味する「参ります」、相手に意見を要求することを意味する「意見を求める」などがあります。

「お聞きしたい」の例文

1.警察からお聞きしたいことがあるので、署まで御同行お願いしますと言われたが、身に覚えのないことなのでとても困惑している。
2.一つお聞きしたいことがあるのですが、お時間の方よろしいでしょうか。
3.チームへ加入後の処遇に関しまして、お聞きしたいことがあります。
4.こちらの商品に関しまして、いくつかお聞きしたいことがあります。
5.大変恐縮なのですが、改めてお聞きしたいことがございます。
6.明日の会議に向けまして、資料の中で一点お聞きしたいことがございます。ご確認いただけますでしょうか。
7.最新のマーケットトレンドについてお聞きしたいことがあります。ご専門の方にお話をお聞きできればと思います。
8.夜分遅くにすみません。仕事のことでいつくかお聞きしたいことがありましたのでお電話差し上げました。
9.お取引先の方針についてお聞きしたいことがあります。お時間をいただけますでしょうか。
10.ここで皆様にお聞きしたいのは、毎年の子供のお年玉にはいくら包んでいるかということです。

この言葉がよく使われる場面としては、相手に何かを聞いたり尋ねたりする場合に使う言葉のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「お聞きしたい」はビジネスシーンでも使うことができる言葉です。

「お伺いしたい」の例文

1.先日ご紹介いただいた商品について、いくつかお伺いしたいことがございます。
2.じっくりとお話をお伺いしたいので、このあとお時間ありますですしょうか。
3.明日の10時頃お伺いしたいのですが、ご予定の方はいかがでしょうか。
4.一度部下と御社にお伺いしたいのですが、よろしいでしょうか。
5.来週の日曜日、ご自宅にお伺いしたいのですが、よろしいでしょうか。
6.お忙しいところ、一点お伺いしたいことがございます。新プロジェクトにおいてご意見を伺いたく存じます。
7.今後の展望についてお伺いしたいことがございます。お話をお伺いできる機会をいただければと存じます。
8.貴社の中途採用に関してお伺いしたいことがございます。 ぜひお話させていただくことはできませんでしょうか?
9.資料の内容に関して、いくつかお伺いしたいことがございます。ご都合がよろしければ、ご連絡いただけますでしょうか。
10.新商品の販売戦略についてなのですが、マーケティングに明るいあなたのご意見をお伺いしたいです。

この言葉がよく使われる場面としては、相手に何かを聞いたり尋ねたりする場合に使う言葉のことを表現したい時などが挙げられます。相手に訪ねたいことを伝えることを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「お伺いしたい」は相手に何かを聞いたり尋ねたりする場合に使う言葉のこと、例文3から例文5の「お伺いしたい」は相手に訪ねたいことを伝えることの意味で使っています。

「お聞きしたい」と「お伺いしたい」はどちらも相手に何かを聞いたり尋ねたりする場合に使う言葉のことを表します。

どちらの言葉を使うか迷った場合、訪ねるという意味を持っていないのが「お聞きしたい」、訪ねるという意味を持っているのが「お伺いしたい」と覚えておきましょう。

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